ファンタスティックビーストが打ち切り?5部作が3作で止まった理由を解説

『ファンタスティック・ビースト』シリーズは、全5部作の予定だったにもかかわらず、2022年公開の第3作『ダンブルドアの秘密』を最後に新作の制作が止まっており、事実上の打ち切り状態にあります。興行収入の右肩下がり、ジョニー・デップの降板、J・K・ローリング氏の炎上など複数の要因が重なったことが原因です。この記事では、ファンタスティックビーストが打ち切りと言われている理由と、シリーズの今後について詳しく解説します。

作品名 ファンタスティック・ビーストシリーズ
原作・脚本 J・K・ローリング
制作 / 配給 ワーナー・ブラザース
公開期間 2016年〜2022年(3作公開/全5作予定)
巻数 全3作(当初は全5作の予定)
打ち切り判定 🟡 打ち切り疑惑あり

ファンタスティックビーストが打ち切りと言われている理由

ファンタスティックビーストの打ち切り説は、1つの原因ではなく複数の問題が同時に重なったことで広まりました。ここでは、シリーズが事実上ストップした主な理由を解説します。

理由1:興行収入が作品を重ねるごとに下がり続けた

打ち切り説が広まった最大の要因は、シリーズの興行収入が右肩下がりだったことです。第1作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(2016年)の世界興行収入は約8億1,400万ドルでしたが、第2作『黒い魔法使いの誕生』(2018年)では約6億5,400万ドルに減少しました。

さらに第3作『ダンブルドアの秘密』(2022年)では約4億500万ドルにまで落ち込み、ハリー・ポッターシリーズ全8作を含めた「魔法ワールド」映画の中で最低の数字を記録しています。

第3作の製作費は約2億ドルとされており、宣伝費を含めた総コストは推定3億ドル以上です。配給会社や劇場の取り分を差し引くと、ワーナー・ブラザースの実収入は2億ドル前後にとどまったとみられ、採算面で厳しい結果となりました。

1作目から3作目にかけて興行収入がほぼ半減するという推移は、スタジオにとって続編の制作にゴーサインを出しにくい状況を作ったと考えられます。

理由2:ジョニー・デップのグリンデルバルド役降板

シリーズに大きな影響を与えたのが、闇の魔法使いグリンデルバルド役を演じたジョニー・デップの降板です。2020年11月、デップはイギリスの大衆紙「ザ・サン」に対する名誉毀損訴訟で敗訴し、その直後にワーナー・ブラザースから降板を要請されました。

デップは第3作のうち1シーンしか撮影しておらず、後任としてデンマーク出身の俳優マッツ・ミケルセンが起用されました。ミケルセンの演技は評価されたものの、シリーズ途中で主要キャストが交代するという異例の事態は作品の一体感を損なう結果となりました。

グリンデルバルドはシリーズ全体の敵役として物語の中心にいるキャラクターです。その演者が途中で変わったことに対し、ファンからは戸惑いの声が多く上がりました。

なお、デップはその後2022年にアメリカで行われた元妻アンバー・ハードとの裁判で勝訴しており、ミケルセンも「デップが復帰する可能性はある」と発言しています。しかし、シリーズ自体が止まっているため、この問題が解消される見通しは立っていません。

理由3:J・K・ローリング氏のトランスジェンダー発言による炎上

ファンタスティックビーストシリーズの脚本を手がけるJ・K・ローリング氏は、2019年頃からトランスジェンダーに関する発言が繰り返し批判を受けています。特に2020年6月にSNSで発信した内容が大きな炎上を招き、ハリー・ポッターシリーズの主演俳優ダニエル・ラドクリフやエマ・ワトソンが距離を置くコメントを出す事態に発展しました。

ローリング氏はファンタビシリーズの脚本家であり、彼女を起用し続けること自体が作品のイメージリスクになるという指摘がメディアやファンの間で増えていきました。

映画のボイコット運動も一部で起こり、第3作『ダンブルドアの秘密』の興行収入低迷にもこの問題が影響したという分析があります。ワーナーにとって、ローリング氏が脚本に深く関わるファンタビシリーズを継続するリスクは無視できないものになったと考えられます。

理由4:エズラ・ミラーの度重なる逮捕

シリーズの重要キャラクター「クリーデンス・ベアボーン」を演じたエズラ・ミラーの問題行動も、打ち切り説に拍車をかけました。ミラーは2022年3月にハワイ州で治安びん乱とハラスメント容疑で逮捕され、その後も複数の事件を起こしています。

クリーデンスは第3作で重大な秘密が明かされたキャラクターであり、物語の核心に関わる存在です。仮に第4作が制作されるとしても、ミラーの続投は難しいとみられ、キャスト変更がさらに必要になる可能性がありました。

ジョニー・デップの降板に続いてミラーの問題が発生したことで、シリーズのキャスト面での安定性に深刻な疑問符がついたと言えます。

ファンタスティックビーストは本当に打ち切りなのか?

ファンタスティックビーストシリーズの現状を整理すると、ワーナー・ブラザースから公式に「シリーズ打ち切り」という発表は出ていません。しかし、関係者の発言からは事実上の終了を示唆する情報が複数出ています。

監督・俳優が続編の計画なしを明言

2022年12月、全3作で監督を務めたデヴィッド・イェーツは、インタビューで「『ファンタスティック・ビースト』シリーズは頓挫し、開発は続行されない」と明かしました。シリーズの監督自身がこのように発言していることは、事実上の打ち切り宣言に近いと言えます。

また、主演のエディ・レッドメイン(ニュート・スキャマンダー役)も同時期のインタビューで「誰からも続編の計画を聞いていない」と述べています。

2026年3月現在、第4作の脚本が執筆されているという報道もなく、制作に向けた具体的な動きは確認できていません。

ワーナーがHBOドラマ版ハリー・ポッターにシフト

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは、映画ファンタビの続編ではなく、HBO版ドラマ「ハリー・ポッター」の制作に舵を切りました。このドラマは原作小説1冊につき1シーズンを制作する計画で、2026年の放送開始が見込まれています。

脚本家フランチェスカ・ガーディナーがショーランナーを務め、ローリング氏も製作総指揮として深く関わっています。ワーナーにとっては、興行収入が低迷したファンタビよりも、世界的に知名度の高い「ハリー・ポッター」ブランドでリブートする方が収益性が高いと判断したとみられます。

このドラマ版の存在が、ファンタビの続編制作をさらに遠ざけている要因の一つです。

正式な打ち切り発表がない理由

ワーナーが公式に「打ち切り」と発表しない背景には、「魔法ワールド」ブランド全体への影響を考慮しているという見方があります。人気フランチャイズの打ち切りを明言すると、関連商品やテーマパークにもネガティブな影響が及ぶ可能性があるためです。

また、HBO版ドラマの成功次第では、将来的にファンタビの物語を何らかの形で完結させる選択肢を残しておきたいという思惑も考えられます。ただし、現時点では具体的な計画は一切公表されていません。

ファンタスティックビーストの打ち切りに対するファンの反応

ファンタビシリーズの事実上の打ち切りに対して、ファンの間ではさまざまな声が上がっています。

物語が未完であることへの不満

最も多いのは、全5部作として構想された物語が中途半端な状態で止まっていることへの不満です。第3作『ダンブルドアの秘密』はグリンデルバルドとの最終決戦を描ききっておらず、クリーデンスの物語も完結していません。

SNSでは「始めた以上は最後まで作ってほしい」「物語の途中で終わるのが一番つらい」という声が多く見られます。特にシリーズ当初から追いかけてきたファンにとって、結末を見届けられないことへの失望は大きいようです。

一方で、「第3作の時点で物語のまとまりが悪くなっていたので、ここで終わる方がいい」という冷静な意見もあります。

第3作の評価と批評

第3作『ダンブルドアの秘密』は、映画批評サイトRotten Tomatoesで236件のレビューのうち高評価が46%にとどまりました。一般の観客スコアは比較的高かったものの、批評家からは脚本の散漫さやキャラクターの扱いについて厳しい評価を受けています。

日本国内では公開10日間で興行収入21億円を突破し、最終的には約33億8,000万円を記録しました。前作と比較するとやや減少していますが、一定の観客を動員しています。

ただし、作品の評価が下がる中で興行収入も減少するという二重の問題が、スタジオに続編制作を躊躇させた要因と言えるでしょう。

J・K・ローリングの現在

ファンタビシリーズの原作・脚本を担当したJ・K・ローリング氏は、現在も精力的に活動を続けています。

HBO版ドラマ「ハリー・ポッター」の製作総指揮

ローリング氏の現在の主な活動は、HBO版ドラマ「ハリー・ポッター」の製作総指揮です。ショーランナーや脚本家の選定過程に「非常に深く関わっていた」とされ、脚本の仕上がりについても太鼓判を押しています。

2025年には主要キャストも発表され、ハリー・ポッター役にドミニク・マクラフリンが起用されるなど、制作は着実に進行しています。ローリング氏にとっても、ファンタビの続きよりもドラマ版ハリー・ポッターが優先事項になっていると考えられます。

ファンタスティックビーストの物語の完結について

ファンタビシリーズの残り2作分の物語がどうなるのかについて、ローリング氏からの公式なコメントは出ていません。ローリング氏は以前「5作分の物語の構想がある」と語っていましたが、映画以外の形(小説やドラマなど)で完結させる計画も現時点では発表されていません。

HBO版ドラマの成功次第で「魔法ワールド」の映像作品に対する市場の評価が変わる可能性はありますが、ファンタビの物語が完結する見通しは不透明な状況が続いています。

ファンタスティックビーストシリーズの見る順番

すでに公開されている3作を時系列順に整理します。物語はつながっているため、公開順に見るのがおすすめです。

順番 タイトル 公開年 舞台の年代
1 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 2016年 1926年
2 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 2018年 1927年
3 ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密 2022年 1930年代

なお、ファンタビシリーズは『ハリー・ポッター』シリーズの約70年前を描いたスピンオフ作品です。ハリー・ポッターシリーズ全8作を見てからファンタビを見ると、ダンブルドアやグリンデルバルドといったキャラクターの背景がより深く理解できます。


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