『仮面ライダーガッチャード』の最終回は、作品最大のテーマだった「ケミーと人間の共存」に明確な結論が出ないまま終わったことを中心に「ひどい」という声が上がっています。冥黒の三姉妹の退場の雑さや、後半の駆け足展開も批判を集めた要因です。この記事では、最終回がひどいと言われる具体的な理由と、打ち切りだったのかどうかを詳しく解説します。
| 作品名 | 仮面ライダーガッチャード |
|---|---|
| 脚本 | 長谷川圭一・内田裕基 |
| 放送局 | テレビ朝日系列(毎週日曜9:00〜9:30) |
| 放送期間 | 2023年9月3日〜2024年8月25日 |
| 話数 | 全50話 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
仮面ライダーガッチャードの最終回がひどいと言われる理由
ガッチャードの最終回に対しては、2024年8月25日の放送直後からネット上で厳しい意見が相次ぎました。視聴者投票サイトでは「つまらない」が516票に対し「おもしろい」は261票と、約2倍の差がつくなど評価が厳しかった作品です。
ガッチャードは令和5作目の仮面ライダーで、「錬金術」をテーマに高校生・一ノ瀬宝太郎の学園生活と戦いを描いた作品です。最終回単体だけでなく、作品全体を通しての不満が最終回に集約されたという側面もあります。以下に、主な批判の理由を整理します。
理由1:「ケミーと人間の共存」というテーマに結論が出なかった
ガッチャードの物語は、主人公・一ノ瀬宝太郎が「ケミーと人間が共存できる世界」を目指すことを軸に進んでいました。第1話から一貫して掲げられてきたこのテーマは、作品のアイデンティティそのものだったと言えます。
ケミーとは錬金術によって生み出された人工生命体で、カードに封じられた101体が存在します。宝太郎はケミーと心を通わせ、友達として共に歩む道を模索し続けてきました。
しかし最終回では、宝太郎が錬成した「もう一つの地球」にケミーたちを住まわせるという結末が描かれました。人間の世界とケミーの世界を分けるという解決策は、「共存」ではなく「棲み分け」にほかなりません。
「結局、人とケミーは共存できなかったのでは」という批判はSNSでも多く見られました。1年間追いかけてきたテーマが最終回で否定されたように映ったことが、「ひどい」という評価の最大の原因です。
公式側は「未来に向かって歩み続けることがテーマ」と説明していますが、視聴者の間では「答えを出さずに逃げた」と受け取る声が少なくありませんでした。Vシネクスト『GRADUATIONS』の短編『ホッパー1のはるやすみ』では、錬成された新たな地球でケミーたちが幸せに暮らす様子が描かれていますが、テレビシリーズ本編の中で結論を見たかったという不満は依然として根強いものがあります。
理由2:冥黒の三姉妹の退場が雑だった
第1話から登場し、物語の大半で敵側の中心にいた冥黒の三姉妹(アトロポス・ラケシス・クロト)は、ガッチャードを語る上で欠かせないキャラクターです。約1年にわたって存在感を示し続けた彼女たちの結末に、多くの視聴者が注目していました。
ところが最終話付近では、3人とも短い尺の中であっさりと退場する形になりました。ラケシスについてはVシネクスト制作発表時に配信ドラマ『冥黒の黙示録 ラケシス』が告知されたため、後日談で補完される形にはなっています。
しかし、テレビシリーズ本編の中で長期間にわたって描かれてきたキャラクターの最期としては、あまりにも駆け足だったという指摘が多く上がっています。
特に、三姉妹それぞれの内面や動機の掘り下げが不十分なまま終わったことへの不満が目立ちます。敵キャラクターへの感情移入ができないまま退場を迎えたため、最終決戦の重みが薄れてしまったという声がありました。
仮面ライダーシリーズでは、敵幹部の最期が視聴者の心に残る名場面になることも珍しくありません。それだけに、1年間にわたって登場した三姉妹の結末が「あっさりしすぎ」と感じられたことは、最終回の評価を下げる大きな要因になっています。
理由3:後半の展開が駆け足で詰め込みすぎだった
ガッチャードは全50話という仮面ライダーシリーズとしては標準的な話数で構成されています。しかし、物語の進行ペースには大きな偏りがあったと指摘されています。
公式のプロデューサー座談会でも言及されたように、2号ライダー・仮面ライダーヴァルバラド(黒鋼スパナ)は「21話から49話まで進展がなかった」と認められています。約30話分もの間、主要キャラクターのドラマが停滞していたことになります。
その結果、ラスト数話に複数のパワーアップや決着が集中しました。クロスホッパー誕生の時点でグリオンの計画はほぼ潰れており、最終決戦が「おまけ」のように感じられたという意見もあります。
中盤の停滞と終盤の詰め込みが、作品全体のバランスを損なったという批判は根強いものがあります。
また、ラスボスであるグリオンとの最終決戦についても、戦いが始まる前にすでにドラマ上の決着がついているような構成だったという指摘があります。クロスホッパー誕生で悪魔召喚計画が頓挫し、レインボーブレスでマルガム化が阻止された時点で、グリオンの脅威は実質的に消えていました。最終回の戦闘シーンが盛り上がりに欠けたのは、こうした構成上の問題が一因です。
理由4:一般人の記憶処理が「力技」だった
仮面ライダーシリーズでは、変身や怪人の存在を一般市民がどう認識しているかという問題がしばしば議論になります。ガッチャードでもケミーやマルガムによる事件が公の場で起きており、一般人の認知は避けられない状況でした。
最終回では「記憶消去はしていないが、一般人が事件のことを勝手に忘れた」という形で処理されました。この説明に対して、「力技すぎる」「ご都合主義だ」という反応が広がっています。
世界観の整合性を重視する視聴者にとって、この処理は納得しづらいものだったようです。作品のリアリティラインが最終回で大きく揺らいだ印象を与えました。
ガッチャードの世界では錬金術やケミーの存在が街中で目撃される場面が何度も描かれていただけに、「勝手に忘れた」という説明では辻褄が合わないと感じた視聴者が多かったようです。せめて何らかの錬金術的な処理があれば受け入れやすかったという意見も見られます。
仮面ライダーガッチャードは打ち切りだったのか?
最終回への不満から「ガッチャードは打ち切りだったのでは?」という疑問を持つ人もいるようです。結論から言えば、ガッチャードは打ち切りではありません。
全50話で予定通り完結している
仮面ライダーガッチャードは、2023年9月3日から2024年8月25日まで全50話が放送されました。これは令和仮面ライダーシリーズの標準的な話数です。前作『仮面ライダーギーツ』が全49話、前々作『仮面ライダーリバイス』が全50話であり、ガッチャードも同様のスケジュールで放送が完了しています。
打ち切り作品にありがちな「突然の最終回告知」や「予定より早い終了」はなく、最終回の翌週からは次作『仮面ライダーガヴ』が予定通り放送開始しています。
放送スケジュール上も、ガッチャードが打ち切られた事実は一切ありません。
劇場版・Vシネクストも制作されている
打ち切り作品の場合、後日談や続編の映像作品が制作されることは稀です。しかしガッチャードは、テレビシリーズ終了後も複数の映像作品が展開されています。
2024年7月には劇場版『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』が公開されました。さらに2025年2月にはVシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS』が期間限定上映され、Blu-ray&DVDも2025年6月に発売されています。
これらの展開は、東映がガッチャードというコンテンツに一定の商業価値を認めている証拠です。打ち切り作品にこれだけの後続展開が用意されることは通常ありません。
駆け足展開は尺配分の問題
最終回が「打ち切りのような駆け足」に感じられた原因は、話数の不足ではなく尺配分の問題です。前述のとおり、中盤に主要キャラクターの停滞期間が長く続いた結果、終盤に多くの要素を詰め込む必要が生じました。
これは構成上の課題であり、打ち切りとは無関係です。全50話という十分な話数がありながら、中盤の使い方に課題があったという見方が妥当でしょう。
ガッチャードの最終回への肯定的な意見
一方で、最終回やガッチャード全体を肯定的に評価する声もあることは押さえておく必要があります。批判一色ではなく、評価が割れた作品というのが正確な表現です。
「明るく楽しい」という作品の方針は一貫していた
ガッチャードは令和ライダーの中でも特に「明るさ」を前面に出した作風でした。前作のギーツがデスゲームという重い設定だったのに対し、ガッチャードは学園生活を軸にした軽快な雰囲気が特徴です。
最終回を見終えた後に「楽しかったな」と爽やかな気分になったという感想もあり、この明るいトーンが最後まで維持されたこと自体は評価に値するという意見があります。
ティーン層の視聴率が例年より高かったという報告もあり、メインターゲットである子どもたちには十分に届いていた可能性があります。
最終決戦の映像面は高い評価
ストーリー面への批判が多い一方で、最終回の戦闘シーン自体の映像クオリティには好意的な評価が寄せられています。宝太郎とケミーたちが力を合わせてグリオンに挑む王道的な最終戦は、特撮アクションとしての見応えがあったという声があります。
田﨑竜太監督をはじめとする演出陣やアクション監督・福沢博文の力量は、最終回でも十分に発揮されていたと言えるでしょう。脚本の構成には課題があったものの、映像面では最後まで高いクオリティを維持していた作品です。
仮面ライダーガッチャードの脚本家の現在
ガッチャードの脚本は長谷川圭一と内田裕基の2名が担当しました。最終回への批判は脚本に対するものが多いため、脚本家の動向も注目されています。
長谷川圭一の最新作品
メイン脚本を務めた長谷川圭一は、特撮・アニメ分野で30年以上のキャリアを持つベテラン脚本家です。『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンネクサス』『ウルトラマントリガー』などウルトラマンシリーズでの実績が広く知られており、仮面ライダーシリーズではガッチャードがメイン脚本を務めた初の作品です。
ガッチャード終了後も精力的に活動を続けており、2025年にはスーパー戦隊シリーズ『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』に参加しています。これにより、ウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊の「三大特撮」すべてで脚本を手がけたことになります。
長谷川圭一は特撮の第一線で現役として活動を継続しています。
内田裕基の活動
もう一人のメイン脚本家・内田裕基は、Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS』で監修を担当しました。テレビシリーズ後もガッチャード作品に関わり続けています。
ガッチャードが脚本家としてのメジャーデビュー作に近い位置づけです。テレビシリーズでの脚本経験を経て、Vシネクストでは監修という立場で作品のクオリティ管理に携わっており、着実にキャリアを積み重ねています。
仮面ライダーガッチャードの映像作品を見る順番
ガッチャードはテレビシリーズ以外にも複数の映像作品が制作されています。時系列順にまとめると以下のとおりです。
| 順番 | 作品名 | 形態 |
|---|---|---|
| 1 | 仮面ライダーガッチャード(全50話) | TVシリーズ |
| 2 | 仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク | 劇場版(2024年7月公開) |
| 3 | 仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS | Vシネクスト(2025年2月上映) |
| 3 | ホッパー1のはるやすみ(同時上映短編) | 短編映画 |
Vシネクスト『GRADUATIONS』は、テレビシリーズ後の卒業式の日にタイムループが発生するという物語です。黒鋼スパナが中心のストーリーで、テレビシリーズでは描ききれなかったスパナの活躍を補完する内容になっています。
テレビシリーズの最終回に不満を感じた方は、Vシネクストで印象が変わる可能性があります。東映特撮ファンクラブ(TTFC)ではディレクターズカット版の配信も行われているため、通常版との違いを見比べてみるのもよいかもしれません。

