『ベター・コール・ソウル』は打ち切りではなく、シーズン6・全13話をもって計画的に完結した作品です。シーズン6での終了やエミー賞を受賞できなかったことが「打ち切りでは?」という誤解を招いたとみられます。この記事では、打ち切りと言われた理由と完結の経緯、制作陣の現在の活動について詳しく解説します。
| 作品名 | ベター・コール・ソウル(Better Call Saul) |
|---|---|
| 作者 | ヴィンス・ギリガン、ピーター・グールド(企画・制作) |
| 連載誌 / 放送局 | AMC(米国)/日本ではNetflixで配信 |
| 放送期間 | 2015年2月〜2022年8月(全6シーズン・全63話) |
| 巻数 | 全6シーズン(シーズン1〜6) |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
ベター・コール・ソウルが打ち切りと言われた理由
『ベター・コール・ソウル』は『ブレイキング・バッド』のスピンオフとして高い人気を誇りましたが、一部では「打ち切りだったのでは?」という声が見られます。ここでは、打ち切りと誤解された主な理由を整理します。
理由1:シーズン6での終了が「途中で打ち切られた」と誤解された
『ベター・コール・ソウル』はシーズン6で終了しています。海外ドラマは人気作であれば10シーズン以上続くこともあるため、シーズン6という区切りが「もっと続くはずだったのに打ち切られた」という印象を与えた可能性があります。
しかし実際には、シーズン6は企画段階から「最終シーズン」として制作されたものです。AMCは2020年1月にシーズン6が最終シーズンになることを正式に発表しており、制作陣も物語を完結させるために全13話を2部構成で制作しました。
前半7話が2022年4月18日から、後半6話が7月11日から放送され、8月15日に最終話「Saul Gone」が放送されました。つまり、途中で打ち切られたのではなく、制作陣が意図した形で物語を締めくくっています。
理由2:エミー賞を1つも受賞できなかったことで「評価が低い」と思われた
『ベター・コール・ソウル』はシリーズ全体でエミー賞に合計53回ノミネートされましたが、結果的に1つも受賞には至りませんでした。このことが「作品として評価されていない=打ち切りだったのでは」という誤解につながった面があります。
ただし、エミー賞を受賞できなかった理由は作品の質とは別の問題です。放送期間中、同じドラマ部門には『ゲーム・オブ・スローンズ』『サクセッション』といった強豪がひしめいており、激戦区の中で受賞を逃し続けたというのが実情です。
クリティクス・チョイス・アワードでは作品賞を1回、主演男優賞(ボブ・オデンカーク)を3回受賞しており、業界内の評価は決して低くありませんでした。エミー賞の結果だけで作品の評価を判断するのは早計です。
理由3:日本での知名度がブレイキング・バッドほど高くない
本家『ブレイキング・バッド』は日本でも海外ドラマファンの間で広く知られていますが、スピンオフである『ベター・コール・ソウル』は相対的に知名度が低い傾向にあります。そのため、シリーズの終了に関する正確な情報が伝わりにくく、「いつの間にか終わっていた=打ち切りでは」と受け取られるケースがあったようです。
日本では地上波での放送がなく、Netflixやスーパー!ドラマTVでの視聴が主な手段でした。ケーブルテレビや配信サービスの契約者に視聴層が限られていたことで、シーズン6が「計画的な最終シーズン」だったという情報が広く共有されなかったと考えられます。
また、本作はリーガルドラマとしての側面が強く、『ブレイキング・バッド』のようなアクション要素は控えめです。作風の違いから本家ほど話題になりにくかったことも、情報の浸透を妨げた要因でしょう。
ベター・コール・ソウルが打ち切りではない根拠
打ち切り説は誤解に基づくものです。以下の3つの根拠から、本作が計画的に完結した作品であることがわかります。
根拠1:シーズン6は「最終シーズン」として公式発表されていた
AMCは2020年1月の時点で、シーズン6が最終シーズンになることを公式に発表しています。制作陣のヴィンス・ギリガンとピーター・グールドも、物語を完結させるための十分なエピソード数として全13話を確保しました。
打ち切り作品の場合、シーズン途中で突然放送が終了したり、エピソード数が大幅に削られたりすることが一般的です。しかし本作のシーズン6は、通常の10話構成よりも多い全13話が制作され、2部構成で丁寧に放送された点からも、打ち切りとは全く異なる扱いだったことがわかります。
ピーター・グールドは最終シーズンの制作にあたり「物語を正しく終わらせるために必要な時間をもらえた」と語っており、制作側にとっても納得のいく形での完結だったことがうかがえます。
根拠2:視聴率・批評家評価ともに高水準だった
打ち切り作品は一般的に視聴率の低迷が原因となりますが、本作は全シーズンを通じて高い視聴率と批評家評価を維持していました。シーズン1第1話の視聴者数は688万人を記録し、ベーシック・ケーブル局ドラマの第1話としては当時の最高記録を更新しています。
Rotten Tomatoesでの批評家スコアは全シーズン平均で98%フレッシュという驚異的な数値です。IMDbでも10点満点中9.0点の評価を獲得しており、海外ドラマの中でもトップクラスの評価を受けています。
最終シーズンであるシーズン6も視聴者数がシリーズ最高を記録しており、人気が低迷して終了したのではないことは明らかです。放送局のAMCにとっても主力コンテンツであり続けた作品でした。
根拠3:最終話まで放送され物語が完結している
最終話「Saul Gone」は2022年8月15日に放送され、主人公ジミー・マッギル(ソウル・グッドマン)の物語に決着がつけられました。『ブレイキング・バッド』から続くアルバカーキ・サーガは、足掛け15年をかけて完結しています。
視聴者からは「見事な完結だった」「これ以上ない終わり方」といった声が多数寄せられており、Filmarksでのシーズン6の評価は4.5点(5点満点)と非常に高い水準です。打ち切り作品にありがちな「駆け足の展開」「未回収の伏線」といった批判はほとんど見られません。
全6シーズン・63話という規模は、物語を語り切るのに十分なボリュームであり、制作陣が意図した通りの完結だったことは間違いありません。
ベター・コール・ソウルの制作陣の現在
『ベター・コール・ソウル』の完結後、制作陣はそれぞれ新たなプロジェクトに取り組んでいます。
ヴィンス・ギリガンの新作『Pluribus』
『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』の生みの親であるヴィンス・ギリガンは、Apple TV+で新作ドラマ『Pluribus(プルリブス)』を制作しました。2025年11月7日から配信が開始されています。
『プルリブス』は、人類が突如「幸福」に支配されてしまった世界で、唯一その影響を受けない女性キャロル・スターカが人類を救うために奔走するSFドラマです。主演には『ベター・コール・ソウル』でキム・ウェクスラーを演じたレイ・シーホーンが起用されています。
本作は配信開始前からシーズン2の制作が決定しており、ギリガンの新たな代表作となる可能性を秘めています。ギリガン自身は「ブレイキング・バッドの世界からは一旦離れたい」と語っており、全く異なるジャンルへの挑戦を楽しんでいるようです。
ピーター・グールドの動向
『ベター・コール・ソウル』でショーランナーを務めたピーター・グールドについては、2026年3月時点で新作ドラマの公式発表は確認されていません。
グールドは『ブレイキング・バッド』の初期から脚本・プロデューサーとして参加し、ソウル・グッドマンというキャラクターの生みの親でもあります。『ベター・コール・ソウル』では全6シーズンにわたってショーランナーを務め、特にシーズン後半では実質的に制作の中心人物でした。
ギリガンと並ぶ実力派クリエイターだけに、今後の新プロジェクトの発表が待たれるところです。
ベター・コール・ソウルの見る順番・配信先
『ベター・コール・ソウル』は『ブレイキング・バッド』シリーズの一部であるため、視聴順に迷う方も少なくありません。
おすすめの視聴順
最もおすすめの視聴順は、制作順に見る方法です。まず『ブレイキング・バッド』全5シーズンを視聴し、次に映画『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』、最後に『ベター・コール・ソウル』全6シーズンという順番です。
『ベター・コール・ソウル』は時系列では『ブレイキング・バッド』の前日譚ですが、制作上は『ブレイキング・バッド』を見ている前提で作られています。先に本家を視聴することで、登場人物の「その後」を知った上でスピンオフを楽しむことができます。
なお、『ベター・コール・ソウル』のシーズン5・6では『ブレイキング・バッド』の時系列と重なるエピソードもあり、両作品の知識があるとより深く楽しめる構成になっています。
現在の配信先
日本では『ベター・コール・ソウル』全6シーズンがNetflixで配信中です。『ブレイキング・バッド』全5シーズンおよび映画『エルカミーノ』もNetflixで視聴可能なため、シリーズ全体を一つのサービスで完走できます。
また、スーパー!ドラマTV(CS放送)でも放送実績があり、Blu-ray・DVDボックスも発売されています。

