インビンシブルは打ち切り!ラグビー漫画が全5巻で終了した理由を解説

『インビンシブル』は打ち切りによって連載が終了した作品です。作者の瀬下猛先生自身がインタビューで打ち切りを認めており、全5巻という短い巻数で物語は幕を閉じました。

ラグビーという題材の難しさや読者人気の伸び悩みが主な原因とされており、伏線がほぼ未回収のまま終了したことでファンの間でも惜しむ声が多く上がりました。

この記事では、インビンシブルが打ち切りになった具体的な理由、ファンの反応、そして作者・瀬下猛先生の現在の活動について詳しく解説します。

作品名 インビンシブル
作者 瀬下猛
連載誌 / 放送局 モーニング(講談社)
連載期間 2021年10号〜2022年20号
巻数 全5巻
打ち切り判定 🔴 打ち切り確定

インビンシブルが打ち切りになった理由

モーニングで連載されていたラグビー漫画『インビンシブル』は、2021年10号から2022年20号までの約1年半という短い連載期間で終了しました。打ち切りに至った背景には、複数の要因が重なっています。

理由1:ラグビーという題材の読者獲得の難しさ

インビンシブルが打ち切りになった最大の要因として、ラグビーという題材そのものの集客力の弱さが挙げられます。日本では2019年のラグビーワールドカップ日本大会で「ONE TEAM」が流行語大賞に選ばれるほどのブームが起きましたが、漫画の題材としてはサッカーや野球と比べて圧倒的に作品数が少なく、固定読者層が薄い状況です。

モーニングは『GIANT KILLING』(サッカー)のようなスポーツ漫画で実績を持つ雑誌です。しかしサッカーや野球と違い、ラグビーはルールの複雑さや競技人口の少なさから、漫画読者の大多数にとってなじみの薄いスポーツです。作品の質とは別に、そもそも手に取ってもらうまでのハードルが高かったと言えます。

実際にインビンシブルは、現役のラグビー選手やコーチ、解説者からも高く評価されていました。試合のセットプレーやブレイクダウンの描写は本格的で、ラグビー経験者が読んでも違和感のないリアリティがありました。しかし、コアなラグビーファンには刺さっても、一般読者の支持を広く集めるには至らなかったというのが現実です。

瀬下猛先生のラグビーに対する造詣は非常に深く、2019年ワールドカップの熱気が残る中で企画が立ち上がり、2021年に連載開始となりました。しかし連載が始まった2021年にはすでにラグビーブームは落ち着いており、タイミングの面でも逆風だったと考えられます。

ラグビー漫画はこれまでも長期連載に至った作品が極めて少なく、題材の壁を越えることの難しさはインビンシブルに限った話ではありません。過去にもラグビーを題材にした漫画は存在しましたが、10巻以上続いた作品はごくわずかで、スポーツ漫画の中でも特にハードルの高いジャンルとなっています。

理由2:作者自身が打ち切りを認めたインタビュー

インビンシブルの打ち切りは、推測や噂ではなく作者本人が公の場で認めている事実です。2022年6月22日の最終第5巻発売に合わせて、スポーツジャーナリストの多羅正崇氏がYahoo!ニュースで瀬下猛先生にインタビューを行っています。

このインタビューの中で、瀬下先生は「打ち切りが決まった時に、担当編集の方も『悔しい』と思ってくれていた」と明かしました。作者と編集者の双方が連載終了を惜しんでおり、編集部の判断であっても現場レベルでは無念だったことがわかります。

さらに注目すべきは、最終話の最終コマに書かれた「第1部完」の3文字についてです。瀬下先生は「これまで読んでくれていた人に、諦めたと思って欲しくなかった。意地で書かせてもらいました」とその意図を語っています。通常であれば打ち切り作品に「第1部完」と入れることは珍しく、作者のファンへの強い思いが込められた一言でした。

また、インタビューでは「またラグビーを描きたいか」という質問に対して、瀬下先生は強い肯定の意志を示しました。担当編集も「すぐに第2部の再開とはいかないが、長いスパンで見れば十分にあり得る」と述べており、作品への愛着が感じられます。

つまり「第1部完」は物語が自然に一区切りを迎えたという意味ではなく、打ち切りという現実の中で作者がファンに向けて示した意地と希望の表現だったのです。

理由3:伏線未回収のまま全5巻で終了

インビンシブルは全5巻という巻数からも打ち切りであることが明らかです。モーニング連載のスポーツ漫画は長期連載になることが多く、全5巻というのは物語が十分に展開される前に終了したことを示しています。

作品では、かつて「インビンシブル=絶対無敵」と呼ばれた北九州の小倉ホワイツが、6連覇の栄光から放蕩経営と主力流出によってリーグ最下位に転落するところから始まります。GM・中岡が集めた「安くてヤバい選手たち」で再建を目指すという、いわば「弱小チームの下克上」を描く壮大なストーリーでした。

主人公格の原田スコット春介は、日本人とフランス人のハーフで、ニュージーランド留学から帰国したルーキーです。彼を中心にチームの再起が本格的に動き出したところで、物語は終わりを迎えました。張られた伏線のほとんどが回収されないまま連載は終了し、「これから面白くなるところだったのに」という声が多く上がりました。

最終話はセリフが一切ないという大胆な構成で、主人公チームが接戦の末に勝利する場面が描かれました。1試合の決着こそ描かれたものの、チームの長期的な再建の行方や、選手個人が抱えるドラマの決着は未完のままです。

物語の規模に対して全5巻は明らかに短く、構想していたストーリーの序盤〜中盤で終わってしまったことは、作者のインタビューからも読み取れます。チームの再建という大きなテーマを掲げながら、そのゴールにたどり着く前に連載が終了したことが、ファンの「打ち切り感」をいっそう強めました。

こうした伏線未回収の終わり方は、打ち切り漫画に共通する特徴です。ただしインビンシブルの場合、最終話でひとつの試合を描き切ったことで、最低限の区切りは付けられています。「第1部完」の表記とあわせて、作者なりのけじめを感じ取った読者も少なくありませんでした。

インビンシブルの打ち切りに対するファンの反応

インビンシブルは打ち切りとなったものの、読んでいたファンからは作品の質そのものを高く評価する声が目立ちます。打ち切りを惜しむ反応と、題材を考えればやむを得ないという冷静な見方が共存しています。

SNSでの評価

SNS上では「面白かったのに打ち切りは残念」「ラグビー漫画としてのクオリティは間違いなく高かった」という声が多く見られました。特にラグビー経験者や観戦ファンからの評価は高く、プレー描写のリアルさやチームスポーツならではの人間模様が支持されていました。

読者レビューでは「強豪のプライドと弱小の現実の狭間でゆれる人間模様がおもしろい」「ラグビー版のジャイアントキリング」といった感想が寄せられています。弱小チームが這い上がるという王道のスポーツ漫画の構造を持ちながら、ラグビー特有のチームワークや戦術面の描写が魅力だったことがわかります。

一方で「ラグビーのルールがわからないと入りにくい」「ポジションの役割が多くて把握しづらい」という声もあり、15人制ラグビーの複雑さが新規読者にとってのハードルになっていたことも窺えます。野球やサッカーに比べるとルール説明のコストが高い題材であることは否めません。

それでも「読み始めたらルールを知らなくても熱くなれた」という読者もおり、ラグビーに詳しくない層にもリーチできるポテンシャルはあったことがわかります。題材の壁さえなければ、もっと多くの読者に届いた作品だったかもしれません。

最終回の評価

最終回はセリフが一切なく、試合の決着を絵だけで描くという独特の構成でした。この演出について「言葉がなくても熱量が伝わる」「漫画でしかできない表現」とプラスに評価する読者がいた一方、「唐突に終わった感が否めない」「もっと先が見たかった」という意見もありました。

最終コマの「第1部完」という文字には、多くのファンが作者の悔しさと続編への希望を感じ取っていました。連載終了後も「第2部を待っている」「いつかの再開を信じている」という声がSNS上で見られました。

ただし、2022年の連載終了から2026年3月現在に至るまで約4年が経過していますが、「第2部」の発表はなく、事実上の打ち切り完結として受け止められています。インタビューで瀬下先生と担当編集の双方が再開の可能性に言及していたこともあり、ゼロとは言い切れませんが、現時点で具体的な動きは確認できていません。

なお、北九州市漫画ミュージアムが連載開始時にインビンシブルを紹介していたように、地元・北九州市とのつながりも深い作品でした。北九州を舞台にしたラグビー漫画という唯一無二の存在だっただけに、打ち切りを惜しむ声は地元ファンからも上がっています。

インビンシブルの作者・瀬下猛の現在

インビンシブルの連載終了後も、作者の瀬下猛先生は漫画家として精力的に活動を続けています。現在はラグビーとは異なるジャンルの作品で注目を集めています。

『平和の国の島崎へ』をモーニングで連載中

瀬下猛先生は現在、『平和の国の島崎へ』をモーニング(講談社)で連載中です。原作は濱田轟天氏が担当し、瀬下先生が作画を手がける共作体制の作品です。

同作は、幼少期に国際テロ組織「LEL」に拉致され、30年間にわたって戦闘工作員として育てられた男・島崎真悟が、組織から脱出して日本に帰還し、平和な生活を取り戻そうとするアクション・ヒューマンドラマです。2026年3月時点で既刊11巻、113話以上が配信されています。

インビンシブルのスポーツ漫画とはジャンルが大きく異なりますが、瀬下先生の持ち味である迫力のあるアクション描写や緻密な人物表現が存分に活かされています。講談社の「春のマンガまつり2026」の対象作品にも選ばれるなど、注目度の高い連載となっています。

瀬下猛の経歴とラグビーへの思い

瀬下猛先生はインビンシブルの前にも『ショート黒松』などの作品を手がけており、漫画家としてのキャリアは豊富です。北九州市を舞台にした作品を描くことが多く、インビンシブルも北九州市の小倉を舞台としていました。

ラグビーに対する情熱は作品の随所に表れており、試合描写のリアリティは現役選手やコーチからも「本物のラグビーが描かれている」と評価されていました。2019年のラグビーワールドカップ日本大会の盛り上がりをきっかけに企画が動き出し、2021年にインビンシブルの連載が実現しました。

最終巻のインタビューでは「またラグビーを描きたい」と明言しており、ラグビー漫画への思いは変わっていないことがわかります。ただし現在は『平和の国の島崎へ』の連載に専念しており、ラグビーの新作について具体的な発表は出ていません。インビンシブルのファンとしては、『平和の国の島崎へ』の連載が完結した後に再びラグビー漫画が描かれることを期待したいところです。

インビンシブルを読むなら電子書籍がお得

インビンシブルは全5巻で完結しているため、電子書籍であれば全巻まとめて一気に読むことができます。1巻あたり700円前後の価格設定で、全5巻でも約3,500円程度で全話を楽しめます。

紙の単行本はすでに新品の在庫が限られている場合もあるため、確実に入手したい方には電子書籍がおすすめです。コミックDAYSでは第1話の無料公開も行われているので、まずは試し読みから始めてみるのもよいでしょう。

打ち切りのため物語が完結していない点は事実ですが、ラグビーの試合描写の迫力や個性豊かなキャラクターたちのドラマは、全5巻の中でも十分に楽しめる内容です。ラグビーファンはもちろん、スポーツ漫画が好きな方にとっても読む価値のある作品と言えます。

特に、かつての常勝軍団が最下位から這い上がるという設定は王道のスポーツ漫画の面白さがあり、ラグビーのルールを知らなくてもチームの成長を楽しめる構成になっています。全5巻と手軽に読める巻数なので、気になった方はぜひ手に取ってみてください。


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