プリキュアシリーズでは、特定の作品の最終回が「ひどい」とファンの間で批判を集めています。脚本の矛盾やテーマの消化不足、制作トラブルによる話数短縮など、批判の原因は作品ごとに異なります。この記事では、最終回が批判されたプリキュア作品の具体的な問題点と、シリーズ全体の評価を詳しく解説します。
| 作品名 | プリキュアシリーズ |
|---|---|
| 制作 | 東映アニメーション / ABCアニメーション / ADKエモーションズ |
| 放送局 | テレビ朝日系列(毎週日曜8:30〜) |
| 放送期間 | 2004年〜放送中 |
| シリーズ数 | 全23作品(2026年3月時点) |
| 打ち切り判定 | 🔵 放送継続中(打ち切りではない) |
プリキュアの最終回がひどいと言われる理由
プリキュアシリーズは2004年の初代から20年以上にわたり毎年新作が放送されており、2026年3月時点で全23作品が制作されています。しかし、すべての最終回がファンに好意的に受け入れられたわけではありません。ここでは、特に「ひどい」と批判を受けた代表的な4作品の最終回を具体的に見ていきます。
理由1:ハピネスチャージプリキュアの脚本の矛盾
2014年2月から2015年1月まで放送された『ハピネスチャージプリキュア!』は、シリーズの中でも特に批判が多い作品として知られています。「プリキュア 黒歴史」という検索候補が出るほど、ネット上では厳しい評価を受けました。
最終回付近で最も問題視されたのは、神様的存在である「ブルー」の扱いです。物語全体の元凶ともいえる兄弟喧嘩に中学生のプリキュアたちを巻き込んでおきながら、ブルー自身は最後までお咎めなしという展開にファンから強い不満の声が上がりました。
また、恋愛要素の扱いにも批判が集中しています。プリキュアたちの使命感を煽って戦わせた張本人が、最終的に恋愛関係で丸く収まるという構成は「ご都合主義」と受け取られました。
脚本面では、キャラクターの行動に一貫性がなく、特に敵幹部の扱いが中盤以降迷走したという指摘も多く見られます。制作側も途中からキャラクターの扱いに苦慮していたとみられ、「とりあえず活躍させた」印象が拭えないまま最終回を迎えました。
さらにハピネスチャージプリキュアは、プリキュアシリーズの10周年記念作品として発表された経緯があります。記念作品にふさわしい内容を期待していたファンが多かっただけに、脚本の粗が目立つ結果となったことへの失望は大きく、批判が特に激しくなった背景には10周年への期待値の高さがありました。
理由2:ヒーリングっどプリキュアのコロナによる話数短縮
2020年2月に放送開始した『ヒーリングっど♥プリキュア』は、新型コロナウイルスの影響を直接受けた作品です。放送休止を余儀なくされた結果、プリキュアシリーズで最少となる全45話で終了しました。
コロナによる制作中断に加え、2020年は東京オリンピック中継による放送枠の中断も当初から予定されていました。この二重の制約により、本来描くべきエピソードが削られたという見方がファンの間で広まっています。
最終回そのものに対しては、「地球を蝕んでいるのは人間」という重いテーマが提示された点が賛否を分けました。子ども向けアニメとしては異例のメッセージであり、従来のプリキュアらしい明るい締めくくりを期待していた視聴者からは「最終回らしくない」と批判されています。
一方で、コロナ禍という現実とリンクする形で「健やかに生きるとは何か」を問いかけた点を評価する声もあります。批判の多くは最終回単体というよりも、話数短縮によって物語全体が駆け足になった点に向けられていました。
特に敵キャラクターの掘り下げが不十分だったという声は根強く残っています。通常のプリキュアシリーズでは敵幹部が1話ずつ退場する展開に数話を費やしますが、ヒーリングっどプリキュアでは終盤の展開が圧縮され、本来あるべき感情の起伏が削られてしまったとみられています。
理由3:ひろがるスカイ!プリキュアの内容の薄さ
2023年2月から2024年1月まで放送された『ひろがるスカイ!プリキュア』は、シリーズ初の男子プリキュアを登場させるなど話題を集めた一方、最終回を含む後半の脚本に不満が集中した作品です。
最大の批判点は「1話ごとの内容が薄い」という指摘です。ストーリー自体がシンプルな構造のため、各話の密度が不足しやすく、最終回も要素を並べただけで深みに欠けるという評価がありました。
また、敵キャラクター「バッタモンダー」の扱いに納得できないという声も少なくありません。作中で悪事を重ねたキャラクターが、主人公・ましろの優しさによって「許される」形で処理されたことに対し、やったことがうやむやにされたと感じる視聴者がいました。
一方で、メインキュアであるソラが最終決戦で闇落ちするという展開は、プリキュアシリーズではタブー視されてきた表現として大きな話題を呼びました。この演出自体はSNS上で賛否両論ながらも注目を集め、最終回の数少ない見せ場として評価する声もあります。
最終回の構成自体は、Aパートで最終決戦、Bパートでエピローグ、Cパートで次世代への引き継ぎという手堅いまとめ方でした。ただし、それまでの積み重ねに対して物足りなさを感じるファンが多く、「きれいにまとまったが感動が薄い」という評価に落ち着いています。
理由4:わんだふるぷりきゅあ!のテーマの消化不足
2024年2月から2025年1月まで放送された『わんだふるぷりきゅあ!』は、「人間と動物の共生」をテーマに据えた作品です。全50話で完結しましたが、最終回ではテーマの扱いに対する批判が見られました。
特に問題視されたのは、ニホンオオカミの絶滅を150年前の出来事として取り上げながら、人間側のプリキュアたちが罪悪感を示さなかった点です。動物との共生をテーマにしながら、人間による絶滅の責任に向き合わない姿勢は「テーマに対して不誠実」と受け取る視聴者がいました。
最終回では、動物の仲間たちが一時的に力を失い人間の言葉を話せなくなる展開がありましたが、すぐに奇跡の力で元に戻るという解決がなされました。別れの場面が短く、「分離から10分で元通り」という展開は感動の余韻を損ねたという声があります。
また、作中では意図的に「絶滅」という言葉を避ける描写がなされており、これが「テーマへの踏み込みの甘さ」としてさらなる批判を招きました。動物との共生を正面から描くと宣言しながら、核心部分をオブラートに包む姿勢に違和感を覚えた視聴者は少なくありません。
ただし、年間を通じて「ペットの死」や「種の絶滅」という重いテーマに正面から取り組んだこと自体は評価されています。最終回への批判は、1年かけて積み上げたテーマの着地が物足りなかったという期待値の裏返しともいえるでしょう。
プリキュアは打ち切りだったのか?
最終回への批判が多い作品があると、「打ち切りだったのでは?」という疑問が浮かぶかもしれません。しかし、プリキュアシリーズの終了パターンは他のアニメとは異なる仕組みになっています。
プリキュアシリーズの放送形態
プリキュアシリーズは毎年2月に新シリーズがスタートし、翌年1月に終了するという1年交代制を採用しています。各作品は約48〜50話で構成され、最初から1年間の放送枠が確保されています。
つまり、個々の作品が視聴率や売上の低下で途中打ち切りになることは基本的にありません。仮にある年の作品の評価が低くても、翌年にはまったく新しいスタッフ・キャラクター・テーマで仕切り直されるため、1作品の不振がシリーズ全体の打ち切りに直結しにくい構造です。
最終回に不満があったとしても、それは打ち切りによる駆け足展開ではなく、脚本や構成上の問題であるケースがほとんどです。
唯一の例外はヒーリングっどプリキュアの全45話ですが、これもコロナの影響による放送休止が原因であり、打ち切りではありません。
各作品は駆け足展開だったのか
最終回が批判された作品であっても、放送話数は他のシリーズと大きく変わりません。ハピネスチャージプリキュアは全49話、ひろがるスカイプリキュアは全50話、わんだふるぷりきゅあは全50話で、いずれもシリーズ平均的な話数です。
駆け足展開だったかどうかは作品によって判断が分かれますが、少なくとも話数が削られたことによる駆け足ではありません。最終回への不満は、むしろ「話数は十分あったのに活かしきれなかった」という脚本・構成への批判と理解するのが正確です。
ヒーリングっどプリキュアに関しては、全45話という短さが展開に影響した可能性はあります。ただし、制作側はオリンピック中断も含めた話数調整を事前に行っており、限られた話数の中で構成を練り直していたとされています。
初代プリキュアには打ち切りの危機があった
興味深いことに、2004年に放送が始まった初代『ふたりはプリキュア』には打ち切りの可能性がありました。初代プロデューサーの鷲尾天氏は、「放送期間は1年だが、半年で打ち切りになる可能性も伝えられていた」と語っています。
しかし初代プリキュアは放送開始直後から人気を獲得し、打ち切りどころか続編『ふたりはプリキュア Max Heart』の制作が決定。以降、毎年新作が制作される長寿シリーズとなりました。
また、2006年放送の『ふたりはプリキュア Splash Star』の時期には、競合作品『おしゃれ魔女♡ラブandベリー』の大ヒットによりおもちゃ売上が低迷し、シリーズ終了の危機がありました。東映アニメーション内でも「次年度の成績が悪ければシリーズを終了する」という判断が示されていたとされています。
しかし翌年の『Yes!プリキュア5』でプリキュアの人数を5人に増やすという大胆な路線変更が功を奏し、おもちゃ売上が回復。シリーズは存続し、以降も毎年新作が制作される体制が続いています。
プリキュアシリーズの現在
最終回への批判がある作品が存在する一方で、プリキュアシリーズ自体は20年以上にわたり放送が続いている人気シリーズです。
2026年放送の『名探偵プリキュア!』
2026年2月1日から放送が開始された第23作目『名探偵プリキュア!』は、「探偵」をモチーフにした新シリーズです。タイトルに漢字が使われるのは2016年の『魔法つかいプリキュア!』以来10年ぶりとなっています。
主人公が現代の2027年から1999年にタイムスリップするという設定が話題を集めており、「自分で見て、感じて、考えて、”本当”の答えを出す」がテーマです。キャスト陣は千賀光莉、本渡楓、東山奈央らが出演しています。
シリーズディレクターは川崎弘二氏、東映アニメーション側のプロデューサーは前作『わんだふるぷりきゅあ!』でプロデューサー補佐を務めた荒牧壮也氏が担当しています。
20年以上続くシリーズとしての評価
プリキュアシリーズは2024年に通算1000話を達成し、レギュラープリキュアの総数は80人以上に達しています。バンダイの調査では「3〜5歳の女児向けキャラクターで2004年以降1位を維持」しているとされています。
最終回に不満が出る作品があるのは、20年以上・23作品という膨大な歴史を持つシリーズならではの現象ともいえます。毎年新しいスタッフと新しいテーマで挑戦し続けている以上、すべての作品がファン全員を満足させることは難しいでしょう。
視聴率は年々低下傾向にありますが、これはプリキュアに限らず地上波テレビ全体の傾向です。配信サービスでの視聴や、関連グッズ・映画興行収入などを含めた総合的なビジネスモデルにシフトしており、視聴率の低下が即座にシリーズの危機を意味するわけではありません。
シリーズ全体として見れば、打ち切りとは無縁の人気コンテンツであり、2026年3月時点でも新作が放送継続中です。個々の最終回への評価は分かれても、プリキュアというブランド自体の価値は揺らいでいません。

