ジョジョ実写映画が打ち切りになった理由!続編「第二章」が中止された3つの原因

2017年公開の実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は、続編である「第二章」が製作されず、事実上の打ち切りとなりました。「第一章」と銘打ちながらシリーズが1作で終了した最大の原因は、興行収入が約9.2億円にとどまり採算ラインに届かなかったことです。この記事では、ジョジョ実写映画が打ち切りになった理由、ファンの反応、原作者・荒木飛呂彦の現在の活動まで詳しく解説します。

作品名 ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章
原作 荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』Part4「ダイヤモンドは砕けない」
監督 三池崇史
主演 山崎賢人(東方仗助 役)
公開日 2017年8月4日
配給 東宝 / ワーナー・ブラザース映画
興行収入 約9.2億円
打ち切り判定 🔴 打ち切り確定(続編「第二章」は製作中止)

ジョジョ実写映画が打ち切りになった理由

実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は、タイトルに「第一章」と付けられていたことからもわかるように、当初から続編を見据えたシリーズ企画として制作されました。原作Part4「ダイヤモンドは砕けない」のストーリーを複数の映画で描く構想だったとされています。

しかし2017年8月の公開から8年以上が経過した現在も、第二章の製作発表はありません。続編が打ち切りとなった背景には、興行面・評価面の双方に複数の原因がありました。

理由1:興行収入が採算ラインに大きく届かなかった

打ち切りの最大かつ決定的な原因は、興行収入の不振です。本作の最終興行収入は約9.2億円にとどまりました。邦画の実写大作として一般的にヒットの目安とされる10億円のラインすら下回る結果です。

公開初週末(2017年8月5日・6日)の時点で苦戦は明らかでした。週末2日間の動員数は約11万7,000人、興行収入は約1億6,600万円にとどまり、週末ランキングでは5位という低い順位でのスタートとなっています。同じ週末に上映されていた『トランスフォーマー/最後の騎士王』や『君の膵臓をたべたい』にも及ばず、人気漫画の実写化としては期待を大きく裏切る出足でした。

映画業界では、製作委員会が利益を出すには興行収入が製作費の2〜3倍に達する必要があるとされています。本作はスペインのシッチェスでの海外ロケ、スタンドバトルのCG制作、山崎賢人をはじめとする豪華キャストの起用など、相応の製作費がかかっていたと推測されます。

9.2億円という結果では、製作委員会が続編にゴーサインを出せる状況ではなかったのは明らかです。仮に製作費が5億円だったとしても、10億円以上は必要だった計算になり、「第一章」の数字では回収すら困難だった可能性があります。

理由2:原作ファンからの強い拒否反応とキャスティング論争

興行不振の背景には、公開の約1年前から始まっていた原作ファンの拒否反応がありました。2016年9月にキャスト情報が発表された時点で、SNS上では「ジョジョを実写化するべきではない」「キャストがイメージと違う」という批判が一気に広がっています。

特に問題となったのが、原作キャラクターの再現度です。荒木飛呂彦の描くキャラクターは彫りが深く、西洋的な体格と独特のポージングが特徴です。このデザインを日本人俳優が演じることへの違和感は根強く、ビジュアルが解禁されるたびに「コスプレにしか見えない」「仗助のリーゼントが不自然」という指摘がSNS上で繰り返されました。

さらに主演の山崎賢人は、同時期に『斉木楠雄のΨ難』『鋼の錬金術師』など漫画原作の実写映画に立て続けに出演していました。これらの作品も軒並み厳しい評価を受けたことで、「原作クラッシャー」というレッテルが山崎賢人に対して定着してしまい、本作への先入観にも直結しています。

結果として、本来ターゲットであるはずの原作ファン層が「観に行かない」という選択をする事態が起き、これが初週の低調な動員につながりました。ただし山崎賢人の演技自体については「意外と悪くなかった」という声もあり、公開前のイメージだけで避けたファンが多かったという構造的な問題だったと言えるでしょう。

理由3:2010年代後半の漫画実写化への強い逆風

本作が公開された2017年は、漫画の実写映画化に対する観客の不信感がピークに達していた時期でした。その発端となったのが、2015年に公開された実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』です。前後編あわせて興行収入は約48億円を記録したものの、原作からの大幅な改変が批判され、「漫画の実写化はろくなことにならない」という認識が一般層にまで広がりました。

同時期には『テラフォーマーズ』(2016年)、『鋼の錬金術師』(2017年)、『銀魂』(2017年)など、漫画を原作とする実写映画が次々と公開されていました。中にはヒットした作品もありましたが、バトル要素が強い作品ほど評価は厳しくなる傾向がありました。こうした「バトル漫画の実写化=ハズレ」というイメージが蓄積されていた中での公開は、ジョジョにとって極めて不利な状況だったと言えます。

『ジョジョ』のスタンドバトルはCGで再現する必要があり、技術面でのハードルも高い作品です。実際の映像ではクレイジー・ダイヤモンドやバッド・カンパニーのスタンド描写に一定の評価はあったものの、「実写で描くにはまだ早い」という先入観を覆すほどのインパクトには至りませんでした。

漫画実写化全体への不信感が、作品単体の出来とは関係なく客足を遠ざけた側面は否定できません。ジョジョ固有の問題だけでなく、当時の邦画業界全体のトレンドが本作の打ち切りに影響を与えたと考えられます。

ジョジョ実写映画の打ち切りに対するファンの反応

本作の打ち切りに対しては、公開当時と近年とで反応に大きな変化が見られます。当初は「やはり実写化は無理だった」という否定論が優勢でしたが、年月を経て再評価する声も出てきています。

公開当時のSNSでの評価

2017年の公開当時、SNS上では否定的な意見が目立ちました。「やっぱり実写化すべきではなかった」「コスプレ映画だった」といった感想が多く、特にキャラクターのビジュアル面への批判が集中しています。「第一章」という中途半端なタイトルに対しても「続編が作られないのに第一章とは何だったのか」という皮肉が見られました。

一方で、実際に劇場で観た層からは異なる声も上がっています。「思ったより良かった」「スタンドバトルの映像は見ごたえがある」「スペインの街並みが杜王町の雰囲気に合っている」という肯定的な感想も一定数ありました。しかしこうした声は、公開前からの大規模なネガティブキャンペーンの中で埋もれてしまった感があります。

映画レビューサイトFilmarksでは多数のレビューが投稿されています。「三池崇史監督の映像センスがジョジョの世界に合っている」「背景の非現実感がすごい」という肯定意見がある一方、「第一章で中途半端に終わるストーリー構成」「原作の長大な物語を映画に収めるのは無理がある」という構造的な問題を指摘する声も多く見られました。

近年の再評価の動き

興味深いことに、公開から数年が経過した2023年以降、本作に対して「言うほど悪くなかった」と再評価する声が増えてきています。動画配信サービスで初めて視聴したファンを中心に、「劇場では見なかったが配信で見たら意外と楽しめた」という反応が目立つようになりました。

再評価のポイントとして特に挙げられるのが、ロケーションの選定です。スペイン・シッチェスの街並みが日本でもヨーロッパでもない独特の空気感を生み出しており、原作の杜王町が持つ「どこか現実離れした日常」の雰囲気に合っているという指摘です。

また、山崎賢人の仗助や山田孝之の虹村形兆、神木隆之介の広瀬康一、岡田将生の岸辺露伴といったキャスティングについても、「当時は叩かれたが今見ると悪くない」という評価が出ています。ただし再評価が進んだとはいえ、続編製作を求める大きなムーブメントには発展しておらず、「第二章」が今後製作される見込みはほぼないというのが現状です。

原作者・荒木飛呂彦の現在

実写映画は1作で打ち切りとなりましたが、原作者の荒木飛呂彦は2026年現在も第一線で活動を続けています。ジョジョというコンテンツ自体は多方面で展開が拡大しています。

荒木飛呂彦の連載中の作品

荒木飛呂彦は「ウルトラジャンプ」(集英社)にて、『ジョジョの奇妙な冒険』第9部にあたる『The JOJOLands』を連載中です。2023年2月に連載を開始し、2026年3月時点でも連載が続いています。第9部はハワイを舞台にした新たなジョジョの物語として、ファンから高い注目を集めています。

また、2026年3月には『JOJO magazine 2026 SPRING』が発売されました。1987年の「週刊少年ジャンプ」での連載開始から約39年が経過してもなお、新作を発表し続けています。

荒木飛呂彦は1960年6月7日生まれで、2026年時点で65歳です。長期にわたって連載を継続しており、ジョジョシリーズの累計発行部数は1億2,000万部を超える(2023年時点)大ヒット作品です。

岸辺露伴シリーズ:ジョジョ実写化の成功例

実写映画『ダイヤモンドは砕けない 第一章』が打ち切りとなった一方で、同じ第4部のキャラクターである岸辺露伴を主人公とした実写作品は大きな成功を収めています。

高橋一生主演のNHKドラマ『岸辺露伴は動かない』は2020年から2022年にかけて3シーズンが制作され、好評を得ました。2023年5月には映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が公開され、興行収入は約8億円を記録しています。

さらに2026年春には映画『泉京香は黙らない』の公開が予定されています。岸辺露伴シリーズは、スタンドバトルを前面に出さず人間ドラマとして描くアプローチが実写との相性が良く、ジョジョの実写展開の新たな柱として定着しました。本編の実写化は1作で終わりましたが、スピンオフという形でジョジョの実写は続いています。

アニメシリーズの好調な展開

実写映画の打ち切りとは対照的に、アニメ版『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは一貫して高い評価を得ながら展開を続けています。david production制作によるTVアニメは2012年の第1部・第2部から始まり、第3部「スターダストクルセイダース」、第4部「ダイヤモンドは砕けない」、第5部「黄金の風」、第6部「ストーンオーシャン」と順次アニメ化されてきました。

2026年3月19日からはNetflixにてアニメ『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』(第7部)の配信がスタートしています。第7部はファンの間で最も人気が高いパートの一つであり、配信開始は大きな話題を呼びました。

実写映画は打ち切りになりましたが、ジョジョというコンテンツ自体は漫画・アニメ・実写スピンオフ・展覧会と多方面で展開が続いており、作品の人気が衰えたわけではまったくありません。実写映画の打ち切りは、ジョジョの人気の問題ではなく、当時の実写化を取り巻く環境と興行面の事情によるものだったと言えるでしょう。

監督・三池崇史の現在

本作のメガホンを取った三池崇史監督は、映画界で最も多作な監督の一人として知られています。ジョジョ実写映画の打ち切り後も、精力的に作品を発表し続けています。

2025年には映画『極道恐怖大劇場 牛頭』(1月公開)や『BLUE FIGHT ~蒼き若者たちのブレイキングダウン~』(6月公開)を手がけ、テレビ朝日『仮面の忍者 赤影』では総監督・監督を務めました。2026年にも映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』(3月公開)、NHKドラマ『富士山大噴火』の演出など、複数のプロジェクトが進行中です。

三池監督はジョジョの実写化に際して、スペインロケによる異国感のある映像作りやスタンドバトルのCG表現など、独自のアプローチで挑戦しました。結果的に続編は実現しませんでしたが、監督のキャリアにおいてはあくまで100本以上の作品の中の1本であり、現在も変わらないペースで新作を送り出しています。

さらに2026年には小栗旬とリリー・ジェームズ主演の『バッド・ルーテナント:トウキョウ』や、映画『殺し屋1』(5月公開予定)も控えており、国内外で活躍の幅を広げています。


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