「PERSONA5 the Animation」の最終回は、原作ゲームファンを中心に「ひどい」という評価が多く見られます。最大の原因は、プレイ時間100時間を超える原作ゲームのストーリーを全26話に圧縮したことによる駆け足展開と、第26話がバッドエンド的な終わり方だったことです。この記事では、ペルソナ5アニメの最終回が批判された具体的な理由と、打ち切りだったのかどうかを詳しく解説します。
| 作品名 | PERSONA5 the Animation(ペルソナ5 ジ・アニメーション) |
|---|---|
| 原作 | ペルソナ5(アトラス / 2016年発売) |
| 制作会社 | CloverWorks(旧A-1 Pictures高円寺スタジオ) |
| 監督 | 石浜真史 |
| 放送期間 | 2018年4月〜9月(全26話)+特番2話(2018年12月・2019年3月) |
| 巻数 | Blu-ray&DVD 全12巻(完全生産限定版) |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
ペルソナ5アニメの最終回がひどいと言われる理由
ペルソナ5のアニメは2018年4月から放送が開始され、同年9月に第26話で一旦の区切りを迎えました。しかし、この最終回をめぐっては放送直後から厳しい声が相次ぎました。
原作ゲームのファンからも、アニメから入った視聴者からも不満が噴出した背景には、複数の構造的な問題がありました。以下にその理由を詳しく解説します。
理由1:100時間超の原作ゲームを26話に圧縮した駆け足展開
ペルソナ5の原作ゲームは、クリアまでに100時間以上かかる大ボリュームのRPGです。メインストーリーだけでなく、日常パートでの仲間との交流(コープ)や、自由時間の使い方がゲームの大きな魅力となっています。
この膨大なボリュームを全26話(約10時間)に収めようとした結果、ストーリーの大幅なカットが避けられませんでした。各パレス(ダンジョン)の攻略は1〜2話で処理され、原作では数時間かけて描かれたエピソードが数分に凝縮されています。
特に後半のパレスになるほど駆け足感が顕著になり、物語の核心に関わるエピソードですら十分な尺が取れていない印象を受けた視聴者が多くいました。原作ゲームでは丁寧に積み上げられた伏線や人間関係の機微が、アニメでは「ダイジェスト」のようになってしまったという指摘は的を射ています。
同じアトラス作品のアニメ化である「ペルソナ4 ジ・アニメーション」は全25話でしたが、原作ゲームのボリュームがペルソナ5より少なかったため、比較的バランスの取れた構成になっていました。ペルソナ5はシリーズ最大のボリュームであり、同じ話数での映像化には無理があったと言えるでしょう。
理由2:コープイベントの省略でキャラクターの魅力が薄れた
原作ゲームにおけるコープ(協力関係)システムは、仲間やサブキャラクターとの絆を深めていく要素で、プレイヤーがもっとも時間を費やすパートのひとつです。各キャラクターの過去や悩みが掘り下げられ、信頼関係が段階的に築かれていく過程に感情移入するファンが多くいました。
しかしアニメ版では、大半のコープイベントがカットまたは大幅に短縮されました。メインメンバーの杏や竜司ですら、原作で描かれた内面の葛藤が省略されており、「なぜこのキャラがここまで主人公を信頼しているのか」が伝わりにくくなっています。
サブキャラクターのコープに至っては、ほぼ触れられないまま物語が進行します。武見妙や川上貞代といった人気キャラクターのエピソードを楽しみにしていたファンからは、落胆の声が多く上がりました。
結果として、クライマックスで仲間たちが結束する場面でも感動が薄れてしまい、「原作をプレイしていないと感情がついていけない」という批判につながっています。アニメ単体で見た場合、キャラクターの深みが足りないという評価は避けられないものでした。
理由3:第26話がバッドエンド的な終わり方で完結しなかった
最終回として放送された第26話は、主人公のジョーカーが明智吾郎に撃たれるという衝撃的なシーンで幕を閉じました。これは原作ゲームにおけるバッドエンドルートの展開に相当するものです。
物語の結末を見届けられないまま「続きは年末特番で」という告知が流れ、多くの視聴者が困惑しました。半年間追いかけてきた作品が、真のエンディングを見せないまま終了するという構成は、リアルタイム視聴者にとって大きな不満要因でした。
原作ゲームを知るファンは「これはバッドエンド分岐だ」と理解できましたが、アニメから入った視聴者にとっては意味不明な結末に映ったでしょう。「最終回なのに何も解決していない」「打ち切りかと思った」という声がSNS上で多く見られたのもうなずけます。
年末特番「Dark Sun…」(2018年12月放送)と後編「Stars and Ours」(2019年3月放送)で真のエンディングが描かれましたが、本編最終回から約3〜6か月待たされる形になりました。この構成自体が視聴者の不満を増幅させた面は否めません。
理由4:作画・演出が原作ゲームのスタイリッシュさに追いつかなかった
原作ゲームのペルソナ5は、赤と黒を基調としたスタイリッシュなUIデザインや、カットインを多用した演出で高い評価を受けています。戦闘シーンの演出は特に洗練されており、「ゲームなのにアニメ的な映像美がある」と称されるほどでした。
しかしアニメ版の戦闘シーンは、原作の迫力やテンポ感を再現しきれていないという指摘が多くあります。ペルソナ召喚シーンや総攻撃の演出が簡略化されており、原作で感じた爽快感が薄れているという声は根強いものでした。
また、話数が進むにつれて作画の安定感が低下する場面も見受けられました。制作会社のCloverWorksは同時期に複数の作品を抱えており、制作スケジュールの厳しさがクオリティに影響した可能性があります。
一方で、日常シーンの作画やキャラクターデザインについては「原作の雰囲気をよく再現している」という肯定的な意見もあります。問題はバトルや大きな見せ場での演出力であり、原作ゲームのハードルが高すぎたという側面もあるでしょう。
ペルソナ5のアニメは打ち切りだったのか?
最終回の終わり方が唐突だったことから、「打ち切りだったのでは?」という疑問を持つ視聴者も少なくありません。しかし結論として、ペルソナ5のアニメは打ち切りではありません。
全26話+特番2話で原作ストーリーを完走している
PERSONA5 the Animationは、テレビシリーズ全26話に加えて、年末特番「Dark Sun…」と後編「Stars and Ours」の計2話が制作されています。これらを合わせることで、原作ゲームのメインストーリーはすべて映像化されました。
第26話の時点では未完結でしたが、特番での完結は放送開始前から計画されていた構成です。「打ち切り」ではなく、最初から分割して放送する予定だったと考えるのが妥当です。
実際、Blu-ray&DVDも全12巻がすべて発売されており、途中で打ち切られた形跡はありません。商業的にも最後まで展開が完了しています。
駆け足展開は打ち切りではなく構成の問題
ストーリーが駆け足だったのは事実ですが、これは打ち切りによるものではなく、原作のボリュームに対して話数が足りなかったことが原因です。全26話という枠組みの中で原作の全エピソードを収めようとした結果、一つひとつのエピソードが薄くなってしまいました。
仮に打ち切りであれば、途中のパレスで物語が中断されるはずです。しかし実際にはすべてのパレスが攻略され、ラスボス戦まで描かれています。駆け足ではあるものの、物語としては最後まで語りきっています。
同時期のゲーム原作アニメでも、原作のボリュームと放送話数のバランスに苦しむ作品は珍しくありません。ペルソナ5特有の問題というよりは、長編RPGのアニメ化が抱える構造的な課題と言えます。
Blu-ray売上は2018年春アニメの中で上位
PERSONA5 the AnimationのBlu-ray第1巻の売上は約4,475枚を記録しており、2018年春アニメの中では上位に位置していました。同期の「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」(約2,638枚)や「シュタインズ・ゲート ゼロ」(約2,325枚)を上回る数字です。
「ひどい」という評価が目立つ一方で、原作ファンを中心に一定の支持を得ていたことがわかります。ゲーム特典としてのBlu-ray購入層もいたと考えられますが、商業的に完全な失敗だったわけではありません。
なお、前作「ペルソナ4 ジ・アニメーション」のBlu-ray第1巻が約43,946枚だったことと比較すると大幅に減少しています。ただしこれは円盤市場全体の縮小や配信サービスの普及といった市場環境の変化も影響しており、単純に作品の評価だけで比較できるものではありません。
ペルソナシリーズの現在とアトラスの最新動向
ペルソナ5のアニメは完結済みですが、ゲームとしてのペルソナシリーズはその後も展開が続いています。アトラスは現在もシリーズの新作を積極的にリリースしています。
ペルソナ5関連作品のその後の展開
アニメ放送後も、ペルソナ5の世界は複数のゲームタイトルで展開されました。2019年にはアクションRPG「ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ」が発売され、本編の後日談が描かれています。
2020年には本編の完全版とも言える「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」がリリースされ、新キャラクターや新エピソードが追加されました。2023年には「ペルソナ5 タクティカ」も発売されています。
さらに、スマートフォン・PC向けの「ペルソナ5: The Phantom X」が2025年にサービスを開始しており、ペルソナ5の世界を舞台にした新たなストーリーが展開されています。原作ゲームの人気は衰えておらず、多方面でシリーズが拡大している状況です。
アトラスの最新作とペルソナシリーズの今後
アトラスは2024年に完全新作RPG「メタファー:リファンタジオ」を発売し、ペルソナシリーズの開発陣による新たなIPとして注目を集めました。ペルソナの橋野桂ディレクターが手がけた作品です。
ペルソナシリーズでは、2025年6月に「ペルソナ4 リバイバル」のリメイクが発表されています。また「ペルソナ3 リロード」のNintendo Switch 2版も発売予定であり、シリーズの展開は活発に続いています。
ペルソナ5のアニメが「ひどい」と評価されたことは事実ですが、それはあくまでアニメ版の構成上の問題であり、原作ゲームやシリーズ全体の評価とは別の話です。ゲームとしてのペルソナ5は全世界累計320万本(2019年12月時点)を突破した人気作であり、今なお関連作品が生まれ続けています。
ペルソナ5のアニメを見る順番
ペルソナ5のアニメ作品は複数存在するため、初めて見る場合はどの順番で視聴すべきか迷うかもしれません。以下の順番で視聴するとストーリーを正しく理解できます。
最初に視聴すべきは「PERSONA5 the Animation -THE DAY BREAKERS-」(2016年9月放送・単発特番)です。これはゲーム発売直前に放送された前日譚的なエピソードで、心の怪盗団の活動を1話完結のストーリーで描いています。ただしメインストーリーとの直接的なつながりは薄いため、飛ばしても問題ありません。
メインとなるのがテレビシリーズ「PERSONA5 the Animation」全26話(2018年4月〜9月放送)です。主人公・雨宮蓮が心の怪盗団を結成し、大人たちの歪んだ欲望に立ち向かう物語が描かれます。
テレビシリーズ第26話で終わらず、必ず特番2話まで視聴してください。年末特番「Dark Sun…」(2018年12月放送)と後編「Stars and Ours」(2019年3月放送)を見ることで、真のエンディングが描かれます。
第26話はバッドエンドルートの展開で終わるため、特番を見ないと物語の結末にたどり着けません。これを知らずに第26話で視聴をやめてしまい「ひどい最終回だ」と感じた人も少なくないようです。配信サービスによっては特番が別タイトルとして登録されている場合があるため、検索時は「Dark Sun」「Stars and Ours」のタイトルで探すとよいでしょう。
なお、ゲーム版をプレイしてからアニメを視聴すると、カットされたエピソードの背景を補完しながら楽しめるため、より充実した視聴体験になります。アニメ単体でもストーリーは理解できますが、原作ゲームの膨大な情報量には及ばない点は留意してください。

