ドリトライが打ち切りになった理由!全2巻で終了した経緯と作者の現在

『ドリトライ』は打ち切りによって連載終了した作品です。週刊少年ジャンプにて2023年23号から42号までの全19話・全2巻という短期連載で幕を閉じました。

新連載補正が切れた直後に掲載順が最下位へ急落したことが打ち切りの決定的な要因であり、戦後昭和という舞台設定が現代の読者層と噛み合わなかったことも影響しています。

この記事では、ドリトライが打ち切りになった具体的な理由、ファンの反応、そして作者・雲母坂盾の最新の活動状況まで詳しく解説します。

作品名 ドリトライ
作者 雲母坂盾(時代考証協力:成田龍一)
連載誌 / 放送局 週刊少年ジャンプ(集英社)
連載期間 2023年23号〜2023年42号(全19話)
巻数 全2巻
打ち切り判定 🔴 打ち切り確定

ドリトライが打ち切りになった理由

ドリトライは連載開始からわずか約5か月で終了しています。週刊少年ジャンプでは読者アンケートの結果が掲載順に直結し、人気が低迷すれば打ち切りとなるのが通例です。

ドリトライの場合、複数の要因が重なって早期の打ち切りに至りました。ここでは、その具体的な理由を解説します。

理由1:新連載補正終了直後に掲載順が最下位へ急落

週刊少年ジャンプでは、新連載はおよそ8話まで「新連載補正」と呼ばれる掲載順の優遇措置を受けます。この期間中は読者アンケートの結果に関わらず比較的前方に掲載されますが、9話目以降は実際のアンケート結果がダイレクトに反映されます。

ドリトライはこの補正が切れた9話目でいきなり掲載順最下位(ドベ)を記録しました。新連載が9話目でドベになるのは極めて異例で、2020年の『ZIPMAN!!』以来、約3年半ぶりの記録でした。

これは連載開始当初から読者アンケートの支持を得られていなかったことを意味します。補正期間中は順位が守られていたものの、実態としては連載初期の段階で読者の関心を引くことに失敗していたと考えられます。

9話目以降も掲載順は回復せず、下位に沈み続けました。ジャンプでは掲載順の低迷が続く作品は打ち切りの対象となるため、ドリトライの打ち切りは比較的早い段階で予想されていました。

理由2:戦後昭和という舞台設定が読者層と噛み合わなかった

ドリトライの舞台は終戦直後の昭和日本です。主人公の青空青翔は戦争孤児で、病気の姉を救うために賞金目当てで地下拳闘の世界に飛び込むという設定でした。重厚な時代背景と人間ドラマを描く意欲的な作品でしたが、週刊少年ジャンプの主要読者層である10代〜20代にとっては馴染みの薄い時代設定だったと言えます。

同時期のジャンプでは『呪術廻戦』『ONE PIECE』『僕のヒーローアカデミア』といった現代・ファンタジー系の作品が上位を占めていました。戦後の日本を舞台にした劇画調の作品は、これらの作品と並んだときに読者の目を引きにくい状況にありました。

歴史学者の成田龍一が時代考証に協力するなど、作品としてのリアリティは追求されていましたが、その硬派な作り込みがかえってジャンプ読者のカジュアルな読み方と合わなかった可能性があります。

理由3:王道ボクシング漫画からの逸脱

ドリトライは「戦後×ボクシング」を掲げた拳闘漫画でしたが、読者が期待した王道のボクシング描写とは異なる方向に進みました。『あしたのジョー』や『はじめの一歩』のようなリアルな試合展開を期待した読者にとって、作中に登場する「ウォーハンマー」などの奇抜な技や反則キャラクターの存在は違和感のあるものでした。

ボクシング漫画としてのリアリティと、少年漫画としてのケレン味のバランスが取りきれなかったという指摘がネット上では多く見られます。地下拳闘という設定上、正規のボクシングルールに縛られない展開は可能でしたが、読者が求めていたのは熱い試合展開であり、反則技や奇抜な能力バトルではなかったと考えられます。

加えて、週刊連載のペースの中で作画の質が安定しなかった点も指摘されています。第1話の劇画調で力強い作画は評価されていましたが、連載が進むにつれて線の粗さや作画の乱れが目立つようになりました。

ドリトライの打ち切りに対するファンの反応

ドリトライは連載中こそ苦戦しましたが、打ち切り後に思わぬ形で注目を集めることになりました。その独特なセリフ回しと展開が、ネット上で大きな話題を呼んだのです。

SNSでの評価と「ドリトライ構文」の誕生

連載終了後、ドリトライはカルト的な人気を獲得しました。特に第17話のクライマックスに登場した「でも、ただのリトライじゃねぇぞ。何度も心の強さで立ち上がり前に進む。ド級のリトライ、ドリトライだ!」というセリフは強烈なインパクトを残しました。

このセリフから派生した「ドリトライ構文」はネットミームとして広く定着し、SNSやまとめサイトで繰り返し引用されるようになりました。「超ド級の○○、ド○○だ!」というテンプレートに当てはめて遊ぶ用法が流行し、KAI-YOUなどのメディアでも取り上げられています。

2023年秋には『葬送のフリーレン』のアニメ放送開始でTwitter(現X)のトレンドがフリーレン関連で埋め尽くされる中、なぜかドリトライがトレンドに混じって話題になるという現象も起きました。打ち切り漫画でありながらこれほどのネット上の存在感を見せた作品は珍しく、ある種の「愛される打ち切り漫画」として記憶されています。

最終回の評価

ドリトライの最終回(第19話)は、それまでの戦後編から唐突に現代編へと飛ぶ展開でした。老年になった主人公・青空青翔の葬儀シーンから始まり、孫の大河がブラック企業を辞めて靴職人を目指すという物語が描かれます。

過去の試合映像で何度も立ち上がる若き日の祖父の姿に感化されるという流れ自体は、「心の強さ」というテーマの継承として筋は通っています。しかし、本編で描かれるべき青空の拳闘家としての物語がほとんど消化されないまま時間が飛んだため、読者からは「駆け足すぎる」「打ち切りの影響で本来描きたかった展開を全てカットせざるを得なかったのでは」という声が多く上がりました。

全19話・全2巻という分量では、戦後の拳闘大会を勝ち上がっていく物語を十分に描ききることは難しく、打ち切りによる構成の圧縮は明らかだったと言えるでしょう。

ドリトライの作者・雲母坂盾の現在

ドリトライの作者・雲母坂盾は、打ち切り後も漫画家として活動を続けています。ジャンプ系列での連載経験を複数持つ作家です。

新連載「ブヨトピア」が少年ジャンプ+でスタート

雲母坂盾は2026年3月13日から少年ジャンプ+にて新連載『ブヨトピア』を開始しています。ドリトライの戦後ボクシングとは打って変わり、「魔王を倒しきれず世界をブヨブヨで溢れさせてしまった元勇者が社会復帰を目指す」というファンタジーコメディ作品です。

毎週金曜更新で連載中であり、ドリトライとはジャンルも作風も大きく異なる挑戦となっています。硬派な劇画路線からコメディ路線への転換は、ドリトライでの経験を踏まえた方向性の変化とも受け取れます。

少年ジャンプ+は本誌と異なり読者アンケートによる打ち切りシステムではないため、より自由な連載環境で作品づくりに取り組めるという利点もあるでしょう。

雲母坂盾の過去の連載作品

雲母坂盾は週刊少年ジャンプで『ボーンコレクション』(2020年)も連載していましたが、こちらも短期で終了しています。ジャンプ本誌での連載は2作連続で短期終了となった形です。

また、少年ジャンプ+では読み切り作品『心が強ぇんだ』を発表しており、ボクシングを題材にした作品への思い入れがうかがえます。ドリトライはこの読み切りの延長線上にある作品だったと言えるでしょう。

ジャンプ本誌からジャンプ+へと活動の場を移した現在、新作『ブヨトピア』でどのような評価を得るのか注目されています。

ドリトライを読むなら電子書籍がお得

ドリトライは全2巻で完結しているため、まとめ読みしやすい作品です。1冊あたり約500円前後で、全巻購入しても約1,000円程度で読むことができます。

打ち切り漫画ではありますが、ネットミームとして話題になったセリフや独特の作風を実際に読んで確かめたいという方も多いでしょう。電子書籍であれば試し読みもできるため、気軽にチェックしてみてください。


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