韓国ドラマ「スタートアップ: 夢の扉」は打ち切りではなく、全16話が予定通り放送され完結しています。韓国での視聴率が期待を下回ったことや、シーズン2が制作されなかったことから「打ち切りでは?」という声が広まりました。この記事では、打ち切りと言われた具体的な理由と、実際には打ち切りではない根拠を詳しく解説します。
| 作品名 | スタートアップ: 夢の扉(스타트업) |
|---|---|
| 脚本 | パク・ヘリョン |
| 放送局 | tvN(韓国)/ Netflix(日本配信) |
| 放送期間 | 2020年10月17日〜2020年12月6日 |
| 話数 | 全16話 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
「スタートアップ」ドラマが打ち切りと言われた理由
「スタートアップ: 夢の扉」が打ち切りだと噂された背景には、視聴率・脚本家への期待値・シーズン制への誤解という3つの要因が重なっています。それぞれ詳しく見ていきます。
理由1:韓国での視聴率が期待を大きく下回った
打ち切り説が広まった最大の原因は、韓国国内での視聴率の低迷です。初回視聴率は4.49%でスタートし、最高視聴率は第5話の5.4%、最終回は5.18%にとどまりました。全16話を通じて一度も6%を超えることはありませんでした。
tvNは韓国のケーブルテレビ局の中でもドラマに強い局として知られています。「スタートアップ」の前年に放送された「愛の不時着」は最高視聴率21.7%を記録し、同時期の「梨泰院クラス」も最高16.5%という数字を叩き出していました。同じtvNの土日ドラマ枠でありながら、「スタートアップ」の5%前後という数字は明らかに見劣りするものでした。
さらに、メインキャストのペ・スジとナム・ジュヒョクは韓国でもトップクラスの知名度を持つ俳優です。放送前の注目度が高かっただけに、実際の視聴率との落差がより大きく感じられたという側面もあります。
視聴率の低迷は韓国のドラマコミュニティでも話題になり、「期待外れ」「コケた」といった反応が広がりました。こうした韓国での評価が日本のファンにも伝わり、「視聴率が低かったから打ち切られたのでは」という誤解が生まれたと考えられます。
ただし、ケーブルテレビであるtvNの視聴率は地上波(KBS・SBS・MBC)より低く出る傾向があります。tvNドラマの平均的な視聴率が3〜5%であることを考えると、「スタートアップ」の数字が極端に低かったわけではありません。
理由2:大物脚本家パク・ヘリョンの過去作と比較された
本作の脚本を手がけたパク・ヘリョンは、「君の声が聞こえる」(2013年)、「ピノキオ」(2014年)、「あなたが眠っている間に」(2017年)など、ヒット作を連発してきた韓国を代表する脚本家です。パク・ヘリョンの新作というだけで注目が集まるほどのネームバリューがあり、放送前から大きな期待が寄せられていました。
しかし「スタートアップ」では、物語の中盤以降に恋愛パートの展開に対する不満がSNSで噴出しました。特に主人公ソ・ダルミ(ペ・スジ)の恋愛相手をめぐり、「チーム・ドサン(ナム・ジュヒョク)」vs「チーム・ジピョン(キム・ソンホ)」の論争が過熱しました。
ジピョン役のキム・ソンホの演技が高く評価された一方で、物語はドサンとダルミのカップルを軸に進行したため、ジピョンを推す視聴者から「展開に納得できない」という声が相次ぎました。恋愛ドラマとしての結末に対する不満が、作品全体の評価を引き下げる結果になっています。
パク・ヘリョンの過去作は恋愛と職業ドラマのバランスに定評がありましたが、「スタートアップ」ではIT起業というテーマの専門性と恋愛要素の両立が難しかったという指摘もあります。こうした「期待外れ」の空気が、打ち切り説のもう一つの土壌になりました。
理由3:シーズン2が制作されなかった
日本の視聴者にとって特に誤解を招きやすいのが、「シーズン2がない=打ち切り」という認識です。Netflixで韓国ドラマを視聴する層は、同じNetflixでアメリカのドラマも視聴していることが多く、シーズン制に慣れています。
アメリカのドラマでは、人気があればシーズン2・3と続き、視聴率が低ければシーズン途中でも打ち切りになるのが一般的です。この感覚で「スタートアップにシーズン2がない」という事実を見ると、「人気がなくて続きが作られなかった」と判断してしまうのも無理はありません。
しかし、韓国ドラマは1シーズン(16話前後)で完結する形式が主流です。「愛の不時着」「梨泰院クラス」「トッケビ」「太陽の末裔」など、韓国を代表する大ヒットドラマの多くも全16話で完結しており、シーズン2は制作されていません。
韓国ドラマでシーズン制を採用しているのは「キングダム」「ペントハウス」「秘密の森」など一部の作品に限られます。「スタートアップ」にシーズン2がないことは打ち切りの証拠ではなく、韓国ドラマとしてごく標準的な完結の形です。
「スタートアップ」ドラマが打ち切りではない根拠
打ち切り説の背景を見てきましたが、客観的な事実に基づけば「スタートアップ」は打ち切りではありません。以下の根拠から判断できます。
全16話が予定通り放送されている
「スタートアップ: 夢の扉」は2020年10月17日に第1話が放送され、毎週土日の放送スケジュールを一度も崩すことなく、2020年12月6日に第16話(最終回)を迎えています。tvNの土日ドラマ枠で全16話という編成は当初の予定通りです。
ドラマが打ち切りになる場合、話数の短縮(16話予定が12話に変更など)、放送枠の移動、あるいは突然の放送終了といった事態が発生します。「スタートアップ」にはこのような変更は一切確認されていません。
最終話では主人公たちのIT起業の結末や恋愛関係の決着が描かれ、ストーリーとしての完結性が担保されています。打ち切り作品に見られるような、伏線が回収されないまま終わるという事態は起きていません。
Netflixで国際的に高い人気を獲得
韓国国内での視聴率は低調でしたが、Netflixを通じた海外での評価はまったく異なります。日本をはじめアジア各国、さらには欧米でも配信後に大きな話題となり、Netflixの各国ランキングにもランクインしました。
日本の映画・ドラマレビューサイトFilmarksでは5点満点中3.9という高評価を獲得しています。「モチベーションが上がる」「キュンとしながら仕事観が広がる」「最初は退屈だったが5話あたりから引き込まれた」といった好意的な感想が数多く投稿されています。
韓国国内の視聴率とNetflixでの国際的な人気に大きな乖離がある点は、「スタートアップ」の特徴的な評価パターンです。韓国での視聴率だけを根拠に「打ち切り」と判断するのは、この作品の全体像を見誤ることになります。
Netflixでの配信によって放送終了から5年以上が経過した現在も新たなファンを獲得し続けています。打ち切り作品であれば配信後に話題になることは少なく、長期にわたって視聴者が増え続けるのは作品としての質が評価されている証拠です。
韓国ドラマの制作形式上、途中打ち切りは極めてまれ
韓国ドラマの制作形式は日本やアメリカとは根本的に異なります。韓国のドラマは放送前に全話数が決定しており、制作委員会・放送局・制作会社の間で16話(または12話・20話)完結が契約で定められています。
アメリカのネットワークドラマのように「パイロット版を制作→視聴率に応じてシーズン継続・打ち切りを判断」という仕組みは、韓国ドラマには基本的に存在しません。視聴率が低くても契約上の全話数が放送されるのが通常です。
tvNで途中打ち切りになった作品はほぼ前例がなく、tvNドラマは予定通りの話数で放送されることが制作の前提となっています。「スタートアップ」は韓国ドラマの標準的な16話構成で、予定通りに全話が放送されました。制作形式の観点からも、打ち切りという判断は成り立ちません。
「スタートアップ」の脚本家・キャストの現在
「スタートアップ: 夢の扉」の脚本家と主要キャストは、放送終了後もそれぞれ精力的に活動を続けています。
脚本家パク・ヘリョンの活動
パク・ヘリョンは「スタートアップ」の後、2023年にtvNドラマ「無人島のディーバ」の脚本を手がけています。「無人島のディーバ」はパク・ウンビン主演で、無人島に漂着した少女が歌手を目指す物語です。パク・ヘリョンが引き続きtvNの第一線で新作を発表していることがわかります。
「ドリームハイ」(2011年)から始まり、「君の声が聞こえる」(2013年)、「ピノキオ」(2014年)、「あなたが眠っている間に」(2017年)、「スタートアップ」(2020年)、「無人島のディーバ」(2023年)と、10年以上にわたりコンスタントに作品を発表し続けている韓国屈指の人気脚本家です。
パク・ヘリョンの作品は「夢を追う若者」をテーマにした作品が多く、「スタートアップ」のIT起業というテーマもその延長線上にあります。一作の視聴率で脚本家としての評価が揺らぐような存在ではありません。
主要キャストの最新出演作
主演のペ・スジ(ソ・ダルミ役)は、ディズニープラスのオリジナルドラマ「幻惑(仮題)」への出演が2025年5月に発表されています。ウェブトゥーン原作のこの作品で、ペ・スジは数十年前に愛を失い嘆き悲しむヴァンパイア、ソン・ジョンファを演じます。
注目すべきは、「幻惑」でペ・スジと共演するのがキム・ソンホ(ハン・ジピョン役)だということです。「スタートアップ」以来約5年ぶりの再共演として、韓国ドラマファンの間で大きな話題になっています。
キム・ソンホは「スタートアップ」で人気が急上昇し、その後2025年のドラマ「おつかれさま」ではIU(アイユー)と共演して高い評価を得ています。「スタートアップ」のジピョン役がきっかけで韓国ドラマ界のトップ俳優の一人となりました。
ナム・ジュヒョク(ナム・ドサン役)は兵役のため一時活動を休止していましたが、2024年9月に除隊しています。「スタートアップ」での主演をはじめ、「二十五、二十一」など複数のヒット作で主演を務めた実力派俳優であり、復帰作への期待が高まっています。
カン・ハンナ(ウォン・インジェ役)も韓国ドラマ・映画で活躍を続けています。「スタートアップ」の主要キャスト全員が放送終了後も第一線で活動していることは、この作品がキャリアに悪影響を及ぼすような打ち切り作品ではなかったことの証左といえます。
「スタートアップ: 夢の扉」はどこで見られる?
日本で「スタートアップ: 夢の扉」を視聴する場合、Netflixが主な配信先です。全16話が日本語字幕・吹き替えの両方で視聴できます。
Netflixでは「スタートアップ: 夢の扉」の脚本家パク・ヘリョンの他作品(「ピノキオ」「あなたが眠っている間に」など)も配信されている場合があります。本作を気に入った方は、同じ脚本家の作品をチェックしてみるのもおすすめです。韓国ドラマは配信プラットフォームによって取り扱いが変わることがあるため、視聴前に最新の配信状況を確認してください。
なお、「スタートアップ」というタイトルのドラマには、アメリカのCrackle制作の犯罪ドラマ「STARTUP スタートアップ」(2016年〜)も存在します。こちらはマイアミを舞台に仮想通貨をテーマにしたサスペンスドラマで、アダム・ブロディやマーティン・フリーマンが出演しています。シーズン3(2018年)まで制作された後、Crackleの売却に伴い新シーズンの制作が止まっています。
韓国ドラマの「スタートアップ: 夢の扉」とアメリカドラマの「STARTUP」は完全に別作品です。検索時に混同しやすいため、韓国版を探す場合は「スタートアップ 夢の扉」「スタートアップ 韓国ドラマ」で検索すると確実です。

