『ベイビーステップ』は打ち切りが疑われていますが、作者・勝木光が「私の一存で終わらせた」と語っており、典型的な打ち切りとは異なる経緯で連載が終了しています。ただし「できればデ杯まで描きたかった」という発言もあり、本来の構想どおりに完結したわけではないことも事実です。この記事では、打ち切り説が広まった理由と真相、最終回がひどいと言われる背景、そして作者・勝木光の現在の活動について解説します。
| 作品名 | ベイビーステップ |
|---|---|
| 作者 | 勝木光(かつき ひかる) |
| 連載誌 / 放送局 | 週刊少年マガジン(講談社) |
| 連載期間 | 2007年46号〜2017年48号(約10年間) |
| 巻数 | 全47巻 |
| 打ち切り判定 | 🟡 打ち切り疑惑あり |
ベイビーステップが打ち切りと言われている理由
週刊少年マガジンで10年にわたって連載された漫画『ベイビーステップ』は、2017年11月に連載が終了しました。しかしその終わり方があまりにも唐突だったことから、ネット上では「打ち切りだったのでは?」という声が根強く残っています。
打ち切り説が広まった背景には、複数の具体的な理由があります。以下で詳しく見ていきましょう。
理由1:試合途中で突然終了した最終回
打ち切り説の最大の根拠は、最終回が試合の途中で終了したことです。最終話では、主人公・丸尾栄一郎(エーちゃん)が慶稜チャレンジャー決勝でクリシュナと対戦していました。最終セットのタイブレークという最も緊張感のある場面で、試合の結末が描かれないまま物語が終了しています。
47巻・約10年間もの長期連載でありながら、勝敗が決まらないまま終わるという展開は異例です。通常、スポーツ漫画の最終回は主人公の試合結果や、その後の成長を描いて締めくくるのが一般的でしょう。
この唐突な終わり方が「打ち切りに違いない」と読者に感じさせた最大の要因です。物語に明確な区切りがないまま連載が終了した点は、多くのファンに衝撃を与えました。
理由2:プロ編に入ってからの人気低下
ベイビーステップはプロ編に入ってから、読者の支持が低下したと指摘されています。高校テニス編では宮川卓也(タクマ)や難波江優、井出義明など魅力的なライバルたちとの試合が物語を盛り上げていました。
しかしプロ転向後は舞台が海外のチャレンジャー大会に移り、これまでのサブキャラクターたちとの関係性が希薄になっていきました。国内で描かれていた仲間やライバルとの絡みがなくなり、新たな海外選手との対戦が中心になったことで、読者が物語についていけなくなったと言われています。
週刊少年マガジンでは毎週のアンケート調査によって作品の人気が測られます。プロ編での人気低下が掲載順にも影響し、連載終了の判断に至った可能性は否定できません。
また、プロ編ではエーちゃんが4大大会出場を目指すという壮大な目標が設定されましたが、現実のテニス界では日本人選手がグランドスラムで上位に食い込むこと自体が極めて難しいことです。この目標設定のハードルの高さが物語の展開を間延びさせ、読者の関心が薄れる一因になったとの指摘もあります。
理由3:作者が「力不足」と語った意味深な発言
作者・勝木光は単行本47巻のあとがきで、連載終了について「私の力不足で」と述べています。この表現が「編集部から打ち切りを言い渡されたのでは」という憶測を呼びました。
さらに勝木光は「できればデ杯(デビスカップ=国別対抗戦)まで描きたかった」とも語っています。これは本来の構想ではデビスカップ編が予定されていたことを示唆しており、予定通りの完結ではなかったことがうかがえます。
「力不足」という言葉には、海外でのテニスシーンをリアリティをもって描くための取材力や表現力が及ばなかったという意味も含まれていると考えられます。プロの世界戦を描くハードルの高さに直面し、連載を続けることが難しくなった可能性があります。
ただし勝木光は同時に「私の一存で終わらせてしまって申し訳なくもあります」とも語っており、完全に編集部主導の打ち切りだったとは言い切れない状況です。
ベイビーステップは本当に打ち切りなのか?【真相を解説】
打ち切り説が根強い一方で、ベイビーステップの連載終了には「典型的な打ち切り」とは異なる側面もあります。真相を客観的なデータと作者の発言から検証します。
作者・勝木光が語った連載終了の経緯
勝木光はBookLiveのインタビューで、連載終了は「自らの判断で連載を終わらせた」と明言しています。編集部から一方的に打ち切りを通告されたわけではなく、作者自身が終了を決断したという経緯です。
その背景には、プロ編で海外の試合を描く難しさがありました。取材に基づいたリアルな描写がベイビーステップの持ち味でしたが、海外のプロテニスツアーの世界を同じ水準で描き続けることに限界を感じたと語っています。
つまり打ち切りの真相は、「編集部の一方的な判断」でも「作者が望んだ形での完結」でもなく、作者が描き続けることの困難さを認識した上で自ら終了を決断したという、両者の中間的な位置づけと考えられます。
10年47巻という連載実績と累計1,260万部の売上
ベイビーステップは2007年から2017年まで約10年間にわたって連載され、単行本は全47巻が刊行されました。打ち切り作品の多くが1〜2年、10巻前後で終了することを考えると、この連載期間と巻数は打ち切りとは大きく異なります。
累計発行部数は電子版を含めて1,260万部を突破(2021年11月時点)しています。単行本45巻の帯では累計1,000万部突破が告知されており、テニス漫画としては大きなヒットを記録した作品です。
これだけの実績を持つ作品が、いわゆる「人気がなくて打ち切られた」という単純な構図には当てはまらないことは明らかです。ただし、プロ編に入ってからの人気低下は事実とみられ、連載終了の判断に影響を与えた可能性はあります。
講談社漫画賞受賞とメディアミックス展開の実績
ベイビーステップは2014年に第38回講談社漫画賞・少年部門を受賞しています。講談社漫画賞は出版社が自社の優れた作品に贈る賞であり、受賞は作品の質が高く評価されていた証拠です。
メディアミックスも積極的に展開されました。NHK Eテレでテレビアニメが第1シリーズ(2014年4月〜9月)と第2シリーズ(2015年4月〜9月)の全2期にわたって放送されています。さらに実写ドラマ化もされており、講談社の主力作品として扱われていたことがわかります。
これらの実績は、作品が編集部から見切りをつけられたのではなく、一定の評価と人気を保っていたことを裏付けています。連載終了の背景には人気低下以外の複合的な要因があったと考えるのが妥当です。
ベイビーステップの最終回がひどいと言われる理由
ベイビーステップの最終回に対しては、長年応援してきたファンから「ひどい」「中途半端」という厳しい声が上がっています。その批判は主に2つの点に集中しています。
クリシュナ戦のタイブレーク中に物語が終了
最終回で描かれたのは、慶稜チャレンジャー決勝でのクリシュナとの対戦でした。ファイナルセットのタイブレークという手に汗握る展開の最中に、試合の勝敗が明かされることなく物語が幕を閉じています。
10年間にわたって主人公・エーちゃんの成長を見守ってきた読者にとって、最後の試合結果すら知ることができないという結末は大きな衝撃でした。スポーツ漫画において試合の決着がつかないまま終わる作品は非常に稀であり、「打ち切り以外に説明がつかない」と感じた読者が多かったのも無理はありません。
一方で、この終わり方を「エーちゃんのテニス人生はここで終わりではなく、まだ続いていく」という演出として肯定的に捉える読者もいます。ただし、そうした好意的な解釈は少数派にとどまっているのが現状です。
SNS上では「10年間追いかけてきたのに試合結果も分からないなんて」「せめて最後の試合だけは決着をつけてほしかった」という声が多く見られます。連載終了から数年が経った現在でも、最終回に対する不満の声は根強く残っています。
描かれなかったデビスカップと仲間たちの結末
ベイビーステップの物語の大きな目標の一つは、エーちゃんが日本代表としてデビスカップ(国別対抗戦)に出場することでした。作者・勝木光自身も「デ杯まで描きたかった」と語っていることから、当初の構想にはデビスカップ編が含まれていたとみられます。
最終巻では日本代表チームの描写があるものの、ライバルであったタクマの姿が見当たらないという不自然な点も指摘されています。高校時代からの最大のライバルであるタクマとの関係がどうなったのかが描かれなかったことは、ファンにとって大きな心残りとなっています。
また、ヒロイン・鷹崎奈津(なっちゃん)との恋愛関係や、池爽児をはじめとする仲間たちのその後も十分に描かれていません。物語として回収すべき要素が残されたまま終了したことが、「最終回がひどい」という評価につながっています。
ベイビーステップは「努力型の主人公がデータと分析で強敵に挑む」という独自の魅力を持った作品でした。だからこそ、その集大成となるはずだった最終回が不完全な形で終わったことへの落胆は大きく、「もっと先が読みたかった」という声は今なお絶えません。
ベイビーステップの作者・勝木光の現在
ベイビーステップの連載終了後、作者・勝木光がどのような活動をしているのかも気になるところです。結論として、勝木光は現在も漫画家として活動を続けています。
『本好きの下剋上 第四部』のコミカライズを連載中
勝木光は2020年から、ライトノベル原作の人気作品『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第四部 貴族院の図書館を救いたい!』のコミカライズを手がけています。TOブックスから刊行されており、既刊10巻(2025年4月時点)と順調に巻数を重ねています。
『本好きの下剋上』は香月美夜によるライトノベルで、「小説家になろう」発の大ヒット作品です。勝木光はそのコミカライズの第四部を担当しており、テニス漫画とはまったく異なるファンタジー作品に取り組んでいます。
なお、『本好きの下剋上』のテレビアニメ新シリーズが2026年春に放送予定となっており、作品全体の注目度は高まっています。
ベイビーステップ以降の活動
ベイビーステップ連載終了後の2018年には、週刊少年マガジンに将棋をテーマにした読み切り作品「スタートライン」を掲載しました。崖っぷちの棋士の戦いを描いた作品で、スポーツ漫画で培った「努力と成長」の描写力が生かされた内容でした。
その後、前述の『本好きの下剋上 第四部』のコミカライズで連載に復帰しています。ベイビーステップの続編やテニス漫画の新作に関する公式発表は現時点ではありませんが、勝木光は漫画家として精力的に活動を続けている状況です。
ベイビーステップのアニメは何巻・何話まで?続きは原作の何巻から?
ベイビーステップのテレビアニメは、NHK Eテレで第1シリーズ(2014年4月〜9月・全25話)と第2シリーズ(2015年4月〜9月・全25話)の計50話が放送されました。
アニメ第1シリーズは原作の1巻〜10巻あたりまでの内容をカバーしており、エーちゃんがテニスを始めてから全日本ジュニアに出場するまでが描かれています。第2シリーズは10巻〜20巻あたりまでの内容で、全日本ジュニアでの戦いが中心です。
アニメの続きを原作で読みたい場合は、21巻前後から読み始めるのがおすすめです。ただし、アニメではカットされたエピソードもあるため、1巻から通して読むとより深く作品を楽しめます。
ベイビーステップを読むなら電子書籍がお得
ベイビーステップは全47巻と長編作品のため、全巻そろえるにはまとまった費用がかかります。紙の単行本を新品で購入すると1冊あたり約500円前後で、全巻では2万円を超える計算になります。
電子書籍であれば、各ストアのキャンペーンやクーポンを活用することで大幅に安く読むことができます。まとめ買い割引や初回限定クーポンを提供しているストアも多いため、全47巻を一気に読みたい方には電子書籍がおすすめです。
アニメで興味を持った方は、まずアニメの続きにあたる21巻から購入するのも一つの手です。もちろん、エーちゃんの成長を最初から追いかけたい方は1巻からの全巻購入をおすすめします。

