『おっさんずラブ』は打ち切りではなく、全シーズンが予定通りの話数で完結しています。世帯視聴率が平均4〜5%台と低かったことや、シーズンごとに賛否が分かれたことが打ち切り説の原因です。この記事では、おっさんずラブが打ち切りと言われた3つの理由と、打ち切りではない根拠を詳しく解説します。
| 作品名 | おっさんずラブ |
|---|---|
| 脚本 | 徳尾浩司 |
| 連載誌 / 放送局 | テレビ朝日 |
| 放送期間 | 2016年(単発)〜2024年(リターンズ) |
| シーズン数 | 全3シーズン+劇場版1作 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
おっさんずラブが打ち切りと言われた理由
『おっさんずラブ』はテレビ朝日の深夜ドラマ枠で放送された作品です。世帯視聴率だけを見ると決して高い数字ではなく、シーズンごとに視聴者から厳しい評価を受けた部分もありました。こうした事情が「打ち切りでは?」という誤解を生んだ原因です。
理由1:世帯視聴率が全シーズン通じて低調だった
打ち切り説が出た最大の原因は、世帯視聴率の低さです。2018年に放送されたシーズン1の世帯視聴率は、初回2.9%からスタートしました。回を追うごとに上昇したものの、最終話(第7話)でも5.7%にとどまっています。全7話の平均視聴率は約4%で、一般的なドラマの成功ラインとされる二桁視聴率には遠く及びません。
2019年のシーズン2『おっさんずラブ -in the sky-』は、初回こそ5.8%と土曜ナイトドラマ枠の過去最高を記録しましたが、最終話は5.1%に落ち着きました。2024年の『おっさんずラブ -リターンズ-』も初回4.0%前後と報じられており、シリーズを通じて世帯視聴率は4〜6%の範囲で推移しています。
しかし、これらはいずれも深夜23時台に放送された「土曜ナイトドラマ」「金曜ナイトドラマ」枠の数字です。深夜帯のドラマは視聴率が低いのが一般的であり、同枠の他作品と比較しても特段低い水準ではありません。ゴールデンタイムのドラマと単純比較して「低い=打ち切り」と判断するのは誤りです。
さらに重要なのは、2018年当時からTVerなどの見逃し配信サービスの利用が急速に拡大していた点です。『おっさんずラブ』は配信での再生回数が非常に多く、リアルタイム視聴率だけでは測れない圧倒的な支持を集めていた作品でした。テレビ朝日もこの配信人気を重視しており、世帯視聴率の低さが打ち切りの根拠にはなっていません。
実際、GLOBIS(グロービス)の分析記事でも「低視聴率でもブームになった理由」として取り上げられており、従来の視聴率指標では測れない新しいタイプのヒット作だったことが指摘されています。
理由2:『in the sky』の最終回への批判
2019年放送のシーズン2『おっさんずラブ -in the sky-』は、シーズン1とは異なるキャラクター・設定の「別世界線」として描かれました。舞台が不動産会社からパイロットの世界に変わり、田中圭演じる春田の相手役もシーズン1の林遣都(牧凌太役)から千葉雄大(成瀬竜役)に変更されています。
この大幅な設定変更は放送前から賛否を呼びましたが、最終回(第8話)の結末がさらなる議論を巻き起こしました。春田の恋の行方について視聴者の期待と結末が噛み合わず、「脚本がお粗末」「無理やりすぎる」という不満の声が相次いだのです。
最終回の不評がSNSで広まったことで、「不評だったからシリーズ自体が打ち切られたのでは」という誤解に発展しました。しかし『in the sky』は全8話で予定通り完結しており、土曜ナイトドラマ枠としては標準的な話数です。最終回の評価が低かったことと、番組が打ち切りにされることは全く別の問題であり、混同してはいけません。
実際、『in the sky』放送後もシリーズは終わっておらず、約5年後の2024年にはシーズン1の世界線に戻った『リターンズ』が制作されています。最終回への不満でシリーズが打ち切られた事実はありません。
理由3:『リターンズ』への「蛇足」という評価
2024年1月から放送された『おっさんずラブ -リターンズ-』は、2018年のシーズン1と2019年の劇場版の正統続編にあたります。劇場版から約5年ぶりの新作ということで大きな注目を集めましたが、放送前から「劇場版で綺麗に終わったのだから続編は不要では」という慎重な声も上がっていました。
実際の放送後も評価は大きく分かれました。田中圭演じる春田と林遣都演じる牧のカップルが再び描かれたことを歓迎する声がある一方、「第1作が綺麗に終わりすぎていて、続編を作る必要性を感じない」という意見が根強くありました。
特に物議を醸したのは、後半の展開です。武蔵(眞島秀和)の余命1年というプロットが第7話以降のメインストーリーとなりましたが、「なぜそんな使い古されたプロットを採用したのか」という疑問の声が多く上がっています。全体的にコメディに振りすぎているという指摘もあり、シリアスなテーマとのバランスに違和感を覚えた視聴者も少なくなかったようです。
こうした賛否が「打ち切り」という言葉と結びつけられましたが、『リターンズ』は金曜ナイトドラマ枠で全9話を放送しています。同枠はここ数年全8話以下の構成が多く、9話まで放送された『リターンズ』はむしろ放送枠の中で優遇されていたと言えます。打ち切りの事実はありません。
おっさんずラブが打ち切りではない根拠
打ち切り説はネット上の憶測に過ぎず、おっさんずラブが打ち切りにされたというテレビ朝日や制作サイドからの公式発表・報道は一切存在しません。むしろ以下の根拠から、計画通りに制作・放送が行われたシリーズであることがはっきりしています。
全シーズンが放送枠の標準話数以上で完結
おっさんずラブの各シーズンの話数を見ると、打ち切りの形跡がないことは明らかです。シーズン1は土曜ナイトドラマ枠で全7話、シーズン2『in the sky』は同枠で全8話、シーズン3『リターンズ』は金曜ナイトドラマ枠で全9話でした。
テレビ朝日の深夜ドラマ枠は、もともと全7〜8話程度で1クールを構成する短めの放送形態です。打ち切りであれば話数が削られるのが通常ですが、おっさんずラブはシーズンを重ねるごとに話数が増えています。これは局側がシリーズに期待を寄せ、放送枠を拡大した結果と考えられます。
また、各シーズンの最終話はいずれもストーリーが完結する形で終わっており、急な打ち切りにありがちな「駆け足展開」「投げっぱなしの結末」も見られません。
社会現象レベルの話題性とドラマ賞の受賞
2018年に放送されたシーズン1は、世帯視聴率こそ低調だったものの、SNSを中心に爆発的な話題を呼びました。「おっさんずラブ」は2018年の新語・流行語大賞トップ10に選出されるほどの社会現象となり、BL(ボーイズラブ)作品が実写ドラマとしてメインストリーム化する大きなきっかけとなりました。
さらに第97回ザテレビジョンドラマアカデミー賞では、最優秀作品賞・主演男優賞(田中圭)・助演男優賞(林遣都)・脚本賞(徳尾浩司)など複数部門を受賞しています。業界からも高く評価されていた作品を、テレビ朝日が打ち切りにする理由はありません。
田中圭は本作をきっかけにブレイクし、以降のドラマ・映画で主演を務める機会が増えました。局にとっても俳優にとっても、大きな成果をもたらしたシリーズです。
劇場版の全国公開と海外リメイク展開
2019年8月23日には東宝配給で『劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』が全国公開されました。打ち切りになったドラマが劇場版まで制作されることは通常あり得ません。劇場版の製作は、テレビシリーズの成功を受けた商業的判断です。
さらに海外展開も進んでいます。2021年には香港のViuTVでリメイク版の制作が発表されました。2023年にはタイの大手制作会社GMMTVが『Ossan’s Love Thailand』の制作を発表し、2025年1月から放送が開始されています。
国内で連続ドラマ3シーズン+劇場版1作、海外で2カ国のリメイク版が制作されているという実績は、このシリーズが継続的に商業価値を持っていることを示しています。打ち切り作品にこれほどの展開が生まれることはありません。
シーズン1から6年後に続編が制作された事実
打ち切り作品の場合、続編が制作されることはまずありません。しかしおっさんずラブは、2018年のシーズン1から約6年後の2024年に『リターンズ』が制作されています。しかもシーズン1と同じ世界線・同じキャストでの続編です。
通常、打ち切りになったドラマは続編どころかDVD化すら見送られることがあります。おっさんずラブの場合は逆で、シーズン1のBlu-ray BOXが好調な売上を記録し、劇場版の製作に繋がっています。さらにその劇場版の成功を受けて、約5年の時を経て続編ドラマが企画されました。
6年間にわたってシリーズが存続し、新作が作り続けられたという事実そのものが、打ち切りとは正反対の状況を物語っています。テレビ朝日がこのIPに商業的価値を認め続けていたからこそ、長期にわたるシリーズ展開が実現しました。
おっさんずラブの脚本家・徳尾浩司の現在
『おっさんずラブ』全シリーズの脚本を手がけた徳尾浩司は、現在も第一線で活動する脚本家です。おっさんずラブ以降も数多くの作品を発表しています。
徳尾浩司の最新作
徳尾浩司は2024年に『おっさんずラブ -リターンズ-』(テレビ朝日)のほか、テレビ東京の『青春ミュージカルコメディ oddboys』やTBSの『ライオンの隠れ家』など、複数局にまたがる作品の脚本を担当しました。局を問わず起用されていることからも、業界での評価の高さがうかがえます。
2025年には夏放送予定の『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』や、秋放送予定の『シバのおきて〜われら犬バカ編集部〜』の脚本を担当することが発表されています。コメディからサスペンスまで幅広いジャンルを手がけており、活動は非常に活発です。
1979年4月2日生まれ、大阪府出身の徳尾浩司は、おっさんずラブで第97回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の脚本賞を受賞して以降、年に複数本のドラマ脚本を執筆し続けています。おっさんずラブの脚本家としてだけでなく、テレビドラマ業界で幅広く活躍する脚本家として着実にキャリアを積み重ねています。
おっさんずラブシリーズの見る順番
おっさんずラブは複数の「世界線」で構成されているため、初めて見る方は順番に迷うことがあります。ここではシリーズ全体の構成と、おすすめの視聴順を整理します。
まず最初に見るべきは、2018年放送のシーズン1(全7話)です。田中圭演じる春田創一が不動産会社「天空不動産」で上司の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と後輩の牧凌太(林遣都)から想いを寄せられるという物語で、シリーズの原点にあたります。
次に2019年8月公開の劇場版『おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜』、そして2024年1月放送の『おっさんずラブ -リターンズ-』(全9話)という順番です。この3作は同じ世界線でストーリーが繋がっており、時系列通りに追うことでキャラクターの変化を楽しめます。
2019年放送の『おっさんずラブ -in the sky-』(全8話)は、春田が航空業界で働くという別世界線の物語です。キャストの一部は共通していますが、キャラクター設定が異なるため、シーズン1とは独立した作品として楽しめます。上記3作を見た後に視聴するのが一般的です。
なお、2016年12月31日に放送された単発ドラマ版は、連続ドラマ版とは一部設定が異なるパイロット版的な位置づけです。シリーズを深く知りたい方は最後に視聴するとよいでしょう。現在はTELASAやAmazon Prime Videoなどの配信サービスで全シリーズを視聴できます。

