ドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』の最終回は、真相が主人公の長い独白で明かされた点や、展開の予測しやすさから一部の視聴者に「ひどい」と評価されています。一方でSNS上では「号泣した」という声が圧倒的に多く、「#ラストマン」が世界トレンド1位を獲得するほど話題になりました。この記事では、最終回が批判された具体的な理由と、打ち切りだったのかどうかを詳しく解説します。
| 作品名 | ラストマン-全盲の捜査官- |
|---|---|
| 脚本 | 黒岩勉 |
| 連載誌 / 放送局 | TBS系「日曜劇場」 |
| 放送期間 | 2023年4月23日〜6月25日 |
| 話数 | 全10話 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
ラストマンの最終回がひどいと言われる理由
2023年6月25日に放送された『ラストマン-全盲の捜査官-』の最終回(第10話)は、25分拡大スペシャルとして放送されました。多くの視聴者が感動した一方で、一部からは不満の声も上がっています。「ひどい」と言われた具体的な理由を見ていきます。
理由1:真相が皆実の長い独白で明かされた
最も多く指摘されたのは、41年前の強盗殺人事件の真相が、主人公・皆実広見(福山雅治)の長い独白によって説明される形で明かされた点です。視聴者が期待していたのは、証拠や証言が積み重なって真実が浮かび上がるようなドラマチックな展開でした。
しかし実際には、皆実が関係者の前で事件の全貌を語るという「説明セリフ」に近い手法が採られています。推理ドラマの醍醐味である「謎が解ける瞬間の驚き」が薄まったと感じた視聴者が少なくありませんでした。
全9話にわたって張り巡らされた伏線を、最終回のモノローグで一気に回収するという構成は賛否が分かれやすいものです。「映像で見せてほしかった」「もう1話使って丁寧に描くべきだった」という意見がある一方で、「一気に明かされるカタルシスがあった」と肯定する声もあります。
もっとも、この独白シーンでの福山雅治さんの演技は高く評価されています。全盲の捜査官が感情を抑えながら事件の真相を語る姿は迫力があり、「セリフの長さを感じさせなかった」という声もありました。演出の好みが分かれた場面だったと言えるでしょう。
一方、大泉洋さん演じる心太朗が真実を知って号泣するシーンは、多くの視聴者の涙を誘いました。「大泉洋の泣きの演技にもらい泣きした」「体に水分がなくなりそうなくらい泣いた」という感想がSNS上で数多く見られ、説明的な脚本を俳優の演技力が補った形です。
理由2:第9話までに視聴者が真相を予測できていた
「ひどい」という評価が出たもう一つの理由は、最終回で明かされた真相に意外性が乏しかったことです。第9話の時点で、41年前の事件の真犯人や動機について視聴者の間でかなり正確な予測が出回っていました。
ネット上の考察コミュニティでは、皆実と心太朗の父親同士の関係性や事件の背景について、ほぼ正解に近い推理が展開されていたのです。そのため最終回を見た視聴者からは「答え合わせをしているだけに感じた」「驚きがなかった」という声が上がりました。
特に第9話のラストで多くの伏線が回収に向かい始めたことで、SNS上では「犯人はあの人物では」「動機はこういうことでは」という考察が飛び交っていました。最終回を迎える前に真相の大枠が共有されていた状態だったため、「新事実が出るわ出るわ」と驚いた視聴者がいる一方で、すでに予測済みだった視聴者には新鮮味が薄れてしまったのです。
毎週リアルタイムで考察を楽しんでいた層ほど、最終回に物足りなさを感じやすかったようです。逆に、一気見した視聴者からは「テンポよくまとまっていた」という肯定的な感想が多く見られます。視聴スタイルの違いが最終回の満足度に影響した典型的なケースだったと言えます。
ただし、真相の「予測しやすさ」は裏を返せば脚本の伏線が丁寧に張られていた証拠でもあります。第1話から最終回まで一貫した物語構造が維持されており、「初回からの伏線が全て回収された」と評価する声も少なくありませんでした。
理由3:41年前の事件への感情移入が難しかった
物語の核心である「41年前の強盗殺人事件」は、皆実と心太朗が被害者の息子と容疑者の息子としてつながる重要な事件です。しかし、この過去の事件に対して感情移入しにくかったという指摘もあります。
視聴者が毎週楽しみにしていたのは、全盲の皆実と刑事の心太朗が各話で事件を解決していくバディものとしての魅力でした。メインの縦軸である41年前の事件よりも、1話完結のゲスト事件や脇役の人間関係に惹かれていた視聴者にとっては、最終回が過去の事件一色になったことに違和感があったようです。
特に、津田健次郎さんが演じた鎌田についての感想では「最終回は鎌田のシーンが濃かった」「津田健次郎に泣かされた」という声が多数あがっています。鎌田の物語に感動した一方で、メインの過去事件への興味は薄かったという視聴者の温度差が、「ひどい」という評価につながった側面があります。
結局のところ、最終回の評価は「過去の事件の真相に興味があったかどうか」で大きく分かれています。バディドラマとしての毎回の事件解決が好きだった層と、縦軸の大きな謎を追いかけていた層では、最終回への満足度が異なりました。
「ひどい」は少数派で大多数は高評価だった
ここまで「ひどい」と言われた理由を解説してきましたが、実際にはラストマンの最終回は全体として高い評価を受けています。放送直後のSNSでは「号泣した」「今クール最高の最終回」という声が圧倒的多数でした。
放送当日の2023年6月25日には、Twitterのハッシュタグ「#ラストマン」が世界トレンド1位を獲得しています。これは日曜劇場の最終回としても異例の反響でした。「目が腫れるほど泣いた」「最初から全部伏線だったのか」といった感動の声が大量に投稿されています。
Filmarksなどのレビューサイトでも高い評価を維持しており、「ひどい」という声はネット上で目立ちやすいものの、視聴者全体の割合としては少数派です。最終回に対する不満は特定のポイントに集中しており、作品全体の質を否定するものではありませんでした。
ラストマンは打ち切りだったのか?
最終回への不満から「打ち切りだったのでは?」と疑う声もありますが、結論から言えばラストマンは打ち切りではありません。むしろ、2023年春ドラマの中でもトップクラスの成功を収めた作品です。
全10話を予定通り放送し全話2桁視聴率を記録
『ラストマン-全盲の捜査官-』は日曜劇場の通常フォーマットである全10話を予定通り放送しています。話数の短縮や放送の打ち切りは一切ありませんでした。
視聴率も安定しており、初回の世帯14.7%をはじめ、全10話すべてが2桁視聴率を記録しています。最終回は13.4%で有終の美を飾り、シーズン平均は約12.9%でした。日曜劇場としても十分に合格ラインの数字です。
各話の世帯視聴率を見ると、第2話13.1%、第4話12.4%、第5話12.8%、第7話12.9%と大きな落ち込みがなく推移しています。初回から最終回まで2桁を維持し続けたドラマは、同クールの中でも限られていました。
ビデオリサーチの調査では2023年4月クールの好感度1位を獲得しており、幅広い年代の視聴者から支持されていたことがわかっています。打ち切りとは正反対の評価を受けていた作品です。
映画化・SPドラマも実現している
打ち切り作品であれば続編が制作されることはまずありません。しかしラストマンは、ドラマ放送終了後に大きな展開を見せています。
2025年12月24日には劇場版『映画ラストマン -FIRST LOVE-』が公開されました。福山雅治さんと大泉洋さんのバディが再結成され、舞台を北海道に移した新たな物語が描かれています。公開後の興行収入は8.5億円を突破(2026年1月時点)し、実写邦画として好調な成績を残しました。
さらに2025年12月28日には完全新作のスペシャルドラマ『ラストマン-全盲の捜査官- FAKE/TRUTH』も放送されています。連続ドラマの放送から2年半を経てなお新作が制作されていることは、作品が高く評価されている証拠です。
連続ドラマの最終回放送時にも「続編を匂わせるシーン」が話題になっており、制作サイドが当初から続編展開を視野に入れていたことがうかがえます。最終回の内容が「打ち切りで急いだ」のではなく、「続きを見据えた上での締めくくり」だったことは、その後の展開が証明しています。
最終回の構成は駆け足ではなかった
打ち切り作品にありがちな「駆け足で物語を畳んだ」という特徴も、ラストマンには当てはまりません。最終回は通常より25分拡大された特別枠で放送されており、むしろ丁寧に時間をかけて物語が締めくくられています。
第9話で事件の核心に迫り、最終回で真相と決着を描くという2話構成の最終章は、日曜劇場の定番フォーマットです。物語に必要な要素は全て描かれており、打ち切りによる短縮の痕跡は見られません。
「ひどい」という声は打ち切りに起因するものではなく、最終回の演出や脚本の好みに対する評価の分かれ目だったと考えるのが妥当です。日曜劇場では最終回を拡大枠で放送するのはヒット作の証でもあり、制作局のTBSがラストマンを高く評価していたことがわかります。
脚本家・黒岩勉の現在
ラストマンの脚本を手がけた黒岩勉さんは、現在もTBSドラマの看板脚本家として精力的に活動を続けています。
映画版・SPドラマも黒岩勉が脚本を担当
劇場版『映画ラストマン -FIRST LOVE-』およびスペシャルドラマ『FAKE/TRUTH』の脚本も、連続ドラマに続いて黒岩勉さんが担当しています。シリーズを通じて一貫した世界観が保たれているのは、同じ脚本家が関わり続けているためです。
黒岩さんは『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』シリーズや『全領域異常解決室』など、TBSのヒットドラマを数多く手がけてきた実績があります。ラストマンもその系譜に連なる代表作の一つです。
なお、『劇場版 全領域異常解決室』も2026年公開予定となっており、黒岩さんの脚本作品は映画化が相次いでいる状況です。
2026年は日曜劇場『リブート』を執筆中
2026年1月18日からは、TBS日曜劇場の新作『リブート』の脚本を担当しています。鈴木亮平さん主演のオリジナル脚本で、パティシエの主人公が妻殺害の冤罪に巻き込まれるサスペンスドラマです。
ラストマンと同じくTBS日曜劇場枠で、黒岩さんのオリジナル脚本という共通点があります。黒岩さんはラストマン以降も日曜劇場の主力脚本家としてポジションを確立しており、打ち切り作品の脚本家という評価とは無縁の活躍を見せています。
2024年10月クールに放送された『全領域異常解決室』もヒットを記録しており、黒岩さんは現在のTBSドラマにおいて最も起用頻度の高い脚本家の一人です。ラストマンの成功がその後のキャリアに大きく寄与していることは間違いありません。
ラストマンの見る順番とシリーズ一覧
ラストマンは連続ドラマに加えて映画・SPドラマも展開されており、シリーズ全体を楽しむことができます。初めて見る方は、以下の順番で視聴するのがおすすめです。
| 順番 | タイトル | 形式 | 公開時期 |
|---|---|---|---|
| 1 | ラストマン-全盲の捜査官-(全10話) | 連続ドラマ | 2023年4月〜6月 |
| 2 | ラストマン-全盲の捜査官- FAKE/TRUTH | SPドラマ | 2025年12月28日 |
| 3 | 映画ラストマン -FIRST LOVE- | 劇場版 | 2025年12月24日 |
SPドラマ『FAKE/TRUTH』が連続ドラマの直接的な続きにあたる内容となっているため、映画より先に視聴するのがおすすめです。映画は公開日こそSPドラマより先ですが、ストーリー上の時系列ではSPドラマの後に位置します。
連続ドラマ全10話はTBS系列の動画配信サービスであるU-NEXT(Paravi統合後)やTELASAなどで配信されています。TVerでも期間限定で配信されることがあるため、最新の配信状況は各サービスで確認してみてください。映画版と合わせて視聴することで、皆実と心太朗のバディの物語をより深く楽しめるでしょう。

