『だがしかし』は打ち切りではなく、全11巻・全186話で完結した作品です。最終回にカラーページがなかったことや駄菓子のネタ切れ説から打ち切りが疑われましたが、約4年間の連載を経て物語は着地しています。この記事では打ち切りと言われた理由の真相と、作者コトヤマの現在の活動について解説します。
| 作品名 | だがしかし |
|---|---|
| 作者 | コトヤマ |
| 連載誌 / 放送局 | 週刊少年サンデー(小学館) |
| 連載期間 | 2014年30号〜2018年20号 |
| 巻数 | 全11巻 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
だがしかしが打ち切りと言われた理由
『だがしかし』は2018年4月に連載を終了しましたが、その終わり方をめぐって「打ち切りだったのでは?」という声がネット上で広まりました。打ち切りと誤解された背景には、最終回の扱いや作品テーマの変化など複数の要因があります。
理由1:最終回がセンターカラーではなかった
『だがしかし』の最終回(第186話)は、2018年の週刊少年サンデー20号に掲載されました。しかし、最終回にもかかわらずセンターカラーですらなく通常のモノクロ掲載だったことが、当時ネット上で大きな話題になりました。
週刊少年サンデーに限らず、少年誌の人気連載が完結する際には巻頭カラーやセンターカラーで送り出されるのが通例です。読者にとってカラーページなしの最終回は「編集部が盛り上げる気がない」と映りやすく、打ち切り扱いだったのではないかという印象につながりました。
実際に当時のまとめサイトやSNSでは「最終回なのにカラーすらもらえないのか」という反応が数多く投稿されています。こうした声が拡散されることで、作品を追っていなかった層にも「だがしかし=打ち切り」という認識が広まった面があります。
当時のサンデーでは他の連載作品の周年記念カラーや新連載の巻頭カラーが重なっていた可能性もあります。カラーページの割り当ては編集部のスケジュールで決まるものであり、打ち切り作品だからカラーが付かないとは限りません。
実際に週刊少年サンデーでは、長期連載を完結させた作品でもモノクロ掲載だった例は他にもあります。カラーがなかったこと自体は、打ち切りの直接的な証拠とはいえません。
理由2:連載後半に駄菓子のネタ切れが指摘された
『だがしかし』は駄菓子を題材にした作品で、実在の駄菓子が製造元の許可を得て実名で登場するのが最大の特徴でした。連載開始当初は毎回のように新しい駄菓子が紹介され、その解説とキャラクターの掛け合いが作品の軸になっていました。
全186話を通じて153種類もの駄菓子・玩具が作中に登場しています。しかし連載後半に入ると、1話あたりの駄菓子登場頻度が明らかに減少し、代わりに恋愛要素や主人公の進路といったストーリー展開が中心になっていきました。
この変化を見た読者からは「もう紹介できる駄菓子がなくなったのでは」「ネタ切れで終わりが近い」という指摘が相次ぎました。駄菓子紹介が作品の看板だったからこそ、その比重が下がったことは「描くものがなくなった=打ち切り」という連想を生みやすかったのです。
しかし、連載後半の方向転換はコトヤマが意図的に行ったものと考えるのが妥当です。主人公ココノツの将来や、枝垂ほたる・遠藤サヤとの関係性を掘り下げることで、物語としての完結に向かう構成が組まれていました。
駄菓子という限られた題材で約4年間・186話を描き切ったこと自体が、作品としての充実を物語っています。ネタ切れは連載終了の一因だった可能性はありますが、それは打ち切りとは別の話です。
理由3:恋愛展開が曖昧なまま終了した
最終話では、作中時間で約1年が経過した二度目の夏が舞台となっています。三年生になったココノツがシカダ駄菓子で店番をしていると、しばらく不在だった枝垂ほたるが久しぶりに訪れるシーンで物語は幕を閉じました。
このラストシーンでほたるがココノツに「結婚する?」と問いかける場面がありましたが、明確な告白やカップル成立の描写はなく、二人の関係がどうなったかは読者の想像に委ねられました。
もう一人のヒロインである遠藤サヤとの関係も同様に決着がついていません。サヤはココノツに好意を寄せていましたが、最終回でその恋心に結論が出ることはありませんでした。ラブコメ作品でありながら恋愛関係が未決着だった点は、多くの読者に消化不良の印象を残しています。
「ラブコメなのに誰ともくっつかないで終わるのは打ち切りだからでは」という声が出たのは自然なことでしょう。ただし、コトヤマは次回作『よふかしのうた』でも結末に余韻を残す手法をとっています。
実際に最終回の展開について、ネット上では批判だけでなく「コトヤマらしい終わり方」「想像の余地がある結末でよかった」という肯定的な声も見られます。あえて全てを語らず読者の解釈に委ねるのはコトヤマの作家性です。
最終回の曖昧さは時間不足ではなく、意図的な演出だった可能性が高いです。恋愛の決着がつかなかった=打ち切り、と短絡的に結びつけるのは早計でしょう。
だがしかしが打ち切りではない根拠
打ち切り説はネット上で根強く広まっていますが、連載期間やメディア展開、作者のその後のキャリアを見ると、『だがしかし』が打ち切りだったとは考えにくい状況です。以下に客観的な根拠を整理します。
全11巻・約4年間の連載実績がある
『だがしかし』は2014年30号から2018年20号まで、約3年10ヶ月にわたって週刊少年サンデーで連載されました。話数は全186話、単行本は全11巻です。
週刊少年サンデーで打ち切りになる作品は、多くの場合1〜3巻(10〜30話程度)で終了します。全11巻・186話という連載実績は、打ち切り作品の水準を大幅に上回っています。
また最終回では、主人公ココノツが漫画の奨励賞を受賞し漫画家の道を選ぶという進路の決着が描かれています。物語の核となるテーマに結論が出ており、急に打ち切られた作品にありがちな「投げっぱなし」の終わり方ではありません。
アニメ第2期が連載終了年に放送された
TVアニメ第1期は2016年1月から3月までTBSほかで全12話が放送されました。そして第2期『だがしかし2』が2018年1月から3月まで全12話で放送されています。
アニメ第2期の放送と原作の連載終了はどちらも2018年です。アニメの企画は放送の1〜2年前から動き出すのが一般的であり、2期の制作が決定した時点では連載が好調に続いていたことを意味します。
打ち切り作品にアニメの続編が制作されることは極めて異例です。アニメ2期の存在は、出版社・アニメ制作側が作品の商業価値を認めていた証拠といえるでしょう。
完結後に読み切り新作が掲載された
連載終了後、コトヤマは週刊少年サンデーで『だがしかし』の読み切り新作を発表しています。編集部が誌面の枠を用意して読み切りを掲載させたことは、作品と作者への評価の高さを示しています。
打ち切りになった作者が同じ雑誌ですぐに新作を発表する機会を得ることは稀です。ましてや打ち切り作品のキャラクターを使った読み切りが掲載されることはまずありません。
この事実は、コトヤマと編集部の間に良好な関係が維持されていたことを裏付けています。打ち切りではなく、作者の意思による連載終了だったと判断できます。
アニメ効果で発行部数が大幅に増加した
『だがしかし』はアニメ化前の時点では発行部数が控えめでしたが、2016年のアニメ第1期放送を機に部数が急増しました。アニメ放送前の約10万部から、放送後には大幅に部数を伸ばしたことが報じられています。
商業的に失敗した作品であれば、アニメ化後にこれほどの部数増加は見込めません。アニメとの相乗効果で売上を伸ばした実績は、作品が一定の商業的成功を収めていた証拠です。
作中に登場する駄菓子の製造元企業から正式に許可を得て実名で掲載していた点も、作品の社会的信頼を示しています。企業コラボが成立するレベルの作品が、打ち切りで終わるとは考えにくいでしょう。
だがしかしの作者・コトヤマの現在
『だがしかし』の作者であるコトヤマは、連載終了後も週刊少年サンデーを主戦場に活動を続けています。むしろ『だがしかし』以降の方がキャリアとしては大きく飛躍しました。
次回作「よふかしのうた」で大ヒットを記録
コトヤマは『だがしかし』完結から約1年後の2019年、週刊少年サンデー39号から『よふかしのうた』の連載を開始しました。不登校の少年と吸血鬼の少女が夜の街を舞台に繰り広げる物語です。
『よふかしのうた』は2022年にフジテレビ「ノイタミナ」枠でTVアニメ化され、コトヤマの代表作となりました。制作はライデンフィルムが担当しています。連載は2024年9号まで約5年間続き、全19巻で完結しました。
『だがしかし』の全11巻を上回る全19巻という長期連載であり、アニメ化も含めてコトヤマのキャリアにおける最大のヒット作といえます。
打ち切りにあった作者が同じ雑誌ですぐに大ヒット作を生み出す例は極めて稀です。『だがしかし』完結後にわずか1年のブランクで次回連載を開始できたこと自体が、編集部との良好な関係を証明しており、そもそも打ち切りではなかったと考えるのが自然です。
コトヤマの最新活動
2024年にはコトヤマの画業10周年を記念した企画展が開催されました。『だがしかし』と『よふかしのうた』の原画やイラストが展示され、両作品のファンが来場しています。
『よふかしのうた』本編完結後の2025年には、短期集中連載『よふかしのうた -楽園編-』がサンデー31号から39号まで掲載されました。さらに読み切り『ミナソコ』(前後編)と『百鬼夜行実行委員会』も発表されています。
これらの短編は『コトヤマ短編集 ファンフィクション』として2025年9月30日に単行本化されました。コトヤマは現在も週刊少年サンデーで精力的に作品を発表しており、次回長期連載への期待が高まっています。
だがしかしのアニメは何巻・何話まで?続きは原作の何巻から?
TVアニメ『だがしかし』は第1期と第2期の計24話が制作されています。アニメの続きから原作を読みたい方のために、アニメと原作の対応関係を整理します。
アニメ第1期(2016年1月〜3月放送、全12話)は、原作のおおよそ1巻〜5巻前半の内容をカバーしています。第2期『だがしかし2』(2018年1月〜3月放送、全12話)は、原作5巻後半〜8巻あたりまでの内容です。
アニメの続きを原作で読むなら、8巻または9巻から読み始めるのがおすすめです。原作は全11巻で完結済みなので、残り3巻ほどで最終回まで読み進めることができます。
なお第1期はfeel.が制作を担当し、第2期は手塚プロダクションが制作しています。制作会社が変更された影響で作画の雰囲気に違いがありますが、ストーリーは原作に沿って進行しています。
第2期ではエピソードの取捨選択が行われており、原作のすべてのエピソードがアニメ化されているわけではありません。アニメで省略された駄菓子エピソードも原作では楽しめるため、アニメ視聴済みの方にも原作を読む価値は十分にあります。
だがしかしを読むなら電子書籍がお得
『だがしかし』は全11巻で完結済みのため、まとめ買いで一気読みしやすい作品です。巻数が多すぎず少なすぎず、週末に全巻読み切れるちょうどよいボリュームといえるでしょう。
1巻あたりの電子書籍価格はおおよそ500円前後で、全11巻を購入すると約5,500円程度です。紙の単行本と比べてもスペースをとらないため、全巻揃えても場所に困りません。
電子書籍ストアでは初回限定クーポンやまとめ買い割引が頻繁に実施されているため、タイミング次第ではさらにお得に購入できます。
アニメから入ったファンも、原作では駄菓子の解説やキャラクターの掛け合いがより詳しく描かれているため、新鮮な気持ちで楽しめるでしょう。特にアニメでカバーされなかった9巻以降の展開は原作でしか読めません。
駄菓子好きにとっては、作中に登場する153種類の駄菓子・玩具を図鑑的に楽しめるのも原作ならではの魅力です。読みながら実際に駄菓子を買いに行きたくなるという感想も多く寄せられています。

