ミスターメルセデスは打ち切り?放送局閉鎖の真相と原作完結の経緯を解説

ミスター・メルセデスは打ち切りではなく、原作小説全3作を映像化した上で完結したドラマです。

放送局であるAT&T Audience Networkの閉鎖やシーズン4が制作されなかったことから「打ち切りでは?」という声が広まりました。

この記事では、打ち切りと言われた理由3つと、完結済みと判断できる根拠、原作者スティーヴン・キングの現在までを詳しく解説します。

作品名 ミスター・メルセデス(Mr. Mercedes)
作者 原作:スティーヴン・キング / 脚色:デヴィッド・E・ケリー
連載誌 / 放送局 AT&T Audience Network(アメリカ)
放送期間 2017年8月〜2019年11月(全3シーズン・全30話)
巻数 原作小説:全3巻(ビル・ホッジス三部作)
打ち切り判定 🟢 打ち切りではない(完結済み)

ミスター・メルセデスが打ち切りと言われた理由

スティーヴン・キング原作のこのドラマは、全3シーズンで放送が終了しています。しかしネット上では「打ち切りだったのでは」と疑う声が少なくありません。

打ち切りと誤解された背景には、放送局の閉鎖やシーズン更新の未発表、そして日本での情報の少なさが複合的に絡んでいます。ここでは主な理由を3つに分けて解説します。

理由1:放送局AT&T Audience Networkが閉鎖された

打ち切り説が広まった最大の原因は、ミスター・メルセデスを放送していたAT&T Audience Networkが2020年5月に閉鎖されたことです。

AT&Tは2020年1月8日、傘下のAudience Networkを終了すると発表しました。同年5月27日に開始する新しい動画配信サービスHBO Maxへリソースを集中させるための経営判断でした。Audience Networkの放送枠はHBO Maxのプレビューチャンネルに転換されています。

Audience Networkはアメリカの衛星放送DirecTV加入者向けのチャンネルで、日本での知名度はほぼありません。同局のオリジナル番組には『Condor』や『Loudermilk』などがありましたが、いずれも日本では馴染みの薄い作品です。

そのため「聞いたことのない局で打ち切られたドラマ」という印象を持った人が多かったと考えられます。放送局ごとなくなったという事情は、打ち切り説をより強めてしまいました。

しかし実際には、ミスター・メルセデスのシーズン3最終話は2019年11月12日に放送されており、放送局の閉鎖よりも約半年前にドラマは完結しています。放送局の閉鎖がドラマの終了を直接決めたわけではありません。

理由2:シーズン4が制作されなかった

シーズン3の放送終了後、シーズン4の更新(リニューアル)が公式に発表されることはありませんでした。海外ドラマでは通常、シーズン終了後に次シーズンの制作が発表されるため、何のアナウンスもなく終わったことが「打ち切られたのでは」という疑念につながりました。

ただし、これはAudience Networkの閉鎖が決まっていたことと深く関係しています。放送局自体がなくなる以上、同局での新シーズン制作を発表する意味がなかったのです。

その後、全3シーズンの配信権はNBCユニバーサルの動画配信サービスPeacockに移りました。2020年10月からPeacockでシーズン1・2の配信が始まり、後にシーズン3も追加されています。

Peacockでのシーズン4制作も一時期取り沙汰されましたが、実現には至っていません。これは後述するように、原作の物語が完結していることが大きな理由です。

理由3:日本での知名度が低く情報が少ない

ミスター・メルセデスは、スティーヴン・キング原作でありながら日本では比較的マイナーな海外ドラマです。放送局のAudience Network自体が日本未上陸で、日本語での情報が極端に少ない状態が続いていました。

キング原作のドラマといえば『IT/イット』や『シャイニング』のように大手映画スタジオが手がける作品が有名です。しかしミスター・メルセデスはケーブルテレビの比較的小規模なチャンネルで制作されたため、日本のメディアで取り上げられる機会が少なかったのです。

日本ではHuluやソニー・ピクチャーズから配信・販売されていますが、NetflixやAmazon Prime Videoのような大手プラットフォームでの独占配信ではなかったため、視聴者層が限られていました。地上波での放送もなく、海外ドラマ専門チャンネルでの放送が中心でした。

このように情報が少ないために「なぜ終わったのか」を調べても明確な答えが見つからず、「打ち切りだったのでは」という推測が広まったと考えられます。

レビューサイトFilmarksではシーズン1に854件、シーズン3に401件のレビューが投稿されており、シーズン3の平均評価は★3.7です。視聴した人からの評価自体は決して低くありません。

ミスター・メルセデスが打ち切りではない根拠

ここまでミスター・メルセデスが打ち切りと言われた背景を見てきましたが、客観的な情報を整理すると打ち切りには該当しません。以下の3つの根拠から判断できます。

原作三部作を全3シーズンで完全に映像化している

ミスター・メルセデスの原作は、スティーヴン・キングの「ビル・ホッジス三部作」です。『ミスター・メルセデス』(2014年)、『ファインダーズ・キーパーズ』(2015年)、『任務の終わり(End of Watch)』(2016年)の3作で構成されています。

ドラマは全3シーズン・全30話でこの三部作を全て映像化しており、原作の物語は完結しています。シーズン1が第1作『ミスター・メルセデス』、シーズン2が第3作『任務の終わり』、シーズン3が第2作『ファインダーズ・キーパーズ』に対応しています。

映像化の順序が原作と異なるのは、シーズン1で登場した犯人ブレイディ・ハーツフィールドの物語を先に決着させるための構成上の判断です。結果として3つの物語すべてがドラマ化されました。

原作に未映像化のエピソードが残っているわけではなく、「原作の途中で打ち切られた」という事実はありません。三部作に対して全3シーズンという構成は過不足のないものです。

批評面でも一定の評価を維持していた

打ち切りドラマにありがちな「視聴率低迷による早期終了」のパターンとは異なり、ミスター・メルセデスは批評面で安定した評価を得ていました。

主演のブレンダン・グリーソンはアイルランド出身の実力派俳優で、退職した元刑事ビル・ホッジスを重厚に演じています。犯人ブレイディ・ハーツフィールド役のハリー・トレッダウェイとの心理戦を軸にした緊迫感のある演出が、海外ドラマファンからの支持を集めていました。

脚色を手がけたデヴィッド・E・ケリーは『ビッグ・リトル・ライズ』『アリー my Love』など数々のヒット作を生み出したショーランナーです。キング原作の世界観を犯罪ドラマとして丁寧に再構築した手腕は高く評価されています。

前述のとおりFilmarksでのシーズン3評価は★3.7で、シーズン1のレビュー数は854件にのぼります。ケーブルテレビのマイナー局の作品としては十分な注目度でした。

Peacockが全シーズンの配信権を取得した

放送局の閉鎖後、ミスター・メルセデスはNBCユニバーサルの配信サービスPeacockに移籍しています。放送局がなくなった作品を別のプラットフォームが引き取るケースは珍しく、作品としての価値が認められていた証拠です。

2020年10月15日からPeacockでシーズン1・2の配信が開始され、その後シーズン3も追加されました。これにより、Audience Network閉鎖後もアメリカ国内で全話を視聴できる環境が維持されています。

Peacockでのシーズン4制作の可能性も一部で報じられましたが、原作三部作が完結済みであり全3シーズンで物語を描き切っていることから、新シーズンは制作されていません。

これは物語が完結した結果であり、打ち切りとは根本的に異なります。放送局は閉鎖されても作品は生き残り、新たなプラットフォームで視聴者に届けられ続けているのです。

原作者スティーヴン・キングの現在

ミスター・メルセデスの原作者スティーヴン・キングは、1947年9月21日生まれのアメリカの小説家です。「ホラーの帝王」として知られ、『シャイニング』『IT』『スタンド・バイ・ミー』など70作品以上の長編小説を発表しています。

スティーヴン・キングの最新作と活動状況

スティーヴン・キングは2025年時点でも精力的に執筆活動を続けています。2025年はデビュー50周年にあたり、記念刊行として複数の作品が出版されています

日本では2025年4月に『フェアリー・テイル』上下巻(文藝春秋)が発売されました。老人の遺した異世界への通路を抜け、少年が老犬を救うために旅に出るファンタジー大作です。

また、短編『チャックの数奇な人生』を原作とした映画『サンキュー、チャック』が2026年5月に日本公開予定となっています。キングの作品は現在も次々と映像化が進んでいます。

ビル・ホッジス三部作の続編にあたる新作小説の発表はありませんが、キング自身は年に1〜2作のペースで新刊を出し続けており、引退の兆候は見られません。三部作としては完結した物語であり、ドラマの終了もこの原作完結に沿ったものです。

ミスター・メルセデスの見る順番と配信先

ミスター・メルセデスの全3シーズンを視聴する際の順番と、日本で視聴できる配信サービスをまとめます。

シーズン1〜3の見る順番

ミスター・メルセデスはシーズン1から順番に視聴するのが基本です。原作小説の映像化順序は入れ替わっていますが、ドラマとしてはシーズン1→2→3の順にストーリーが進行するため、番号順に見れば問題ありません。

シーズン1(全10話)はメルセデス・ベンツを凶器にした無差別殺人事件を追う物語です。退職刑事ビル・ホッジスと犯人ブレイディ・ハーツフィールドの対決が描かれます。

シーズン2(全10話)では、ブレイディが昏睡状態から目覚めた後の展開を描きます。原作第3作『任務の終わり』に基づいており、キング作品らしい超自然的な要素も加わるのが特徴です。

シーズン3(全10話)は原作第2作『ファインダーズ・キーパーズ』がベースです。ホッジス率いる探偵社が大物小説家の殺人事件に挑みます。

日本で視聴できる配信サービス

日本ではHuluでシーズン1〜3が配信されています(有料レンタル)。また、ソニー・ピクチャーズからBlu-ray・DVDが発売されています。

Amazonでもデジタルレンタル・購入が可能です。見放題配信ではなく個別課金が中心のため、視聴前に各サービスの料金を確認することをおすすめします。

なお、配信状況は時期によって変わることがあります。視聴を検討する際は、各プラットフォームの最新情報を確認してください。

ミスター・メルセデスの原作小説を読むなら

ドラマの原作であるビル・ホッジス三部作は、いずれも日本語訳が白石朗の翻訳で文藝春秋から出版されています。ドラマを見て興味を持った方は、原作小説もおすすめです。

原作三部作の概要と読む順番

原作は刊行順に『ミスター・メルセデス』(上下巻)、『ファインダーズ・キーパーズ』(上下巻)、『任務の終わり』(上下巻)の3作・計6冊です。小説は刊行順に読むのが推奨されます。

スティーヴン・キングが初めて挑んだ本格ミステリーとして話題になり、第1作『ミスター・メルセデス』は2015年のエドガー賞(アメリカ探偵作家クラブ賞)最優秀長編賞を受賞しています。ホラー作品のイメージが強いキングですが、本シリーズでは超自然要素を排した正統派の犯罪ミステリーを展開しています。

ドラマではシーズン2と3で映像化の順序が入れ替わっていますが、小説は刊行順がそのまま時系列順です。ドラマとは異なる展開やキャラクター描写も多いため、ドラマ視聴後に原作を読んでも新鮮に楽しめます。

日本語版は文藝春秋から文庫でも刊行されているため、手に取りやすい価格で読むことができます。電子書籍版も配信されており、まとめ買いにも便利です。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA



日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)