インザメガチャーチは打ち切り?朝井リョウの話題作が完結済みである根拠を解説

『イン・ザ・メガチャーチ』は打ち切りではなく、日本経済新聞夕刊での連載を経て予定通り完結した作品です。連載小説という掲載形態の馴染みの薄さや、読者の賛否が分かれたことが「打ち切り」という誤解を生みました。この記事では、打ち切りと言われた理由と、完結済みである根拠を詳しく解説します。

作品名 イン・ザ・メガチャーチ
作者 朝井リョウ
連載誌 日本経済新聞夕刊
連載期間 2023年4月〜2024年6月
巻数 全1巻(単行本:2025年9月5日発売、448ページ)
打ち切り判定 🟢 打ち切りではない(完結済み)

『イン・ザ・メガチャーチ』が打ち切りと言われた理由

ネット上で「インザメガチャーチ 打ち切り」と検索する人が一定数います。しかし、実際に打ち切られた事実はありません。なぜこのような噂が広まったのか、3つの理由を解説します。

理由1:日経新聞夕刊の連載小説という馴染みの薄い掲載形態

『イン・ザ・メガチャーチ』は日本経済新聞の夕刊で2023年4月から連載が開始されました。漫画誌やウェブ小説プラットフォームと違い、新聞の夕刊連載小説は読者が連載状況をリアルタイムで追いにくい媒体です。

特に本作の読者層として想定される20〜30代は日経新聞の購読率が低く、連載の進行状況を日々把握している人はごく少数だったでしょう。「いつの間にか連載が終わっていた」「連載の途中で見かけなくなった」という印象が、打ち切りという誤解につながった可能性があります。

新聞連載小説は毎日少しずつ掲載される形式のため、週刊・月刊の漫画連載のように「掲載順の低下」「急展開による打ち切りフラグ」といった指標が存在しません。連載が続いているのか、終わったのか、外部からは判断しにくいという構造的な問題があります。

実際には、朝井リョウ氏は2024年6月20日に自身のX(旧Twitter)で「本日、日本経済新聞夕刊にて連載していた小説『イン・ザ・メガチャーチ』が完結いたしました」と報告しています。連載は約1年2ヶ月にわたって続き、打ち切りではなく作者の構想通りに最後まで描かれた上での完結でした。

理由2:読者の評価が大きく分かれたこと

本作は「推し活」「ファンダム経済」「陰謀論」という現代社会の重いテーマを正面から扱っており、読者の評価が賛否両論に分かれました。物語は3人の語り手で構成されています。アイドルを売り出す運営側の男性、生きづらさから推し活にのめり込む女性、そして推しの死をきっかけに陰謀論へと傾倒していく女性です。

読書メーターでは2,400件以上の感想が寄せられていますが、「テンポが合わない」「感情移入しにくい」「読んでいて辛い」といった声も目立ちます。作品のテーマ上、読者自身の推し活体験や価値観と正面から衝突する場面が多く、不快感を覚える人もいたようです。

「つまらない」というキーワードで検索する人も一定数おり、実際に「インザメガチャーチ つまらない」という検索候補が表示されることもあります。こうしたネガティブな検索キーワードの存在が、打ち切り説をさらに後押しした面があるでしょう。

作品への否定的な評価が広まると、「評判が悪いから打ち切りになったのでは?」という憶測につながりやすいです。特にSNS上では作品を読んでいない人にもネガティブな印象だけが拡散されることがあり、打ち切り説が独り歩きした面があります。

ただし、評価が分かれること自体は挑戦的なテーマを扱った作品では珍しくありません。読者の好みと打ち切りの有無はまったく別の話であり、一部の否定的な感想が連載終了の理由になったわけではありません。

理由3:三浦春馬さんの事件との関連が物議を醸したこと

『イン・ザ・メガチャーチ』の第3部では、愛する「推し」を失った女性が喪失感を埋めるために陰謀論にのめり込んでいく過程が描かれています。この設定が、2020年に亡くなった俳優・三浦春馬さんの死後にSNS上で広がった陰謀論を想起させるとして、連載中から大きな物議を醸しました。

三浦春馬さんの死後、SNS上では死因に関するさまざまな憶測や陰謀論が飛び交い、一部のファンがそうした情報を信じて拡散するという現象が起きました。本作はこうした社会現象を作品のモチーフとして取り込んだと見られており、Yahoo!ニュースの専門家記事でも「三浦春馬さんの事件がモデルでは?」と取り上げられました。

一部の読者からは「実在の事件を題材にするのは不謹慎だ」という強い反発があり、こうした社会的な反応が「連載を続けられなくなったのでは?」という打ち切り説の根拠として広まりました。連載中にSNS上で批判が集中した時期もあり、打ち切りを望む声すら上がっていたほどです。

しかし、朝井リョウ氏は作品のテーマについてインタビューで「ラストシーンは最初から決めていた」と語っています。外部からの批判によって連載方針が変更された事実はなく、連載は当初の構想通りに最後まで描かれ、予定通り完結しました。

なお、朝井リョウ氏自身は特定の実在の人物をモデルにしたとは公言していません。作品が描いているのは「推し」を失った喪失感と、それを埋めるために強い物語(陰謀論)を求めてしまう人間の心理であり、特定の事件に限定された話ではないという見方もあります。

『イン・ザ・メガチャーチ』が打ち切りではない根拠

打ち切り説は事実に反しています。以下に、本作が予定通り完結した作品であることを示す客観的な根拠を整理します。

根拠1:作者本人が連載完結を公式に報告している

朝井リョウ氏は2024年6月20日、自身のX(旧Twitter)で「本日、日本経済新聞夕刊にて連載していた小説『イン・ザ・メガチャーチ』が完結いたしました。お付き合いいただいた読者の皆様、誠に有難うございました」と投稿しています。

同じ投稿の中で「挿絵は津上みゆきさんに担当いただきました」と挿絵担当者への謝辞を述べた上で、「これから全体の改稿作業に入ります。単行本化まで暫くお待ち下さい」と今後の予定も示しています。連載完結から単行本化までのプロセスが計画的に進められていたことがわかります。

打ち切りの場合、作者が自ら「完結しました」と感謝の言葉とともに報告し、改稿・単行本化の予定を告知することは通常ありません。この公式発表が、打ち切り説を否定する最も直接的な根拠です。

根拠2:発売2週間で10万部突破、累計20万部を超えるヒット

2025年9月5日に日経BP 日本経済新聞出版から単行本(448ページ、定価2,200円)が刊行されました。発売前の段階で重版が決定しており、出版社の期待の大きさがうかがえます。

Business Insider Japanの報道によると、発売からわずか2週間で10万部を突破しました。その後も売上を伸ばし、累計で20万部を超えています。2,200円の単行本小説としては異例のペースです。

打ち切り作品が発売前重版を獲得し、2週間で10万部を突破するという事態は考えにくいでしょう。出版社が大きな予算をかけてプロモーションを展開していたことも、本作が計画的に完結した作品である証拠です。

根拠3:複数の文学賞を受賞し、本屋大賞にもノミネート

『イン・ザ・メガチャーチ』は発売後、第9回未来屋小説大賞を受賞しました。未来屋小説大賞は全国の未来屋書店の書店員が選ぶ賞であり、現場で本を販売するプロの目に認められた作品です。

さらに、BSテレ東の番組で選出される第2回「あの本、読みました?大賞」も受賞しています。加えて2026年2月には本屋大賞にノミネートされたことが発表され、書店員からの幅広い支持を受けていることが確認できます。

文学賞の選考委員や書店員は、作品の完成度や読者に与える影響力を基準に選考しています。打ち切りで中途半端に終わった作品が受賞対象になることはありません。複数の賞を受賞している事実は、本作が完結した一つの完成品として高く評価されていることの証明です。

根拠4:作家生活15周年記念作品としての位置づけ

本作は朝井リョウ氏の作家生活15周年を記念する作品として企画されました。2009年の『桐島、部活やめるってよ』でのデビューから15年という節目に合わせた、作家にとっても出版社にとっても特別な一冊です。

日経BP公式サイトでは「作家生活15周年記念作品」として特設ページが設けられ、著者インタビューや書店向けのプロモーション施策が大々的に展開されました。発売前の段階で重版が決定していたことからも、出版社が本作に大きな期待をかけていたことは明らかです。

周年記念作品が打ち切りになるというのは、出版業界の常識からしてあり得ない話です。作家と出版社が長期的な計画のもとに準備し、連載完結から約1年3ヶ月の改稿期間を経て刊行された作品であることが、この事実からも裏づけられます。

朝井リョウの現在

『イン・ザ・メガチャーチ』の作者・朝井リョウ氏は、2026年現在も精力的に執筆活動を続けています。

朝井リョウのプロフィールと代表作

朝井リョウ氏は1989年生まれの小説家で、2009年に『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞しデビューしました。2013年には『何者』で第148回直木三十五賞を受賞しており、直木賞史上初の平成生まれの受賞者として話題になりました。

代表作には『桐島、部活やめるってよ』『何者』『正欲』『生殖記』などがあり、いずれも映像化や文学賞受賞を果たしています。2021年には『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞しており、現代日本を代表する中堅作家の一人です。

作風としては、現代社会の空気感やSNS時代の人間関係を鋭く描くことで知られています。『何者』では就職活動に翻弄される若者たちを、『正欲』では多様性の名のもとに見過ごされる人々を描き、いずれも社会的な議論を呼びました。『イン・ザ・メガチャーチ』も「推し活」や「陰謀論」という現代的なテーマを正面から扱った作品であり、朝井リョウ氏のキャリアの延長線上にある挑戦的な一作です。

2025〜2026年の活動状況

2025年には『イン・ザ・メガチャーチ』の刊行に加え、『あえのがたり』(2025年1月)、『「うらあり」30の短編小説』(2025年11月)など複数の作品を発表しています。年間で複数冊を刊行する旺盛な執筆ペースが続いています。

受賞面では、2025年に『生殖記』が「キノベス!2025」第1位に選出されたほか、第22回本屋大賞にもノミネートされました。さらに『イン・ザ・メガチャーチ』で第9回未来屋小説大賞を受賞するなど、受賞ラッシュが続いています。

2026年に入ってからは、『イン・ザ・メガチャーチ』が2026年本屋大賞にノミネートされたことが2月に発表されました。日経BPのプレスリリースでも大きく告知されており、出版社を挙げてのプロモーションが継続しています。

テレビ・ラジオなどのメディア出演も多数予定されており、作家としての活動は極めて活発です。年間で複数の作品を発表し、文学賞を複数受賞するという充実したキャリアを歩んでおり、打ち切りとは無縁の作家であることは明白です。

『イン・ザ・メガチャーチ』を読むなら電子書籍がお得

『イン・ザ・メガチャーチ』は全1巻・448ページの長編小説で、単行本の定価は2,200円(税込)です。電子書籍版も各ストアで配信されており、紙の書籍と同価格で購入できます。

448ページと読み応えのあるボリュームですが、3人の語り手の視点が交互に展開する構成のため、場面転換が多くテンポよく読み進められます。電子書籍であればスマートフォンやタブレットで場所を選ばず読めるため、通勤・通学中の読書にも適しています。

タイトルの「メガチャーチ」とは、アメリカで数千〜数万人の信者を集める巨大教会のことです。推し活ビジネスの構造をメガチャーチになぞらえた本作は、現代の「信じること」の意味を問う社会派エンターテインメントとして、多くの読者に衝撃を与えています。

本屋大賞ノミネート作品ということもあり、各電子書籍ストアでキャンペーンやクーポン配布の対象になる可能性もあります。購入を検討している方は、各ストアの最新情報をチェックしてみてください。


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