『仮面ライダーアマゾン』は打ち切りではなく、放送開始前から全24話と決まっていた作品です。仮面ライダーシリーズで最も話数が少ないことから打ち切りと誤解されがちですが、短期終了の原因は1975年のテレビ局ネットチェンジ(腸捻転解消)という放送業界の事情でした。この記事では、全24話で終了した本当の理由と、打ち切りではない根拠を詳しく解説します。
| 作品名 | 仮面ライダーアマゾン |
|---|---|
| 原作 | 石ノ森章太郎 |
| 放送局 | NET(現テレビ朝日)系列 / 制作:毎日放送・東映 |
| 放送期間 | 1974年10月19日〜1975年3月29日 |
| 話数 | 全24話 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
仮面ライダーアマゾンが打ち切りと言われた理由
仮面ライダーシリーズ第4作にあたる『仮面ライダーアマゾン』は、前作『仮面ライダーX』の全35話と比べても大幅に短い全24話で終了しています。初代『仮面ライダー』が全98話、『仮面ライダーV3』が全52話であったことを考えると、その話数の少なさは際立っています。
この極端に短い放送期間が「打ち切りだったのでは?」という誤解を生んだ最大の原因です。ここでは、打ち切り説が広まった具体的な理由を解説します。
理由1:シリーズ最短の全24話という話数
『仮面ライダーアマゾン』は昭和仮面ライダーシリーズの中で最も話数が少ない作品です。1971年に始まった初代『仮面ライダー』は全98話、1973年の『仮面ライダーV3』は全52話と、いずれも1年以上の長期放送でした。
それに対して『仮面ライダーアマゾン』はわずか半年、2クールのみの放送です。他のシリーズ作品の半分以下という話数は、当時のテレビ番組の事情を知らない視聴者にとって「途中で終わらされた」と映っても無理はありません。
特に再放送やビデオソフトで後から作品を知ったファンにとっては、放送終了の経緯を知る機会がなく、話数の少なさだけが目に入るため、打ち切りという印象がより強まりました。
しかし実際には、第1話放映日の新聞記事で「全二十四話」と告知されており、この話数は企画段階から決定されていたものです。
理由2:野性的・グロテスクな作風への誤解
『仮面ライダーアマゾン』は、シリーズの中でも異色の作風で知られています。主人公のアマゾンは南米アマゾンの奥地で獣に育てられた野生児であり、言葉もろくに話せないという設定でした。
戦闘スタイルも従来のライダーとは大きく異なり、「噛みつき」「引っかき」といった野性的な攻撃が特徴です。敵の怪人から体液が飛び散る描写もあり、子ども向け番組としては刺激が強いと受け取られる場面もありました。
このような従来の仮面ライダーとは異質な作風から、「子どもに受けなかったから打ち切られた」「PTAからクレームが来て終了した」といった憶測が広まりました。しかし、こうした噂を裏付ける公式な記録は確認されていません。
むしろ当時の視聴率は好調だったとされており、作風が原因で打ち切られたという説には客観的な根拠がありません。
理由3:後番組が仮面ライダーシリーズではなかった
『仮面ライダーアマゾン』の放送終了後、同じNET系列の同枠で始まったのは『秘密戦隊ゴレンジャー』でした。仮面ライダーシリーズではなく、まったく別の新シリーズが後番組になったことも、打ち切り説に拍車をかけました。
通常、人気シリーズであれば同じ枠で次作が始まるのが自然です。ところが『仮面ライダーアマゾン』の後に始まったのはスーパー戦隊シリーズの第1作であり、「ライダーが打ち切られて別番組に差し替えられた」と解釈されやすい状況でした。
実際には、仮面ライダーシリーズは放送局を変えて『仮面ライダーストロンガー』として1975年4月から毎日放送・TBS系列で継続しています。シリーズ自体が終了したわけではなく、放送ネットワークの再編によって枠と局が変わっただけでした。
仮面ライダーアマゾンが打ち切りではない根拠
『仮面ライダーアマゾン』が打ち切りではなく、計画通りの終了であったことには明確な根拠があります。ここでは3つの観点から解説します。
1975年のネットチェンジ(腸捻転解消)が最大の理由
『仮面ライダーアマゾン』が全24話で終了した最大の理由は、1975年3月末に実施されたテレビ局のネットチェンジ(通称「腸捻転解消」)です。これはテレビ放送史における大規模な放送局再編でした。
当時、制作局の毎日放送はNET(現テレビ朝日)系列に属していましたが、1975年4月からTBS系列に移行することが決定していました。この「腸捻転」と呼ばれたいびつなネットワーク関係を解消するため、関東と関西のテレビ局の系列が大幅に組み替えられたのです。
仮面ライダーシリーズは毎日放送の制作番組であったため、ネットチェンジ後はTBS系列で放送を続けることになります。そのため、NET系列での放送は1975年3月末で終了する必要があり、1974年10月から翌年3月末までの半年間=全24話という放送計画が最初から組まれていました。
放送開始時点で全24話と公式に告知されていた
打ち切りではない決定的な証拠として、第1話の放映日に掲載された新聞記事があります。この記事では『仮面ライダーアマゾン』が「全二十四話」の番組として紹介されていました。
通常、打ち切りの場合は放送途中で話数が短縮されるため、放送開始前から最終話数が告知されることはありません。企画段階から24話と決まっていたという事実は、この作品が打ち切りではなく予定通りの終了であったことを裏付けています。
番組の制作スケジュールも全24話を前提に組まれており、最終回(第24話「やったぞアマゾン!ゼロ大帝の最後!!」)では物語が完結する構成になっています。
視聴率は好調だった
『仮面ライダーアマゾン』の視聴率は放送当時、好調だったとされています。低視聴率が原因で終了したという事実は確認されていません。
仮面ライダーシリーズは1971年の初代から高い人気を維持しており、1974年の『仮面ライダーアマゾン』も例外ではありませんでした。野性的な作風は従来のファンから賛否があったものの、番組として視聴率面での問題はなかったとされています。
もし本当に不人気で打ち切られていたのであれば、ネットチェンジ後に新たな仮面ライダーシリーズ(『仮面ライダーストロンガー』)が制作されることはなかったでしょう。シリーズが途切れなかったこと自体が、アマゾンの打ち切り説を否定する材料といえます。
仮面ライダーアマゾンの原作者・石ノ森章太郎について
仮面ライダーシリーズの原作者である石ノ森章太郎は、1938年1月25日に宮城県で生まれた漫画家です。1998年1月28日に心不全のため60歳で死去しています。
石ノ森章太郎は『仮面ライダー』シリーズのほか、『サイボーグ009』『HOTEL』『がんばれロボコン』など数多くの作品を生み出しました。2008年にはギネス・ワールド・レコーズで「1人の著者が描いた最多コミック」として認定されています。
死後も石ノ森プロが作品の管理を続けており、仮面ライダーシリーズは現在も東映によって新作が制作され続けています。宮城県石巻市の「石ノ森萬画館」や登米市の「石ノ森章太郎ふるさと記念館」では、石ノ森作品の原画や資料が展示されています。
仮面ライダーアマゾンの配信・視聴方法
『仮面ライダーアマゾン』は全24話と比較的コンパクトなため、一気に視聴しやすい作品です。東映特撮ファンクラブやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービスで視聴可能な場合があります。
また、2016年にはAmazon Prime Videoオリジナル作品として『仮面ライダーアマゾンズ』が配信されました。こちらは1974年版を原案としたリブート作品で、設定やストーリーは一新されています。シーズン1(全13話)が2016年、シーズン2(全13話)が2017年に配信されました。
1974年版とアマゾンズはストーリー上のつながりはないため、どちらから視聴しても問題ありません。

