35歳の少女の最終回がひどいと言われる理由!打ち切りだったのか解説

『35歳の少女』の最終回は、登場人物の問題が一気に解決する駆け足展開や、現実離れしたハッピーエンドに対して「ひどい」「やっつけ感がある」と批判する声が上がりました。一方で「涙腺崩壊」「金言だらけの物語」と感動を伝えるファンも多く、最終回の評価は大きく割れています。この記事では、最終回が批判された具体的な理由と、打ち切りだったのかどうかを解説します。

作品名 35歳の少女
脚本 遊川和彦
放送局 日本テレビ系「土曜ドラマ」
放送期間 2020年10月10日〜12月12日
話数 全10話
主要キャスト 柴咲コウ、坂口健太郎、鈴木保奈美、田中哲司、橋本愛
打ち切り判定 🟢 打ち切りではない(完結済み)

『35歳の少女』の最終回がひどいと言われる理由

2020年12月12日に放送された最終回(第10話)は、視聴者の間で評価が大きく分かれました。Filmarksでの評価は3.2点(5点満点)、レビュー数は4,500件を超えており、注目度の高さがうかがえます。批判意見を整理すると、主に3つの理由に集約されます。

理由1:登場人物の問題が突然解決する「やっつけ感」

最終回で最も批判を受けたのは、それまで複雑に絡み合っていた登場人物たちの問題が、最終回で一気に浄化されるように解決した点です。ドラマの中盤から終盤にかけて、望美の家族は完全に崩壊していました。父・進次(田中哲司)は家を出て別の女性と暮らし始め、母・多恵(鈴木保奈美)は精神的に追い詰められて望美への執着が歪んだ形になり、妹・愛美(橋本愛)は25年間「眠り続ける姉の代わり」として生きてきた苦しみを爆発させていました。

これほど深刻だった家族の亀裂が、最終回の約1時間で次々と修復されていきます。視聴者からは「9話分かけて積み上げた困難が、最終回1話で全部解決するのは無理がある」という指摘が相次ぎました。特に愛美の心境の変化は急激で、姉への嫉妬と怒りを抱えていた人物が短い時間で和解に至る展開に「感情の変化が追いつかない」という声も見られました。

ドラマレビューサイトでも「急にやっつけ感満載の最終回だった」「なんでこんなに駆け足になったんだろうか」という感想が多く投稿されています。9話までの丁寧な人物描写と比較して、最終回の展開スピードに違和感を覚えた視聴者が少なくなかったようです。

なお、第9話の時点でも家族の問題は深刻な状態のままでした。残り1話で全員の物語を着地させるには、どうしても一人あたりの描写が薄くなります。結果として、各人物の「気持ちの変化」が十分に描かれないまま和解に至った印象が残り、「やっつけ感」という評価につながったと考えられます。

理由2:素人が1年で女子アナになる非現実的な展開

最終回のラストでは、心が10歳の状態から目覚めた望美が、わずか1年ほどでアナウンサーとして活躍する姿が描かれました。25年間眠り続けていた人物が、一般的な社会経験も学歴もないままテレビ局のアナウンサーになるという展開に、「さすがに現実離れしすぎている」という批判が集まりました。

ドラマの序盤から中盤では、望美が現代社会に適応できずに苦しむ姿がリアルに描かれていました。スマートフォンの使い方がわからない、1995年と2020年の常識のギャップに戸惑う、同年代の人間関係をうまく築けないといった困難が丁寧に描写されていたのです。その現実的な描写があったからこそ、最終回の飛躍に違和感を覚えた視聴者が多かったと考えられます。

レビューの中には「たった1年で素人が女子アナになってしまう童話ではなく、困難と向き合っていくなかでどうやって人間が成長していくのかを見たかった」という意見もありました。ドラマの持ち味であった「リアルな葛藤」が、最終回で放棄されたように感じたのでしょう。

もっとも、遊川和彦の脚本は寓話的な要素を取り入れることが多く、望美の成長も文字通りの現実描写ではなく「諦めなければ夢は叶う」というメッセージの象徴として描いた可能性はあります。ただ、その演出意図が視聴者にうまく伝わらなかった面は否めません。

なお、ドラマの序盤で望美がニュースキャスターに憧れる伏線は張られていました。10歳だった1995年当時、テレビの中のアナウンサーに夢を重ねていた望美が、目覚めてからその夢を追いかけるという流れ自体は物語として筋が通っています。問題は、その「夢を実現するまでの過程」が最終回の短い尺で一気に処理されてしまったことにあるのでしょう。

理由3:ドラマ全体の暗い雰囲気とハッピーエンドの落差

『35歳の少女』は、回を追うごとにかなり重いテーマを扱っていました。望美の家族が崩壊していく過程、初恋の相手・結人(坂口健太郎)が夢を諦めて引きこもりになった現実、望美自身が現代社会に絶望して「眠ったままのほうがよかった」と口にする場面など、心理的に追い詰められる展開が続いていたのです。

最終回で急にハッピーエンドへと舵を切ったことで、「このドラマは結局何を伝えたかったのか」という疑問を抱いた視聴者もいます。結人が望美に「俺たちは死ぬまで一緒にいるために出会ったんだ」と告白するシーンも、感動的と受け取る人がいる一方で「取ってつけたように感じた」という反応がありました。

Yahoo!知恵袋には「すべてがうまく行きましたけど、無理やり感がありました」という投稿もあり、最終回の幸福な結末そのものよりも、そこに至る過程の描き方に不満を感じた視聴者が多かったことがうかがえます。主題歌であるKing Gnuの「三文小説」がラストシーンに流れた演出は好評でしたが、それだけでは物語の急展開をカバーしきれなかったようです。

ただし、最終回を肯定する視聴者も決して少なくありません。「望美が描いたイラストの意味」にテーマが集約されていたとして「ドラマ全体のテーマを見事にまとめた」と評価する声もありました。賛否が分かれた最終回ですが、受け取り方は視聴者がドラマに何を求めていたかによって大きく異なるようです。

『35歳の少女』は打ち切りだったのか?

最終回の駆け足感から「打ち切りだったのでは」と疑う声も一部で見られます。しかし結論から言うと、『35歳の少女』は打ち切りではありません。予定通り全10話で放送を完了しています。

全10話は予定通りの話数

『35歳の少女』は全10話で予定通り放送を完了しており、途中で打ち切られた事実はありません。日本テレビの土曜ドラマ枠は、もともと10話前後で完結する構成が一般的です。遊川和彦が同枠で手がけた『同期のサクラ』(2019年)も全10話でした。

放送スケジュールにも変更はなく、2020年10月10日の初回から12月12日の最終回まで、毎週予定通りに放送されました。打ち切りが行われた場合に見られる「放送回数の削減」「突然の最終回告知」といった兆候は一切ありませんでした。

なお、打ち切り作品ではBlu-ray BOXの発売が見送られるケースもありますが、本作は2021年にBlu-ray BOXが通常通り発売されています。Amazonでも取り扱いがあり、作品としての展開に問題があったことをうかがわせる要素はありません。

視聴率は低迷したが打ち切り水準ではない

『35歳の少女』の視聴率は初回から徐々に下降する傾向が見られました。以下が判明している各話の世帯平均視聴率(関東地区・ビデオリサーチ調べ)です。

話数 世帯視聴率
第1話 11.1%
第2話 9.6%
第3話 10.0%
第4話 9.1%
第6話 7.6%

初回は11.1%と2桁スタートを切りましたが、第2話で1.5ポイント下落。第3話で一度10.0%に戻したものの、第4話以降は再び下降し、第6話では7.6%まで落ち込んでいます。

全話平均は約9%台で、突出した高視聴率とは言えませんが、2020年秋クールの連続ドラマとしては打ち切りの対象になるほど低い数字ではありませんでした。近年は配信サービスでの視聴者が増加しており、世帯視聴率だけでドラマの評価を測ることは難しくなっています。本作もHuluでの配信が行われており、リアルタイム視聴率に表れない視聴者層がいたと考えられます。

また、柴咲コウの5年ぶりの民放連続ドラマ主演ということもあり、日本テレビとしても力を入れた編成でした。初回11.1%という2桁スタートは一定の注目度を示しており、打ち切りとは無関係の作品です。

駆け足展開は脚本構成によるもの

打ち切りではないにもかかわらず最終回が駆け足に感じられた背景には、物語全体の構成上の問題があったとみられます。中盤で登場人物の葛藤を徹底的に深掘りした結果、最終回1話で収拾をつけなければならなくなったという見方です。

遊川和彦の過去作品を振り返ると、『家政婦のミタ』でも最終回で大きな方向転換がありましたし、『過保護のカホコ』でも終盤に急展開を入れる構成が見られます。最終回にカタルシスを集中させるのは遊川脚本の特徴とも言え、打ち切りによる尺不足ではありません。ただし、『35歳の少女』ではその手法が裏目に出た側面があったと言えるでしょう。

視聴率の低下が構成に影響を与えた可能性も完全には否定できませんが、日本テレビの土曜ドラマ枠で放送途中に話数が変更された前例はほとんどありません。本作も当初から全10話の予定で制作されており、スケジュール通りに完走しています。

脚本家・遊川和彦の現在

『35歳の少女』の脚本を手がけた遊川和彦は、日本のテレビドラマを代表する脚本家の一人です。ここでは遊川の経歴と最新作について紹介します。

遊川和彦の代表作

遊川和彦は、社会的なテーマを独特の切り口で描くことで知られています。代表作には『女王の教室』(2005年)、『家政婦のミタ』(2011年)、『過保護のカホコ』(2017年)、『同期のサクラ』(2019年)などがあり、いずれも放送時に大きな話題を呼びました。

特に『家政婦のミタ』は最終回で視聴率40.0%を記録し、2000年代以降の連続ドラマとしては異例の高視聴率でした。『35歳の少女』は遊川にとって『同期のサクラ』に続く日本テレビとの連続タッグ作品で、柴咲コウとは2015年の『○○妻』以来5年ぶりの共演でした。

遊川作品に共通するのは、最初に強烈なインパクトのある設定を提示し、そこから人間関係の変化を描いていくスタイルです。『女王の教室』の厳格な教師、『家政婦のミタ』の感情を見せない家政婦、そして『35歳の少女』の25年間眠り続けた女性。いずれも非日常的な設定を入口にして、家族や社会のあり方を問いかける構成が取られています。

遊川和彦の最新作

遊川和彦は『35歳の少女』以降も新作を発表しています。2024年1月〜3月には、テレビ朝日系日曜22時枠で『アイのない恋人たち』の脚本を担当しました。福士蒼汰を主演に迎え、恋愛偏差値が低いアラサー男女7人の群像劇を全9話で描いた作品です。

遊川の脚本は、序盤の衝撃的な展開で視聴者を引きつけ、終盤で大きなメッセージを提示するスタイルが一貫しています。『35歳の少女』もその手法に沿った作品でしたが、最終回の評価が分かれたことで「遊川作品の終わらせ方」について改めて議論が生まれるきっかけにもなりました。

遊川は『35歳の少女』以前にも『○○妻』(2015年)で柴咲コウと組んでおり、強い女性キャラクターを中心に据えた人間ドラマを得意としています。今後の新作についても注目が集まっている脚本家です。

『35歳の少女』はどこで見られる?

『35歳の少女』は日本テレビ系の作品のため、動画配信サービス「Hulu」で全話視聴が可能です。TVerでも期間限定で配信されることがあります。Apple TVでも取り扱いがあるため、ご自身の契約状況に合わせて視聴方法を選べます。

最終回の評価は賛否が分かれていますが、柴咲コウの「心は10歳・体は35歳」という難役の演技は多くの視聴者から高い評価を受けています。目覚めた直後の無邪気な表情から、現実に打ちのめされて変わっていく表情の演じ分けは見応えがあります。坂口健太郎、鈴木保奈美、田中哲司、橋本愛ら豪華キャストの共演も見どころです。

また、河出文庫から遊川和彦原案の小説版も刊行されています。ドラマとは異なるペースで物語を追えるため、最終回の展開に不満が残った方は小説版で改めて読み返してみるのも一つの楽しみ方です。


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