「駆除人」の漫画版・ライトノベル版は、2023年3月にKADOKAWAとの契約が解除され、打ち切り確定となっています。原作者・花黒子と出版社の間で対立が生じたことが打ち切りの原因であり、漫画版は全5巻、ラノベ版は全10巻でいずれもストーリーの途中のまま刊行が止まりました。この記事では、契約解除に至った経緯やファンの反応、そして花黒子の現在の活動状況について詳しく解説します。
| 作品名 | 駆除人 |
|---|---|
| 作者 | 花黒子(原作)/ 浅川圭司(漫画作画)/ KT2(イラスト) |
| 連載誌 / 放送局 | 月刊コンプエース(漫画版)/ MFブックス(ラノベ版) |
| 連載期間 | 漫画:2017年8月号〜2022年9月号 / ラノベ:2016年6月〜2019年5月 |
| 巻数 | 漫画:全5巻 / ラノベ:全10巻 |
| 打ち切り判定 | 🔴 打ち切り確定 |
「駆除人」は複数の媒体で展開されており、それぞれ状況が異なります。以下の表で整理します。
| 媒体 | 現状 |
|---|---|
| Web小説(小説家になろう) | 連載継続中(2015年9月〜) |
| ライトノベル(MFブックス) | 全10巻(出版契約終了・配信停止) |
| 漫画(角川コミックス・エース) | 全5巻(契約解除・配信停止) |
| Kindle自費出版 | 「駆除人(原液)」として2024年1月〜配信中 |
駆除人が打ち切りになった理由
「駆除人」は「小説家になろう」発の異世界転生作品として人気を集め、コミックス累計180万部(2022年7月時点・電子版含む)を記録していました。しかし、売上不振ではなく出版社との関係悪化という異例の理由で打ち切りとなっています。
理由1:原作者・花黒子とKADOKAWAの対立
打ち切りの最大の原因は、原作者・花黒子とKADOKAWA側の対立です。KADOKAWA側は2023年3月31日をもって出版契約を解除しましたが、その理由として花黒子が編集部や漫画家に対して誹謗中傷を行ったことを挙げています。
一方、花黒子自身はSNS上で異なる主張をしています。花黒子によれば、社会問題に関する調査を編集部に求めたものの対応してもらえなかったことが対立の発端だったとされています。両者の主張には食い違いがあり、外部からは対立の詳細な経緯を正確に把握することは困難です。
この対立は漫画版の連載中から両者の間に溝が生じていたとみられます。漫画版の連載が2022年9月号で終了した後も出版契約自体は継続していましたが、関係修復には至らず、最終的に2023年3月31日をもって正式に契約解除となりました。花黒子は契約終了後、次の出版社を探す意向をSNSで示していましたが、新たな商業出版の発表には至っていません。
出版社と原作者の対立による契約解除という事態は、なろう系作品に限らず出版業界全体で見ても極めて珍しいケースです。一般的な打ち切りはアンケート結果や売上不振を理由にしますが、駆除人の場合は売上面で十分な実績があったにもかかわらず、人間関係の問題で作品の存続が不可能になったという特殊な事情がありました。
理由2:漫画版がストーリーの途中で終了
漫画版「駆除人」は全5巻で終了していますが、原作ライトノベルは全10巻、Web小説版はさらに長大な物語が展開されています。漫画版は原作のストーリーのうちごく序盤にあたる部分しか描いておらず、物語の途中で連載が終了しました。
漫画版の最終話について、読者からは「次の話が続くかのような終わり方だった」という指摘が多く見られます。通常の完結作品であれば最終回に向けた物語の収束が見られますが、駆除人の漫画版にはそのような描写がなく、突然連載が途切れた印象を受ける構成になっています。
漫画版の連載が始まった2017年8月号から最終話が掲載された2022年9月号まで、約5年間にわたって月刊コンプエースで連載されていました。月刊連載で5年間・5巻という刊行ペースは、原作の全体量に対してかなり遅いペースだったと言えます。
ライトノベル版も全10巻で刊行が完了していますが、こちらもWeb小説版の全体からすると一部をカバーしたに過ぎません。書籍版の刊行が2019年5月の第10巻で止まり、その後は約4年にわたり新刊が出ないまま契約終了を迎えました。漫画・ラノベともに中途半端な状態で止まっている点が、打ち切りと断言できる根拠です。
理由3:電子書籍の配信停止という異例の措置
通常の打ち切り作品であっても、連載が終了した後に既刊の電子書籍が購入できなくなるケースはほとんどありません。しかし駆除人の場合、契約解除に伴い電子書籍の配信そのものが全ストアで停止されるという異例の事態になりました。
2023年3月31日の契約終了をもって、KADOKAWA経由で配信されていた漫画版・ラノベ版の電子書籍がコミックシーモア、BOOK☆WALKER、ebookjapanなどの各ストアから取り下げられています。紙の書籍は流通在庫がある限り中古市場等で入手できる可能性がありますが、電子版は新規購入ができない状態です。
すでに電子書籍を購入済みの読者は引き続き閲覧可能とされていますが、新たに作品を読もうとする読者にとってはKADOKAWA版を入手する手段が非常に限られています。これは作品のファンにとって大きな打撃でした。漫画版の場合、2019年1月時点でシリーズ累計40万部を突破し、2022年7月にはコミックス電子版を含めて累計180万部に達していただけに、配信停止の影響を受けた読者の数も少なくなかったと考えられます。
なお、花黒子は2024年1月17日からAmazon Kindleにて「駆除人(原液)」というタイトルで自費出版を開始しています。KADOKAWA版とは異なる新たな形で、作品を読者に届ける道を選んだ形です。また、Web小説版は「小説家になろう」で無料公開が継続されているため、ストーリーを追いたい読者はそちらから読むことも可能です。
駆除人の打ち切りに対するファンの反応
コミックス累計180万部(2022年7月時点・電子版含む)を記録していた人気作品だけに、突然の契約解除と配信停止に対するファンの反応は大きなものでした。
SNSでの評価
SNS上では「180万部も売れているのになぜ打ち切りなのか」という困惑の声が多く上がりました。通常であれば累計180万部という数字は十分なヒット作と言える水準であり、売上不振を理由とした打ち切りではないという点にファンの困惑が集中しています。
「売上ではなく著者と出版社のトラブルで打ち切りになった」という事実に驚くファンも少なくありませんでした。Yahoo!知恵袋にも「180万部も売れていて人気もあるはずなのに何故打ち切りなのか」という質問が投稿されており、ファンの間で情報を求める動きが広がっていたことがわかります。
また、漫画版の作画を担当した浅川圭司に対して同情する声も見られました。原作者と出版社の対立に巻き込まれる形で漫画版が中途半端な形で終わってしまったため、「作画担当には責任がないのに気の毒」という意見が散見されています。
なろう系作品が商業出版される際には、原作者・出版社・漫画家の三者が関わることが一般的です。その関係が破綻した場合、作品そのものが存続できなくなるリスクがあることを、駆除人のケースは示しています。同様のトラブルは他のなろう系作品では表面化しにくいだけに、ファンの間では大きな話題となりました。
最終巻の評価
漫画版の最終巻である第5巻は2022年7月26日に発売されました。読者からは「打ち切りとは思えないほど急に終わった」「次の巻があるような終わり方だった」という声が上がっています。
物語がまだ展開の途中であったため、キャラクターの関係性やストーリーの伏線が描ききれないまま終了しています。コムロカンパニーの冒険がまだまだ続くはずだったところで連載が途切れたことに、多くの読者が残念がっていました。
ただし、Web小説版は「小説家になろう」で現在も連載が継続しています。漫画版やラノベ版では読めなくなった続きのストーリーを知りたい場合は、Web小説版で無料で読むことが可能です。原作者・花黒子は活動を停止したわけではなく、Web上での執筆は続けているため、作品の物語自体が完全に途絶えたわけではありません。
漫画版の作画クオリティについては評価する声が多く、浅川圭司によるアクションシーンの描写や、異世界の害虫・魔物のデザインを称賛する読者も少なくありませんでした。それだけに、作画面での問題ではなく著者と出版社の関係で打ち切りとなったことへの残念さを表明するファンが目立ちます。
駆除人の作者の現在
原作者・花黒子は、KADOKAWAとの契約解除後も精力的に執筆活動を続けています。商業出版からは離れていますが、Web上での活動は活発です。
花黒子のなろう活動と自費出版
花黒子は「小説家になろう」において「駆除人」の連載を継続しています。2015年9月に投稿を開始した本作は、KADOKAWA版の打ち切りとは無関係に、Web上で物語が進行中です。商業出版がストップしても、Web小説という形で作品を読者に届け続けています。なろう発の作品は商業出版の契約が終了しても、プラットフォーム上での連載を止める義務はないため、作品そのものが消滅するわけではありません。
さらに、2024年1月17日からはAmazon Kindleにて「駆除人(原液)」というタイトルで自費出版を開始しました。KADOKAWAから出版されていたMFブックス版とは異なる、著者自身が直接配信する新たな刊行形態です。出版社を介さずに作品を読者に届ける方法を模索している様子がうかがえます。
KADOKAWAとの関係は終了しましたが、作品そのものは作者の手で存続しており、Web版で無料で読むことも、Kindle版で購入することも可能な状態が維持されています。
花黒子の他の作品
花黒子は「駆除人」以外にも、「小説家になろう」で複数の作品を連載しています。「廃ダンジョン・トレッキング」(2025年10月時点で114話)や「はまぐり工務店〜異界由来の破損修理承ります〜」(同時点で226話)など、異世界を舞台にした複数の作品を並行して執筆しています。
そのほか「遊び人が賢者になるって本当か?」「レトロ・フューチャーズ・フォレスト」なども連載中であり、なろう作家としての活動は衰えていません。KADOKAWAとの関係が終了したあとも、Web小説プラットフォームを拠点に精力的な創作を続けています。
KADOKAWA以外の出版社からの商業出版に関する公式な発表は、2026年3月時点では確認されていません。ただし、Kindle自費出版というルートを開拓しており、今後の展開が注目されます。
駆除人を読む方法
前述のとおり、KADOKAWA版の電子書籍は配信停止となっているため、現在「駆除人」を読む方法は限られています。以下に現時点で利用可能な手段を整理します。
Web小説版(無料):「小説家になろう」にて花黒子が連載中の原作を無料で読むことができます。漫画版やラノベ版でカバーされなかった部分も含め、最も長く物語が展開されているのがこのWeb版です。
「駆除人(原液)」(有料):2024年1月よりAmazon Kindleで花黒子が自費出版している版です。KADOKAWA版とは別の編集が施されているとみられます。
紙の書籍(中古):漫画版(角川コミックス・エース)・ラノベ版(MFブックス)ともに新品での入手は困難な状況です。中古書店やフリマアプリ等で流通している在庫を探す形になります。
「駆除人」は、害虫駆除の仕事をしていた男が異世界に転生し、前世の知識を活かして魔物の駆除を生業にするという独特の設定が人気を集めた作品です。主人公コムロ・ナオキが清掃・駆除会社「コムロカンパニー」を異世界で立ち上げ、各地を旅しながら魔物を駆除していく展開は、バトル一辺倒ではない「お仕事系」異世界ものとして差別化されていました。
Web小説版では商業出版ではカットされた部分や、書籍化後に追加されたエピソードも含まれているため、むしろ原作ファンにとっては最も充実した内容が読める媒体と言えるかもしれません。KADOKAWAとの関係が終了した現在、Web小説版が「駆除人」を楽しむための最も確実な手段となっています。

