『恋はDeepに』の最終回は、安直な事故展開や人魚設定の消化不良などから「ひどい」と多くの視聴者に批判されました。さらに当初10話予定だった放送が全9話に短縮されており、脚本トラブルや視聴率低迷が背景にあったとされています。この記事では、最終回が批判された具体的な理由と、打ち切りの真相について詳しく解説します。
| 作品名 | 恋はDeepに(恋ぷに) |
|---|---|
| 脚本 | 徳尾浩司 |
| 出演 | 石原さとみ、綾野剛、今田美桜、渡邊圭祐、藤森慎吾、大谷亮平、鹿賀丈史 ほか |
| 放送局 | 日本テレビ系「水曜ドラマ」枠 |
| 放送期間 | 2021年4月14日〜6月9日(全9話) |
| 特別編 | 恋はもっとDeepに ―運命の再会スペシャル―(2021年6月16日) |
| 打ち切り判定 | 🟡 打ち切り疑惑あり |
『恋はDeepに』の最終回がひどいと言われる理由
石原さとみと綾野剛のダブル主演で期待を集めた本作ですが、最終回の放送後にはSNSを中心に厳しい声が相次ぎました。批判の内容は大きく3つに分けられます。
理由1:安直すぎる交通事故の展開
最終回が批判された最大の理由は、クライマックスで唐突に交通事故が起きるという安直な展開でした。
第8話で倫太郎(綾野剛)が海音(石原さとみ)をかばってトラックにはねられるシーンが描かれました。視聴者からは「昭和感がひどい」「ブレーキを踏まないトラック」と辛辣なツッコミが相次いでいます。
さらに問題だったのは、この事故が最終回の展開にほとんど影響しなかった点です。倫太郎は頭を強打したにもかかわらず、その後は「大丈夫」の一言で何事もなく話が進んでいきました。
事故の深刻さと結果の軽さのギャップが大きすぎたため、「入れた意味がない」「脚本が雑」という評価につながりました。緊張感を煽っておきながら何の代償もないという展開が、視聴者には不誠実に映ったのでしょう。
理由2:人魚設定を活かしきれなかったストーリー
本作最大の特徴は、石原さとみ演じるヒロイン・渚海音が実は人魚であるというファンタジー設定でした。しかしこの設定が物語の中で十分に活かされなかったことが、視聴者の不満を大きくした要因のひとつです。
海音が地上にいられる時間に制限があり、やがて海に帰らなければならないという設定は「現代版リトルマーメイド」として注目を集めました。しかし実際のドラマでは、人魚の葛藤や制約が深く描かれず、恋愛パートと不動産開発の話が中心でした。
最終回でも人魚としての姿が明確に描かれることはなく、「人魚の設定自体が不要だった」という声が多く上がりました。大人の恋愛ドラマにファンタジーを組み合わせる企画意図は理解できますが、どちらも中途半端になった印象です。
海洋環境問題や深海未来都市計画といった壮大なテーマも持ち出されました。しかしそれらも掘り下げが浅いまま終わり、「風呂敷を広げるだけ広げて畳めなかった」という批判につながっています。
理由3:伏線が回収されないまま駆け足で終了
最終回に対する批判で多かったのが、複数の伏線やサブプロットが回収されないまま終わったという指摘です。蓮田トラストの株買収問題は唐突に解決し、それまで敵対的だった光太郎(大谷亮平)が急に良い人になるなど、強引な展開が目立ちました。
全9話の中で恋愛・ファンタジー・企業間の権力争い・海洋環境問題と多くの要素を詰め込んだ結果、どれも深掘りできないまま最終回を迎えました。「あれもこれも中途半端なまま丸く収まった」という感想が多く見られます。
最終回では海音が海に帰るという別れのシーンが描かれましたが、翌週の特別編で再会する構成でした。そのため最終回単体としてのカタルシスが弱く、「何も終わっていない」と感じた視聴者が少なくありませんでした。
結果として「夢オチのような最終回」という厳しい評価も見られ、ストーリーの着地点が不明確なまま幕を閉じた印象が強く残る作品となりました。
『恋はDeepに』は打ち切りだったのか?
最終回への批判と並んで「打ち切りだったのでは」という疑惑も話題になりました。完全な打ち切りとは言い切れないものの、当初の予定より短縮されたことは事実です。
当初10話予定が全9話に短縮された経緯
『恋はDeepに』は当初全10話の予定で制作がスタートしましたが、最終的に全9話に短縮されました。報道によると、脚本の方向性をめぐって制作陣と出演者の間で意見の相違があったとされています。
脚本は何度も書き直されましたが、修正を重ねるたびに方向性が迷走していったと伝えられています。主演の2人も脚本に不満を抱えていたという報道もあり、現場の混乱がうかがえます。
短縮された1話分は、特別編「恋はもっとDeepに ―運命の再会スペシャル―」として2021年6月16日に放送されました。本編の3年後を描く後日談で、通常の第10話とは異なる構成です。
実質的には本編が1話短縮されたと見るのが妥当でしょう。
視聴率の低迷と脚本トラブル
視聴率の推移も、短縮の判断に影響したと考えられます。初回は10.5%(世帯視聴率)と2桁スタートを切りましたが、第2話で8.9%に急落し、その後も7%台〜8%台を推移しました。
日テレ水曜22時枠は前クールの平均が7.6%だったため、極端に悪い数字とは言い切れません。しかし人気俳優のダブル主演作としては、期待を大きく下回る結果でした。
各話の世帯視聴率は以下のとおりです。第1話10.5%→第2話8.9%→第3話8.3%→第4話8.6%→第5話7.7%→第6話7.6%→第7話7.4%→第8話8.2%→最終話8.1%。
平均8.4%で、初回から最終回にかけて右肩下がりの傾向が見て取れます。
特別編「恋はもっとDeepに」の位置づけ
特別編は本編最終回から3年後の世界を描いた後日談です。海に帰った海音と倫太郎の「運命の再会」が描かれ、2人のその後を見届けたいファンには一定の満足感がある内容でした。
ただしこの特別編の存在は「本編の最終回では物語が完結していなかった」ことの裏返しでもあります。本編で描ききれなかった話を補完する形となり、最終回が駆け足だった印象を強める結果になりました。
「打ち切り」という表現がそのまま当てはまるかは微妙です。しかし脚本の混乱と視聴率低迷により、当初の計画どおりには制作できなかった作品であることは間違いありません。
『恋はDeepに』の脚本家・徳尾浩司の現在
本作の脚本を手がけた徳尾浩司は、『恋はDeepに』の前年に放送された『私の家政夫ナギサさん』(TBS、2020年)が大ヒットし、注目を集めていた脚本家です。
当時の制作事情
『恋はDeepに』は原作のない完全オリジナル脚本でした。徳尾自身は放送前のインタビューで「変わったドラマだなと思った」と語っており、企画段階からチャレンジングな作品だったことがうかがえます。
ただし制作過程で脚本の方向性が二転三転したとされており、現場の混乱が作品のクオリティに影響した可能性があります。脚本家だけでなく、制作体制全体の課題だったとみられています。
なお、脚本トラブルに関する報道は週刊誌やネットメディアによるもので、公式には制作上のトラブルは発表されていません。
徳尾浩司の最新作品
『恋はDeepに』以降も、徳尾浩司は精力的に脚本家として活動を続けています。代表的な作品としては、2024年10月クールにTBSで放送された『ライオンの隠れ家』(主演:柳楽優弥)があります。
2025年以降も複数のドラマ脚本を担当しています。2025年7月クールのフジテレビ『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』、同年10月クールのNHK『シバのおきて』などがあります。
さらに2026年4月クールには日本テレビの『タツキ先生は甘すぎる!』(主演:町田啓太)の放送が予定されています。各局からオファーが絶えず、テレビドラマの第一線で活躍を続けている脚本家です。
『恋はDeepに』はどこで見られる?
『恋はDeepに』は日本テレビ系のドラマであるため、動画配信サービスHuluで全話視聴が可能です。特別編「恋はもっとDeepに ―運命の再会スペシャル―」もHuluで配信されています。
最終回への批判が多い一方で、「ネタドラマとして実況が楽しかった」「石原さとみと綾野剛を愛でるドラマだった」という声もあります。話題作として一度見てみるのも面白いかもしれません。

