『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』は、番組内の「負け越しルール」によるコンビ解散という形で終了しており、一般的な意味での打ち切りとは異なります。ただし、視聴率の低下や地方路線バスの衰退が背景にあり、制作側がルールを「退場装置」として活用した可能性は否定できません。この記事では、Zシリーズ終了の3つの理由と、田中要次・羽田圭介の現在の活動について解説します。
| 番組名 | ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z |
|---|---|
| 出演者 | 田中要次・羽田圭介(+毎回異なるマドンナ) |
| 放送局 | テレビ東京系(土曜スペシャル枠) |
| 放送期間 | 2017年3月25日〜2022年8月20日(全19弾+特別編1回) |
| 通算成績 | 9勝10敗(負け越し) |
| 打ち切り判定 | 🟡 打ち切り疑惑あり(番組ルールによるコンビ解散。番組自体は後継シリーズWで継続) |
ローカル路線バス乗り継ぎの旅Zが打ち切りと言われている理由
Zシリーズの終了は「打ち切り」として語られることが多いですが、その背景には複数の要因が重なっています。番組ルール・視聴率・バス路線の衰退という3つの要因から、終了に至った経緯を整理します。
理由1:負け越しルールによるコンビ解散
Zシリーズ終了の最も直接的な原因は、番組内で設けられた「負け越しルール」です。第9弾(2019年1月放送)から新たに追加されたこのルールは、「シリーズ通算で負け越し(失敗が成功を上回る)となった場合、または3連敗した場合はコンビ解散」というものでした。
田中要次・羽田圭介コンビの通算成績は、第19弾終了時点で9勝10敗。さらに第17弾・第18弾・第19弾で3連敗を喫し、「負け越し」と「3連敗」の両方に該当してしまいました。実質的には2つの「アウト条件」を同時に満たしたことになります。
最終回となった第19弾(2022年8月20日放送)は「群馬・谷川岳〜山形・銀山温泉」のルートで、マドンナにはアナウンサーが同行しました。9勝9敗のカド番で臨んだこの回でゴール失敗に終わり、番組のルールに基づいてコンビ解散が決まっています。
注目すべきは、このルールが番組スタート時から存在していたわけではなく、第9弾という中盤で追加された点です。ルール導入時点ですでに視聴率の低迷が指摘されていた時期であり、「成績不振を理由にした体のいい退場装置だったのでは」という見方がファンの間では根強くあります。
実際、初代の太川・蛭子コンビ時代にはこのようなルールは存在しませんでした。初代コンビが25弾まで続けられたのに対し、Zコンビは19弾で終了しており、ルールの有無がシリーズの寿命に直結した形です。
理由2:初代コンビとの視聴率格差
初代シリーズの太川陽介・蛭子能収コンビは、視聴率が10%を超える回も多く、テレビ東京のバラエティとしては異例の高視聴率番組でした。低い回でも9%台を維持しており、安定した人気を誇っていました。テレ東の土曜スペシャル枠としては、まさに看板番組と呼べる存在だったのです。
一方、Zシリーズに交代してからは数字が明確に下がりました。第1弾の視聴率は7.1%、第2弾は7.4%にとどまり、初代から大きく後退しています。第3弾では9.0%と持ち直す回もありましたが、シリーズ全体としては二桁に届くことがほとんどなく、後期にはさらに低迷しました。
視聴率低下の大きな要因として、太川・蛭子コンビが持っていた独特のケミストリーが挙げられます。蛭子能収の自由奔放な行動(勝手にタクシーに乗ろうとする、疲れたと言って歩かない等)と、太川陽介のリーダーシップとツッコミが生み出す予測不能な展開は、バス旅の最大の魅力でした。
田中・羽田コンビは比較的穏やかに旅を進めるスタイルでしたが、初代のような「何が起こるかわからないハラハラ感」を期待していた視聴者には物足りなく映った面があります。テレビ東京の番組としても、7%台が続く状態は決して楽観できる数字ではなく、制作側が番組のテコ入れや終了を意識していた可能性は高いでしょう。
また、田中要次の番組内での態度に対して「やる気がない」「歩くのを嫌がる」「マドンナに冷たい」といった批判がSNS上で目立ち、これもコンビの人気低迷に拍車をかけました。バス旅は出演者のキャラクターが番組の根幹であり、視聴者との相性が視聴率に直結するジャンルです。
理由3:地方路線バスの廃止が番組成立を困難にした
田中・羽田コンビの5年間(2017年〜2022年)は、日本各地で地方の路線バスが急速に衰退した時期と重なります。人口減少に伴う利用者の減少と、深刻化する運転手不足により、各地でバスの減便や路線廃止が相次ぎました。
さらに2020年からの新型コロナウイルスの影響が追い打ちをかけています。外出自粛によりバス利用者が激減し、事業者の経営が急速に悪化しました。かつてはバスを乗り継いで移動できた区間でも、路線の廃止により長距離を徒歩で移動せざるを得ないケースが増えたのです。
その結果、番組の内容が「路線バスの旅」というよりも「徒歩の旅」に近くなっていきました。炎天下や雨の中を延々と歩くシーンが増え、出演者の疲労も目に見えて増していきます。視聴者からも「見ていてつらい」「バスの旅なのにバスに乗れていない」という声が上がるようになりました。
バスの接続が悪化すれば、当然ゴール達成の難易度も上がります。実際にZシリーズ後期は失敗回が目立ち、第17弾〜第19弾の3連敗もこうした環境の変化と無関係ではありません。番組の企画自体が時代の変化に合わなくなってきていたという構造的な問題が、Zシリーズ終了の一因になったと考えられます。
なお、この問題はZシリーズに限った話ではなく、後継のWシリーズでも同様の課題を抱えています。路線バスの減少は今後も続く見通しであり、番組フォーマットそのものの持続可能性が問われている状況です。
ローカル路線バス乗り継ぎの旅Zは本当に打ち切りなのか?
「打ち切り」という言葉が一人歩きしていますが、Zシリーズの終了は通常のテレビ番組の打ち切りとは少し事情が異なります。ここでは打ち切り説の根拠と、そうではないと考えられる根拠の両面を整理します。
打ち切り説を支持する根拠
打ち切りだと見なされる最大の理由は、やはり視聴率の低迷です。初代コンビ時代と比べて明確に数字が落ちた状態が長期間続いており、テコ入れとして負け越しルールを途中導入した経緯があります。
制作側がルールを追加してまで「コンビ交代の仕組み」を用意したこと自体が、番組としてZコンビに見切りをつけていた証拠だという指摘もあります。実際、ルール導入のタイミングは視聴率が特に低迷していた時期と重なっており、偶然とは考えにくい部分があります。
さらに、最終回となった第19弾の放送後、テレビ東京がすぐに後継シリーズの企画に着手していたことから、Zの終了はある程度「予定通り」だったのではないかという見方も成り立ちます。番組内のルールという形を借りた、計画的なコンビ交代だった可能性があるのです。
打ち切りではない可能性
一方で、Zシリーズの終了は番組内ルールに基づく「コンビ解散」であり、番組そのものが終了したわけではありません。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」というシリーズ自体は継続しており、Zはあくまで第2シーズンの終了に過ぎません。
初代の太川・蛭子コンビも第25弾をもって「卒業」という形で終了しています。シリーズごとに出演者が交代していく形式は、バス旅シリーズの設計上の仕組みとも言えるでしょう。そもそも同じコンビが永続的に続く前提ではなかったとも解釈できます。
テレビ東京がZシリーズ終了後すぐに後継企画の準備に入り、約1年後に新シリーズ「W」を開始していることからも、シリーズの打ち切りではなく「世代交代」としての側面が強いと考えるのが妥当でしょう。バス旅というコンテンツ自体はテレビ東京にとって継続する価値のある企画だったのです。
後継番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅W」の存在
2023年7月22日、新シリーズ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅W』の第1弾が放送されました。タイトルの「W」は「Women」の頭文字で、シリーズ初となる女性3人組による旅という新しい形式を採用しています。
Zシリーズが「コンビ解散」で終了した約1年後に後継シリーズが始まっていることは、テレビ東京がバス旅というコンテンツ自体には価値を見出していた証拠です。Zの終了はシリーズ全体の打ち切りではなく、出演者の刷新だったと位置づけられます。
Wシリーズは女性3人組による旅という新機軸を打ち出しており、Zとは異なる客層の開拓を狙った番組設計になっています。初代→Z→Wと3世代にわたってシリーズが続いていること自体が、「打ち切り」ではなく「代替わり」であることの証左と言えるでしょう。
田中要次と羽田圭介の現在
Zシリーズのコンビ解散後も、田中要次と羽田圭介はそれぞれの本業を中心に精力的に活動を続けています。バス旅終了後の2人の動向をまとめます。
コンビ解散後もテレビ東京で共演を継続
バス旅Zのコンビは「解散」となりましたが、2人の関係が断絶したわけではありません。2022年11月12日には『いい旅・夢気分スペシャル』(テレビ東京系)で再びコンビを組んで旅をしています。バス旅とは別枠での共演となりました。
さらに2023年1月からは『水バラ 1歩1円ウォーキング対決旅』に「バス旅Zチーム」としてレギュラー出演しています。2026年1月放送の第4弾にも出演が確認されており、バス旅のコンビとしては終了しましたが、テレビ東京の旅番組での共演は現在も続いています。
「バス旅Zチーム」としての出演が続いていることから、テレビ東京とのつながりも田中・羽田コンビへの需要も健在であることがわかります。バス旅Zでの知名度が、別番組での起用につながっている格好です。
田中要次の俳優活動
田中要次は俳優として変わらず活動を続けています。2026年1月には恵比寿シアター・アルファ東京での演劇『刻め!秒針よりも速く!!』に出演。さらに2026年4月〜5月には舞台『汗が目に入っただけ』での森井治役での出演が予定されています。
バス旅では「やる気がない」「歩きたくない」といった印象が強かった田中要次ですが、本業の俳優業では舞台・ドラマ・映画と幅広いジャンルで出演を重ねています。俳優としてのキャリアはバス旅の終了とは関係なく順調に継続しています。
もともと田中要次はJR東海の社員から俳優に転身した異色の経歴の持ち主であり、「BoBA」の愛称で知られるバイプレーヤーです。バス旅Zへの出演は俳優活動の一部に過ぎず、コンビ解散が本業に影響を与えたという話は聞かれません。
羽田圭介の作家活動
羽田圭介は2015年に『スクラップ・アンド・ビルド』で第153回芥川賞を受賞した小説家です。芥川賞受賞をきっかけにバラエティ番組にも多数出演するようになり、その流れでバス旅Zへの起用につながりました。
コンビ解散後も執筆活動を中心に、テレビ出演も継続しています。前述の『ウォーキング対決旅』への出演のほか、バラエティ番組やトーク番組にも出演しており、作家としてもタレントとしても活動の幅を維持しています。
バス旅Z時代には、旅先で自著の宣伝をするなど独特のキャラクターが話題になりましたが、コンビ解散後もそのマルチな活動スタイルは変わっていません。作家業とテレビ出演を両立させる「二刀流」のスタンスは健在です。
ローカル路線バス乗り継ぎの旅シリーズの視聴方法
ローカル路線バス乗り継ぎの旅シリーズは、テレビ東京系の番組配信サービスで過去回を視聴できます。Zシリーズを改めて振り返りたい方は、テレビ東京の公式配信をチェックしてみてください。
初代シリーズ(太川・蛭子コンビ、全25弾)・Zシリーズ(田中・羽田コンビ、全19弾)・Wシリーズ(女性3人組)と3つの世代が存在します。各世代を見比べることで、バス旅シリーズの変遷と各コンビの個性の違いがよくわかるでしょう。
特にZシリーズの第17弾〜第19弾は、コンビ解散がかかった緊迫感のある回として見応えがあります。打ち切りの経緯を知った上で改めて視聴すると、また違った視点で楽しめるかもしれません。

