2020年放送のドラマ『恐怖新聞』は、最終回の後味の悪さから「ひどい」という声が多く上がった作品です。主人公が地獄に落とされるバッドエンドや、登場人物全員が悲惨な結末を迎える展開が批判の的となりました。この記事では、最終回がひどいと言われる具体的な理由と、打ち切りだったのかどうかを詳しく解説します。
| 作品名 | 恐怖新聞 |
|---|---|
| 原作 | つのだじろう『恐怖新聞』(週刊少年チャンピオン / 1973年〜1975年 / 全9巻) |
| 放送局 | 東海テレビ制作・フジテレビ系「オトナの土ドラ」枠 |
| 放送期間 | 2020年8月29日〜10月10日(全7話) |
| 主要スタッフ | 演出:中田秀夫 / シリーズ構成:乙一 / 脚本:高山直也 |
| 主演 | 白石聖(小野田詩弦役)、佐藤大樹、黒木瞳 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(予定通り放送完了) |
恐怖新聞(ドラマ)の最終回がひどいと言われる理由
ドラマ『恐怖新聞』の最終回(第7話)は、2020年10月10日の放送直後からSNSやレビューサイトで「ひどい」「後味が悪すぎる」という感想が相次ぎました。Filmarksでのレビューでも否定的な意見が目立ち、賛否が大きく分かれた最終回となっています。
具体的に何がひどいと感じられたのか、視聴者の声をもとに整理していきます。
理由1:救いのないバッドエンドで終わった
最終回で最も批判を集めたのが、主人公・小野田詩弦が救われることなく地獄に落とされるという結末です。詩弦は物語を通じて恐怖新聞の予言を利用し、周囲の人々を事故や災難から救い続けてきました。しかし、新聞を読むたびに寿命が100日ずつ縮むというルールにより、最終的に命を落としてしまいます。
死後の展開がさらに視聴者を絶望させました。詩弦は鬼形礼の後を継いで恐怖新聞の配達人となりますが、虐待を受けていた少女への配達をためらったことが「約束違反」とされます。善意で配達を止めたにもかかわらず、恐怖新聞のルールは情状酌量を認めませんでした。
その結果、詩弦は地獄に落とされるという最悪の結末を迎えます。他人を助けるために命を捧げ、死後も配達人として義務を果たそうとしたにもかかわらず、最後は地獄行きという展開に、「善意が一切報われないのはひどすぎる」「7話かけて見守ってきた主人公がこの扱いなのか」という声が多数寄せられました。
ホラー作品においてバッドエンドは珍しくありませんが、主人公の行動原理そのものが否定されるような結末は、視聴者に強い不満を残す原因となりました。「怖い」ではなく「理不尽」と感じさせてしまった点が、批判が集中した最大の要因です。
理由2:登場人物全員が悲惨な末路を迎える
最終回がひどいと言われるもう一つの大きな理由は、主要キャラクター全員が救われない結末を迎える点です。詩弦だけでなく、恋人の松田勇介(佐藤大樹)をはじめとする周囲の人物たちも、悲惨な運命から逃れることができませんでした。
特に衝撃的だったのが、勇介が最終回で白目を剥くシーンです。恐怖新聞の呪いに巻き込まれた勇介の変貌は、視聴者に「怖いというより不快だった」「ホラーとして楽しめる範囲を超えている」という感想を抱かせました。EXILE佐藤大樹のファンからも困惑の声があったようです。
通常のホラードラマであれば、主人公やその周囲の誰かが生き残るか、少なくとも何らかの希望が示されるものです。映画『リング』でさえ、主人公は生き延びて次の展開へとつながります。しかし『恐怖新聞』では誰一人として平穏な結末を迎えることができませんでした。
「救いもないし、後味が悪い」「この2か月間一生懸命見てきたのは何だったんだろう」という脱力感を訴える声は、作品全体への評価を大きく下げる結果につながっています。全7話という短い話数のドラマだからこそ、最終回の印象がそのまま作品全体の評価を左右してしまった面があります。
理由3:不快な演出が詰め込まれていた
最終回の演出面に対しても「ひどい」という声が上がっています。怖さよりも不快感が勝る演出が連続したと感じた視聴者が多かったようです。
演出を担当した中田秀夫は映画『リング』で知られるJホラーの第一人者です。『リング』では「見えない恐怖」「じわじわと迫る不安」を軸にした心理的な演出が高く評価されました。しかしドラマ版『恐怖新聞』では、それとは異なるアプローチが取られています。
特に最終回では、詩弦が恐怖新聞の配達人となってからの場面や、地獄に落とされる描写が「グロテスクなだけで怖くない」「恐怖ではなく嫌悪感だけが残る」と指摘されました。心理的な恐怖を期待していた視聴者にとっては、視覚的なショックに頼った演出が期待外れだったようです。
深夜23時40分からの放送枠であるため、地上波としてはかなり攻めた表現が可能な時間帯ではあります。しかし攻めた演出と不快な演出は別物であり、「深夜枠だからといって何でも許されるわけではない」という視聴者の反応につながりました。
理由4:原作漫画とは異なるオリジナル展開への不満
ドラマ版はシリーズ構成を小説家の乙一(安達寛高)が担当し、原作漫画とは大きく異なるオリジナルストーリーで制作されました。原作の主人公は男子中学生の鬼形礼ですが、ドラマでは女子大学生の小野田詩弦に変更されています。物語の舞台や展開も原作とはほぼ別物です。
つのだじろうの原作漫画は1973年から1975年にかけて週刊少年チャンピオンで連載され、1970年代のオカルトブームを牽引した作品です。全9巻にわたる物語は当時の読者に強烈なインパクトを与え、現在もオカルト漫画の金字塔として語り継がれています。
原作ファンからは「恐怖新聞の設定だけ借りた別作品」「原作の雰囲気とかけ離れすぎている」という声が上がりました。原作と異なること自体が問題なのではなく、最終回のバッドエンドが原作にはない展開だったことで、不満がさらに増幅されたといえます。
乙一の作風を知るファンからすれば「らしい結末」ではあります。『GOTH』や『暗いところで待ち合わせ』など、ダークで容赦のない展開は乙一作品の持ち味です。ただし、恐怖新聞というタイトルに期待する世界観との間にギャップが生じ、原作ファンとドラマ視聴者の双方から不満が噴出した形になりました。
恐怖新聞(ドラマ)は打ち切りだったのか?
最終回の後味の悪さや全7話という話数の短さから、「打ち切りだったのでは?」と疑う声もあります。しかし結論から言えば、ドラマ『恐怖新聞』は打ち切りではありません。
打ち切り判定:予定通り全7話で放送完了
ドラマ『恐怖新聞』は打ち切りではなく、当初の予定通り全7話で放送を完了しています。放送枠である「オトナの土ドラ」は東海テレビが制作する深夜ドラマ枠で、1クール7〜8話が標準的な構成です。
同枠の他のドラマも同様の話数で放送されており、『恐怖新聞』だけが特別に短いわけではありません。放送開始前の告知時点から全7話として発表されており、途中で話数が削られた事実は確認できません。
ゴールデンタイムの連続ドラマが10〜12話構成であることと比較すると少なく感じるかもしれませんが、深夜枠のドラマとしては標準的な話数です。話数が少ないこと自体は打ち切りの根拠にはなりません。
駆け足展開だったのか
打ち切りではないものの、最終回に展開を詰め込みすぎた印象を持った視聴者は少なくありませんでした。詩弦の死、配達人への転生、少女の救済、そして地獄落ちと、第7話の中に物語の転換点が4つも連続しています。
しかし、これは全7話という限られた話数の中で物語を完結させるための構成上の判断であり、制作側が意図した展開です。最初からこのバッドエンドに向けて設計された脚本であり、打ち切りによって急遽詰め込んだわけではないと考えるのが妥当です。
シリーズ構成の乙一は小説家として知られるだけでなく、映画の脚本・監督としても活動しています。限られた尺の中で衝撃的な結末を構築する手法は、乙一の短編小説にも通じるものがあります。最終回の展開が駆け足に感じられたとすれば、それはホラー作品としての「畳みかけ」を狙った演出意図だったと解釈できるでしょう。
視聴率は低迷していたのか
「オトナの土ドラ」枠は土曜深夜23時40分からの放送であり、もともとゴールデンタイムと比べて視聴率が低い時間帯です。深夜ドラマの視聴率は録画やオンデマンド視聴を含まないリアルタイム数値では低く出る傾向があります。
そのため、仮に視聴率が低かったとしても、深夜枠のドラマが視聴率を理由に打ち切られるケースはほとんどありません。本作についても、視聴率低迷による打ち切りという事実は確認されていません。
制作体制から見ても打ち切りではない
『恐怖新聞』は東海テレビと松竹の共同制作で、映画『リング』の中田秀夫を演出に起用し、シリーズ構成には人気小説家の乙一を迎えるなど、制作陣にコストをかけた作品です。ノベライズ版(角川ホラー文庫)も放送に合わせて刊行されています。
こうしたメディアミックス展開が事前に計画されていたことからも、全7話の構成は最初から決まっていたものであり、途中で打ち切られたわけではないことがわかります。
恐怖新聞の原作者・つのだじろうの現在
ドラマの脚本スタッフとは別に、原作漫画『恐怖新聞』の生みの親であるつのだじろうの現在についても紹介します。
つのだじろうの現在の活動
原作者のつのだじろうは1936年7月3日生まれで、2026年3月時点で89歳です。1970年代に『恐怖新聞』『うしろの百太郎』といったオカルト漫画を立て続けに発表し、オカルト漫画の第一人者として一世を風靡しました。その他にも『空手バカ一代』『5五の龍』など幅広いジャンルで活躍した漫画家です。
現在は手の震えにより漫画制作からは引退しています。新作の漫画連載は行っておらず、第一線からは退いた状態です。ただし、過去作品の電子書籍化は進んでおり、原作漫画『恐怖新聞』もBookWalkerやebookjapanなどの電子書籍ストアで全巻購入が可能です。
なお、つのだじろうは8人兄弟の次男で、弟にミュージシャンのつのだ☆ひろ、リュート奏者のつのだたかしがいることでも知られています。芸能・芸術一家として有名な家系です。
ドラマ版スタッフのその後
ドラマのシリーズ構成を担当した乙一(安達寛高)は、小説家・脚本家・映画監督として現在も精力的に活動を続けています。ホラー・ミステリー分野を中心に作品を発表しており、映画の脚本や監督としても評価を得ています。
主演の白石聖は本作が連続ドラマ初主演でした。恐怖に怯える繊細な演技が注目を集め、放送後もドラマや映画に多数出演しています。演出の中田秀夫も映画・ドラマの両方でホラー作品を手がけ続けており、日本ホラー界を代表する監督としての地位を維持しています。
恐怖新聞(ドラマ)の最終回には肯定的な評価もある
ここまでひどいと言われる理由を中心に解説してきましたが、最終回に対しては肯定的な評価も存在します。
ホラーとしての徹底ぶりを評価する声
「本当に恐ろしいものは何かを全編通して提示し、最終回でしっかりとした軸を持たせた」という評価があります。恐怖新聞というシステムの容赦のなさを最後まで貫いた点を、ホラー作品としての覚悟として高く評価する視聴者もいました。
「安易なハッピーエンドにしなかったからこそ、恐怖新聞の恐ろしさが際立った」「ホラーが本来持つべき後味の悪さを逃げずに描いた」という声もあります。バッドエンドだからこそ心に残る作品になったという見方です。
また、「恐ろしいことをしている人間を恐怖新聞が裁く側に回っている」という構造的な面白さを指摘する声もあり、一面的にひどいとは言い切れない作品であることも事実です。
恐怖新聞(ドラマ)を視聴するなら動画配信がお得
ドラマ『恐怖新聞』は全7話と短めの構成のため、一気見しやすい作品です。最終回の賛否が分かれる展開は、事前に評価を知った上で視聴すると、また違った角度から楽しめるかもしれません。
また、原作漫画『恐怖新聞』(全9巻)はドラマとは全く異なるストーリーです。ドラマの最終回に不満を感じた方は、原作漫画を読むことでつのだじろうが描いた恐怖新聞の世界観を改めて体験できるでしょう。

