『エリアの騎士』は打ち切りとも完結とも言い切れない形で連載を終了した作品です。ワールドカップ決勝戦が描かれないまま最終回を迎えたことや、同誌の後発サッカー漫画『DAYS』との競合が、打ち切り説の主な根拠となっています。この記事では、作画担当・月山可也のSNS発言を含む連載終了の真相、アニメ版の打ち切り事情、作者の現在の活動までを解説します。
| 作品名 | エリアの騎士(THE KNIGHT in THE AREA) |
|---|---|
| 作者 | 原作:伊賀大晃 / 作画:月山可也 |
| 連載誌 / 放送局 | 週刊少年マガジン(講談社) |
| 連載期間 | 2006年21・22合併号〜2017年17号 |
| 巻数 | 全57巻 |
| 打ち切り判定 | 🟡 打ち切り疑惑あり |
エリアの騎士が打ち切りと言われている理由
『エリアの騎士』は週刊少年マガジンで約11年にわたって連載され、全57巻で完結しています。巻数だけを見れば長期連載の成功例ですが、最終回の描かれ方やさまざまな状況証拠から「実質的な打ち切りだったのでは?」という声が根強く残っています。
理由1:ワールドカップ決勝が描かれずに連載終了した
打ち切り説が広まった最大の理由は、物語の最終目標だったワールドカップの結末が描かれなかったことです。主人公・逢沢駆が日本代表として背番号10番を背負い、準決勝でアルゼンチンに勝利するところまでは描かれました。しかし、続くドイツとの決勝戦はキックオフの場面で物語が終了しています。
11年間にわたって描かれてきた「ワールドカップ優勝」という夢の結末を、読者は当然見届けられると期待していました。それが決勝戦のキックオフ直後に幕を閉じたことで、「描きたかったのに描けなかったのではないか」という疑念が広がりました。
さらに、最終回の5話前に「残り5話で完結」と予告された点もファンの間で議論を呼びました。ダ・ヴィンチWebの記事では、この予告に対してファンから「まだまだ駆の成長を見ていたかった」という声が相次いだことが報じられています。決勝戦という最大のクライマックスを残した状態で、急に終了が告げられたことが打ち切り説の根拠となりました。
理由2:作画担当の月山可也が「打ち切りとも円満とも言えない」と発言
打ち切り疑惑を決定的にしたのが、作画担当・月山可也のSNSでの発言です。連載終了後にX(旧Twitter)で読者から終わり方について聞かれた月山可也は、「打ち切りとも円満とも言えない感じですかね。いつかスピンオフも描けるといいなぁ」と回答しています。
この発言は、少なくとも作者側にとって完全に納得のいく終わり方ではなかったことを示唆しています。通常、長期連載作品が作者の意思通りに完結した場合は、「最後まで描き切れた」「円満に終われた」といったコメントが出ることが多いです。「打ち切りとも円満とも言えない」という曖昧な表現は、編集部との協議の中でやむを得ず終了が決まった可能性をうかがわせます。
また「いつかスピンオフも描けるといいなぁ」という言葉からは、作品世界にまだ描きたいエピソードが残っていたことが読み取れます。すべてを描き切った上での完結であれば、スピンオフへの言及は出にくいでしょう。
理由3:同誌の『DAYS』に人気を奪われた
『エリアの騎士』が連載後半で苦戦した背景として、同じ週刊少年マガジンで連載されたサッカー漫画『DAYS』(安田剛士)の存在が指摘されています。『DAYS』は2013年21・22合併号から連載を開始し、サッカー初心者の少年が成長する王道ストーリーで人気を獲得しました。
同一誌に同じサッカーというジャンルの漫画が2作品並立する状態が約4年間続いたことになります。『DAYS』は2016年にはテレビアニメ化も果たしており、マガジン編集部としても『DAYS』を推す方針が見えていました。同じジャンルの後発作品が勢いを増す中で、『エリアの騎士』の掲載順が後ろに回る場面が増えたとの指摘がネット上では多く見られます。
もちろん、雑誌内のジャンル競合が直接的に打ち切りの理由になったかどうかは公式発表がなく、断定はできません。ただ、2つのサッカー漫画を同時に看板として維持し続けるのは編集方針として難しく、一方の終了に影響した可能性は十分考えられます。
理由4:アニメ版が2期なく終了した
アニメ版『エリアの騎士』は2012年1月から9月にかけてテレビ朝日系列で全37話が放送されました。原作漫画の18巻相当までがアニメ化されましたが、続編となる2期の制作は発表されていません。原作のストックは潤沢にあったにもかかわらず、2期が制作されなかったことから「アニメも打ち切りだったのでは」という声が出ています。
アニメの最終話は、高校選手権の試合がこれから始まるという場面で終了しました。物語の途中で幕を閉じる形であり、2期を前提とした構成にも見えます。しかし放送終了から10年以上が経過した現在も続編の発表はなく、事実上のアニメ打ち切りと見なされています。
アニメ2期が実現しなかった理由として、視聴率が振るわなかったことが挙げられています。2012年当時はスポーツアニメのブームが到来する前であり、同年代のスポーツアニメと比較しても商業的に厳しかった可能性があります。アニメの不振が原作の打ち切り説に拍車をかけた側面もあるでしょう。
エリアの騎士は本当に打ち切りなのか?
打ち切り説には一定の根拠がある一方で、単純に「打ち切り」と断定できない要素も存在します。全57巻・11年連載という規模感や、累計発行部数の実績を踏まえると、事情はやや複雑です。
打ち切り説を支持する根拠
打ち切り説の根拠として最も説得力があるのは、やはり作画・月山可也の「打ち切りとも円満とも言えない」という発言です。当事者がこのような表現を使っている以上、少なくとも「完全な完結」ではなかったことは事実でしょう。
また、最終回の5話前に終了が予告された点、ワールドカップ決勝という最大の見せ場が省略された点は、編集部主導で連載終了時期が決まり、作者が残りの話数で物語を畳まざるを得なかったことを示唆しています。
さらに、連載終了後に伊賀大晃・月山可也のコンビで発表された外伝作品『iコンタクト』も短期で終了しています。エリアの騎士の世界観を引き継ぐ作品が続かなかったことも、シリーズ全体の勢いが失われていたことの傍証といえます。
打ち切りではない可能性
一方で、全57巻・約11年という連載期間は週刊少年マガジンの中でも長期連載の部類に入ります。通常の打ち切り作品であれば10〜20巻程度で終了するケースが大半であり、57巻まで続いた作品を「打ち切り」と呼ぶことには違和感もあります。
累計発行部数は1,300万部を突破しています(2021年時点、講談社プレスリリースより)。この数字は週刊少年マガジンの連載作品としては十分な実績であり、商業的に失敗した作品とは言いがたいものです。
加えて、連載終了時には講談社の公式が「連載11年で堂々完結」と銘打ったキャンペーンをマガジンポケットで実施しています。打ち切り作品に対して出版社がこうした記念キャンペーンを行うことは通常ありません。編集部としては「完結」として送り出したことがうかがえます。
結論:「打ち切りと円満の中間」が最も正確
総合すると、『エリアの騎士』は純粋な打ち切りでもなく、完全な完結でもなかったと考えるのが妥当です。作者が描き切りたかった物語の全容には届かなかったものの、11年の連載と57巻という実績を持って一定の区切りをつけたというのが実態でしょう。
月山可也自身の「打ち切りとも円満とも言えない」という表現が、この作品の終わり方を最も正確に表しています。編集部との協議で連載終了が決まり、限られた話数の中でできる限り物語をまとめた結果が、あのワールドカップ決勝のキックオフで幕を閉じるラストだったのではないでしょうか。
エリアの騎士の作者の現在
『エリアの騎士』の原作を担当した伊賀大晃と、作画を担当した月山可也はそれぞれ別の道で活動を続けています。
作画・月山可也の現在の活動
月山可也は『エリアの騎士』完結後も精力的に漫画家活動を継続しています。伊賀大晃とのコンビで、eスポーツとリアルサッカーを融合させた『iコンタクト』を連載しましたが、こちらは短期で終了しました。
その後、同じく伊賀大晃との共作で『神さまの恋人』をヤングマガジンで連載し、全5巻で完結しています。
2025年2月からは『ゲーム中盤で死ぬ悪役貴族に転生したので、外れスキル【テイム】を駆使して最強を目指してみた』(通称:悪役テイム)をヤンマガWebで連載中です。原作は八又ナガトで、転生ファンタジーのコミカライズという新ジャンルに挑戦しています。
原作・伊賀大晃の現在の活動
原作担当の伊賀大晃は、月山可也との共作『iコンタクト』『神さまの恋人』に携わった後、新作の発表は確認されていません。原作者という立場上、表に出る機会が限られるため、水面下で新たな企画を進めている可能性もあります。
エリアの騎士のアニメは何巻・何話まで?続きは原作の何巻から?
アニメ『エリアの騎士』は2012年1月7日から9月29日までテレビ朝日系列で放送され、全37話で完結しました。
アニメの最終話(第37話「キックオフ」)は、原作コミックスの18巻に収録されているエピソードに相当します。高校選手権予選の準々決勝・相模ケ浦戦が描かれた場面でアニメは終了しています。
アニメの続きを原作で読みたい場合は、19巻(第150話)から読み始めるのがおすすめです。アニメでは描かれなかった高校選手権の本戦、そしてその先の日本代表編・ワールドカップ編と、物語は大きくスケールアップしていきます。原作は全57巻なので、アニメの続きだけでも39巻分のボリュームがあります。
エリアの騎士のファンの反応
『エリアの騎士』の最終回に対しては、ファンの間でさまざまな意見が見られます。
最終回への不満の声
最も多かった声は、やはり「ワールドカップ決勝を描いてほしかった」というものです。11年間追いかけてきた物語の集大成が、決勝のキックオフで終わるという構成に対して、不完全燃焼を感じた読者は少なくありませんでした。
「駆がワールドカップで優勝する姿を見たかった」「せめて決勝のハイライトだけでも」という声は、連載終了から何年経っても語り継がれています。物語の到達点が見えていただけに、そこに至らなかった悔しさを感じるファンが多いようです。
また、最終回の展開が駆け足だったという指摘もあります。高校時代から一気に数年後の日本代表編にジャンプする構成は、間のエピソードが省略されている印象を与えました。
11年間の連載を称える声
一方で、連載終了時にはダ・ヴィンチWebで報じられた通り、読者や他の漫画家から「11年間本当にお疲れ様!」というねぎらいのコメントも多数寄せられました。
サッカーというジャンルで11年・57巻にわたり少年誌で連載を続けた実績は、それ自体が大きな功績です。Jリーグの選手が愛読書として挙げるなど、サッカーファンからの支持は根強いものがありました。結末に不満はあっても、作品全体に対する評価は高い声が目立ちます。
エリアの騎士を読むなら電子書籍がお得
『エリアの騎士』は全57巻と巻数が多い作品のため、全巻を揃える場合は電子書籍がおすすめです。紙の単行本は絶版になっている巻もあり、中古市場では状態にばらつきがあります。
電子書籍であれば全57巻がいつでも購入可能で、セール時にはまとめ買い割引が適用されることもあります。2025年11月にはKindle版が全巻11円で購入できるセールが実施された実績もあり、こうしたキャンペーンを活用するとかなりお得に読むことができます。

