ヒューマンズが打ち切りの理由!シーズン4が制作されなかった3つの背景を解説

「ヒューマンズ(Humans)」は、シーズン3をもって打ち切りとなった海外ドラマです。シーズンを重ねるごとに視聴率が大幅に低下し、2019年5月にChannel 4とAMCがシーズン4の制作見送りを発表しました。この記事では、ヒューマンズが打ち切りになった具体的な理由と制作陣の現在の活動について解説します。

作品名 ヒューマンズ(Humans)
制作・脚本 サム・ヴィンセント、ジョナサン・ブラックリー
放送局 Channel 4(イギリス)/ AMC(アメリカ)
放送期間 2015年〜2018年(全3シーズン)
話数 全24話(各シーズン8話)
打ち切り判定 🔴 打ち切り確定

ヒューマンズが打ち切りになった理由

ヒューマンズは、人間そっくりのロボット「シンス」が普及した近未来を描くSFドラマです。スウェーデンの「リアル・ヒューマンズ」をイギリスのChannel 4とアメリカのAMCが共同でリメイクし、制作はKudosが担当しました。シーズン1は高い評価を受けたものの、シーズンを重ねるごとに視聴者が離れていきました。

キャンセルの公式発表は2019年5月で、制作陣のサム・ヴィンセントとジョナサン・ブラックリーがSNS上のブログで報告しています。打ち切りに至った背景には、主に3つの要因がありました。

理由1:シーズンごとに加速した視聴率の低下

打ち切りの最大の原因は、シーズンを追うごとに視聴率が急落したことです。シーズン1の初回放送は、イギリスのChannel 4で400万人の視聴者を獲得しました。タイムシフト視聴を含めると600万人を超え、視聴者シェアは23%に達しています。

この数字はChannel 4のオリジナルドラマとしては20年以上で最大の初回視聴者数でした。1992年放送の「The Camomile Lawn」以来の記録とされており、局にとっても看板作品としての期待が大きかったことがうかがえます。

しかしシーズン2では、Channel 4での初回視聴者数が210万人にまで半減しました。アメリカのAMCでも同様の傾向が顕著で、シーズン1の平均視聴者数118万人・18〜49歳視聴率0.39に対し、シーズン2は平均46万2,000人・視聴率0.14と大幅に減少しています。

シーズン3ではさらに深刻な状況となりました。AMCでの平均視聴者数は35万3,000人まで落ち込み、18〜49歳の視聴率は0.08とシーズン2比で42%減少しています。総視聴者数もシーズン2から24%減となり、番組の継続を正当化することが難しい水準でした。

シーズン1で600万人を超えた視聴者が、シーズン3では数十万人規模にまで減ったという落差は、Channel 4とAMCの双方にとって打ち切りを決定づける数字だったと言えます。

理由2:ストリーミング時代の競争激化

ヒューマンズが放送された2015年〜2018年は、いわゆる「ピークTV」の時代にあたります。NetflixやAmazon Prime Videoなどのストリーミングサービスが次々と大型SFドラマを制作し、視聴者の選択肢が爆発的に増えた時期です。

従来のケーブルテレビや地上波で放送されるドラマは、こうしたストリーミング作品との視聴者争奪戦に直面しました。ヒューマンズのようなSFジャンルでは、Netflixの「ブラック・ミラー」やAmazonの「高い城の男」など、潤沢な予算で制作されたライバル作品が多数存在していました。

特にヒューマンズのシーズン間隔が長かったことも不利に働いています。シーズン2からシーズン3までは約1年半の空白があり、その間に視聴者が他の作品に流れた可能性が高いです。ストリーミングサービスでは常に新作が供給されるため、次のシーズンを待つという従来の視聴習慣が崩れつつありました。

テレビ業界全体の構造変化がヒューマンズの視聴率低下に拍車をかけたというのが、業界関係者の見方です。Varietyやdeadlineといった業界メディアも、ヒューマンズのキャンセルを「ピークTV時代の犠牲者」と位置づけて報じていました。

理由3:物語のスケール拡大と視聴者離れ

ヒューマンズはシーズン1で、ホーキンス一家と意識を持つシンスたちの関係を軸にした親密なドラマとして始まりました。ジェマ・チャン演じるシンスのアニータが家庭に入り込むことで、家族それぞれが抱える問題が浮き彫りになっていく展開です。家庭内で人間とロボットが共存する中で生じる葛藤を丁寧に描いた点が、高い評価を受けた理由でした。

しかし、シーズンが進むにつれて物語のスケールは拡大していきました。シーズン2では意識を持つシンスの数が増え、人間社会との摩擦がより広い範囲で描かれるようになっています。さらにシーズン3では「デイ・ゼロ」と呼ばれる事件をきっかけに、シンスと人間の社会的対立が前面に押し出される展開となりました。

初期のファンの中には、こうした方向性の変化に違和感を覚えた視聴者もいたと言われています。シーズン1で惹きつけられた「家庭ドラマとしての魅力」が薄れ、社会派SFとしての色彩が強まったことで、当初の視聴者層との間にミスマッチが生じた可能性があります。

また、シーズン3の最終話ではニスカの今後やレオとマティの新生活など、多くの伏線が回収されないまま終了しました。物語として区切りがついていない状態でのキャンセルは、作品全体の評価にも影響を与えています。

制作陣のサム・ヴィンセントとジョナサン・ブラックリーは、2019年5月にSNSでキャンセルを報告し、シーズン4以降の構想があったことを示唆しています。視聴率の低下がなければ、物語は本来の結末を迎えるはずだったと考えられます。

ヒューマンズの打ち切りに対するファンの反応

ヒューマンズの打ち切りは、熱心なファンの間で大きな落胆を生みました。作品そのものの評価は高かっただけに、視聴率という一つの指標だけで継続が判断されたことへの不満が多く見られています。日本でもHuluやAmazon Prime Videoでの配信を通じてファンが増えており、キャンセルの知らせに驚いた視聴者は少なくありませんでした。

SNSでの評価

キャンセル発表後、SNSではシーズン4の制作を求める声が多数上がりました。「作品の質は落ちていないのに視聴率だけで判断するのは残念」「AIが社会問題になっている今こそ、このドラマのテーマが必要だ」といった意見が見られています。

特に2020年代に入ってからのAI技術の急速な発展に伴い、ヒューマンズが描いた「意識を持つAIと人間の共存」というテーマへの再評価が進んでいます。放送当時は近未来のフィクションだった設定が、現実の議論と重なりつつあるという指摘もありました。

一方で、「シーズン1が一番面白かった」「シーズンが進むにつれてドラマの焦点がぼやけた」という声もありました。作品への愛着は強いものの、シーズン1の完成度をピークと見るファンも少なくなかったようです。

また、Amazonが打ち切りドラマ「The Expanse」をSyFyから引き取って続編を制作した事例もあることから、他のプラットフォームでの復活を期待する声も長期にわたって続いていました。ただし、キャンセルから数年が経過した現在も、復活に関する公式発表は出ていません。

最終回の評価

シーズン3の最終話(第8話)は、シンスと人間の対立が衝撃的な展開を迎える内容でした。物語としてのインパクトは大きかったものの、続きを前提とした終わり方だったため、最終回としては不完全だという評価が多く見られます。

複数の主要キャラクターの行方が宙に浮いたまま終了しており、「打ち切りでなければ解決されたであろう伏線」が多く残されています。ニスカが次にどう行動するのか、レオとマティの関係がどうなるのかなど、視聴者が最も気になるポイントが未解決のまま幕を閉じました。

完結ではなく中断という印象を与える終わり方は、ファンにとって消化不良の結果となりました。制作陣も最終回を「シリーズの最終回」として設計していなかったため、物語全体に締まりがないと感じる視聴者が多かったのは無理もないことです。

ただし、シーズン3単体としてのドラマの密度や演技力への評価は高く、「内容は良かったが終わり方が惜しい」というのが大方の見方です。Filmarksでのレビューでも、作品への高い評価と打ち切りへの惜しむ声が併存しています。

ヒューマンズの制作陣の現在

ヒューマンズの打ち切り後、制作陣はそれぞれ新たなプロジェクトに取り組んでいます。

サム・ヴィンセント&ジョナサン・ブラックリーの最新作

ヒューマンズの企画・脚本を担当したサム・ヴィンセントとジョナサン・ブラックリーは、ヒューマンズ終了後もドラマ制作を続けています。BBC Oneのドラマ「Better」では、イングランド北部のリーズを舞台に、20年間の不正を正そうとする汚職警察官を描きました。全6話のクライムドラマで、レイラ・ファルザドが主演を務めています。

さらに、フィリップ・K・ディックの小説「The Variable Man」の映像化も進行中です。Motive PicturesとElectric Shepherdが共同で制作にあたっており、イギリスでの放送が予定されています。フィリップ・K・ディックはSF文学の巨匠として知られ、「ブレードランナー」の原作者でもあります。

ヒューマンズで描いたAIと人間の関係というテーマは、現在のAIブームの中でさらに注目度を増しています。二人がSFジャンルに再び取り組んでいることから、ヒューマンズで培った経験が新作にも生かされるでしょう。

主要キャストのその後

ヒューマンズの出演者の中でも特に注目を集めたのが、シンスのアニータ/ミア役を演じたジェマ・チャンです。ヒューマンズ出演後、マーベル映画「エターナルズ」(2021年)でセルシ役に抜擢され、ハリウッドでの活躍の場を大きく広げました。

また、レオ役のコリン・モーガンは「Merlin」で知られるイギリスの実力派俳優で、ヒューマンズ後も舞台やテレビドラマで活動を続けています。キャサリン・パーキンソンやトム・グッドマン=ヒルなど、イギリスを代表する実力派俳優が揃っていたことも、このドラマの評価を支えた要因の一つです。

ヒューマンズの原作と見る順番

ヒューマンズを視聴する際に知っておきたい、原作や視聴順序に関する基本情報を整理します。

原作「リアル・ヒューマンズ」との関係

ヒューマンズは、2012年にスウェーデンで放送されたSFドラマ「リアル・ヒューマンズ(Real Humans)」のリメイク作品です。人間そっくりのロボットが社会に浸透した世界を描くという基本設定は共通していますが、キャラクターや物語の展開はイギリス版独自のものとなっています。

原作のスウェーデン版は全2シーズン(2012年〜2014年)で、こちらもシーズン3が制作されないまま終了しています。リメイク版であるヒューマンズは全3シーズンと、原作より1シーズン長く続きました。設定の土台は共有しつつも、登場人物や展開は大きく異なるため、別作品として楽しめます。

視聴する順番

ヒューマンズはシーズン1から順番に視聴するのが推奨されます。各シーズンは前のシーズンの続きとなっており、途中から見ると物語の背景が理解しにくくなります。

なお、スウェーデン版「リアル・ヒューマンズ」とはストーリーが異なるため、どちらから先に見ても問題ありません。両方を視聴することで、同じ設定から異なる物語がどう展開されるかを比較する楽しみ方もできます。

配信状況

ヒューマンズは日本ではAmazon Prime VideoやApple TVなどで視聴可能です。配信状況は時期によって変動するため、視聴前に各サービスで確認することをおすすめします。全3シーズン・全24話で、各話の長さは約45〜50分です。

打ち切りとなったドラマではありますが、シーズン1単体でもSFドラマとして見応えがあります。AIと人間の共存という現代社会にも通じるテーマを扱っており、全24話という分量も一気見しやすい長さです。打ち切りの経緯を知った上で、どこまで楽しめるかを自分で判断して視聴を始めるのがよいでしょう。


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