『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』の最終回は、小惑星衝突の結末が曖昧なまま終わったことから「ひどい」「意味不明」という声が多く上がりました。ただし本作は打ち切りではなく、全10話の予定通りに完結したドラマです。この記事では、ペンディングトレインの最終回がひどいと言われる具体的な理由と、打ち切りだったのかの真相、脚本家・金子ありさの現在について解説します。
| 作品名 | ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と |
|---|---|
| 脚本 | 金子ありさ |
| 連載誌 / 放送局 | TBS(金曜ドラマ) |
| 放送期間 | 2023年4月21日〜6月23日(全10話) |
| 主演 | 山田裕貴、赤楚衛二、上白石萌歌 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
ペンディングトレインの最終回がひどいと言われる理由
『ペンディングトレイン』は2023年春クールのTBS金曜ドラマとして放送されました。つくばエクスプレスの乗客68人が突然未来の荒廃した世界にワープするというSFサバイバルドラマで、金子ありさによるオリジナル脚本作品です。緑山スタジオに実際の車両内装パーツを使った5両編成のオープンセットが建設されるなど、大規模な制作体制で制作されました。しかし最終回の放送後、SNSやレビューサイトには批判的な声が多数寄せられました。
理由1:小惑星衝突の結末が描かれなかった
最終回が批判された最大の理由は、物語の核心であった「小惑星の地球衝突」が回避できたのかどうか、明確に描かれなかったことです。乗客たちは元の2023年の世界に戻った後、2026年に起きる小惑星衝突を阻止するために奔走します。
萱島(山田裕貴)たちは政府や研究機関に未来の情報を提供し、小惑星の軌道を変えるための行動を起こしました。しかし最終回のラストでは、その結果がはっきりと示されないまま物語が終わります。視聴者には「成功したのか失敗したのか」を判断する材料が十分に与えられませんでした。
ドラマの終盤では、2060年の未来にいる田中のもとに米澤が書いた手紙が届くシーンが描かれます。これは「人類が生き延びた証拠」とも解釈できますが、別の可能性を示唆しているようにも見える曖昧な演出でした。
SFドラマである以上、設定の根幹にかかわる問題には結論を出すべきだという意見が多く、「散々未来について引っ張っておいて、答えを見せないのは無責任」という厳しい声がSNSで広がりました。
理由2:未来世界のSF設定が回収されなかった
ドラマ序盤から視聴者の関心を集めていたのは、「なぜ乗客たちは未来に飛ばされたのか」「荒廃した世界で何が起きたのか」というSF設定の謎でした。物語が進むにつれて断片的な情報は提示されたものの、最終回までに核心的な説明が十分になされなかったことが不満につながっています。
未来の世界にはすでに生活していた人々がおり、乗客たちと対立する場面もありました。しかし彼らがどのような経緯で未来に存在しているのか、なぜ乗客たちだけがワープしたのかといった根本的な疑問は、曖昧なまま残されています。
さらに、つくばエクスプレスがワープした原因も科学的な説明はほとんどなく、「偶然の現象」として扱われた印象を受けた視聴者が多かったようです。SF作品として物語を組み立てた以上、設定の整合性を求める声は当然のものでしょう。
「ヒューマンドラマとして見れば悪くないが、SFとしては破綻している」という評価は、この作品に対するもっとも的確な批評のひとつと言えます。視聴者の期待がSF的な謎解きに向いていたからこそ、回収されない伏線への失望は大きくなりました。
Yahoo!知恵袋やドラマレビューサイトでも「最終回が理解できなかった」「結局何が起きたのか説明してほしい」という質問・感想が多数投稿されています。SF設定の不足は、単に「わかりにくい」のではなく「説明する気がないように見えた」ことが問題だったのでしょう。
理由3:最終回に詰め込みすぎた展開
第9話で乗客たちが現代に帰還してから最終回までの間に、小惑星問題の発覚・政府への働きかけ・社会からの拒絶・仲間割れ・萱島の演説・未来への手紙と、非常に多くのエピソードが詰め込まれました。
これだけの内容を1話に収めた結果、ひとつひとつのエピソードが駆け足で消化されていった印象は否めません。特に乗客たちが「未来から来た」と訴えても信じてもらえず社会から孤立していく過程は、本来であれば数話かけて丁寧に描くべきテーマでした。
一方で、萱島が公園で行う演説シーンは多くの視聴者から高く評価されています。山田裕貴の演技力もあり、「ストーリーは追いつけなかったが、演説だけで泣けた」という感想も見られました。
部分的に心を動かされる場面はあったものの、全体としては「何がしたかったのかわからない」という感想を持った視聴者が少なくなかったのです。1話分のなかに収めるには明らかにエピソードが多すぎたと言えるでしょう。
理由4:中盤のテンポの遅さと最終回の落差
最終回の評価を下げたもうひとつの要因は、中盤までの展開との落差です。ドラマの中盤(第4話〜第7話あたり)は、未来世界でのサバイバル生活や乗客同士の人間関係が中心に描かれ、「テンポが遅い」「話が進まない」という指摘がリアルタイムで多く見られました。
日刊ゲンダイは放送中に「視聴者の不満は遅いテンポと既視感」と報じており、サバイバル生活の描写が長すぎるという批判は早い段階から存在していました。実際に第3話で視聴率が5.1%まで落ち込んだのは、序盤の展開に離脱した視聴者がいたことを示しています。
中盤をゆっくり描いた結果、帰還後のエピソードを最終回に凝縮せざるを得なくなったという構成上の問題が浮き彫りになりました。視聴者にとっては「待たされた末にこの結末か」という二重の失望感につながったのです。
もし中盤のサバイバル描写を1〜2話分圧縮し、帰還後の展開に2話程度を割いていれば、最終回の評価は変わっていたかもしれません。全10話という枠の中での配分に課題があった作品と言えるでしょう。
ペンディングトレインは打ち切りだったのか?
最終回の駆け足展開から「打ち切りだったのでは?」という声もありますが、結論として本作は打ち切りではありません。ここではその根拠を整理します。
全10話で予定通りの完結
『ペンディングトレイン』はTBS金曜ドラマ枠で全10話として企画・制作されています。金曜ドラマ枠の連続ドラマは通常10〜11話構成であり、本作の話数は枠の標準的な本数と一致しています。
放送スケジュールにも変更はなく、2023年4月21日の初回から6月23日の最終回まで毎週予定通りに放送されました。途中で話数が削られた形跡はなく、打ち切りを示す客観的な根拠は存在しません。
最終回が駆け足に感じられたのは、話数の削減ではなく脚本の構成上の問題と考えるのが妥当です。帰還後のエピソードを最終回に集中させたことが、詰め込み感の原因でした。
初回は15分拡大版として放送されており、TBS側が本作に一定の期待を寄せていたことがうかがえます。途中で放送枠を短縮されたり、特番に差し替えられたりした事実もなく、局として最後まで通常通りの扱いで放送を続けました。
視聴率の推移
世帯視聴率は初回7.6%でスタートし、第3話で5.1%まで下落しました。その後は5〜6%台で推移し、最終回は7.1%と初回に近い水準まで回復しています(ビデオリサーチ調べ)。全話平均は6.08%でした。
この数字は同クールの他ドラマと比較すると低めの水準ではありました。2023年春クールではフジテレビの『風間公親-教場0-』(平均9%台)やテレビ朝日の『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』などが上位を占めており、ペンディングトレインは苦戦していた部類に入ります。
しかし近年のテレビドラマはリアルタイム視聴率だけで評価できず、TVerなどの見逃し配信では高い再生数を記録していたことも考慮する必要があります。
また、TBSの金曜ドラマ枠は視聴率が低くても途中打ち切りになった前例がほとんどありません。仮に視聴率が振るわなかったとしても、予定話数は最後まで放送されるのが通例です。
オリジナル脚本という制約
本作は金子ありさによる完全オリジナル脚本であり、原作となる小説や漫画は存在しません。原作がある作品であれば「原作の途中で終わった=打ち切り」という判断が可能ですが、オリジナルドラマの場合はそうした比較ができません。
最終回の結末が曖昧に感じられたのは、脚本家が意図的にオープンエンドを選択した可能性が高いでしょう。物語を明確に閉じるのではなく、視聴者に解釈を委ねる構成だったと考えられます。
実際にORICON NEWSの記事では、最終回の放送後に「未来はどうなった?」「めっちゃ気になるラスト」といった反響が紹介されており、オープンエンドであることを前向きに受け止めた視聴者も一定数存在していました。
ただし、その選択が多くの視聴者の期待と合致しなかったことが「ひどい」「意味不明」という評価につながりました。打ち切りではないものの、結末の描き方に課題が残った作品だったと言えます。
ペンディングトレインの脚本家の現在
本作の脚本を担当した金子ありさは、ドラマ脚本家として長いキャリアを持つベテランです。ペンディングトレイン以降も精力的に活動を続けています。
金子ありさの代表作とキャリア
金子ありさは1973年生まれの脚本家・小説家で、日本大学芸術学部映画学科の講師も務めています。20代で脚本家デビューを果たし、以降30年近くにわたってテレビドラマの脚本を書き続けてきたベテランです。
金子ありさの代表作には『花より男子』シリーズ(2005年・2007年)や大河ドラマ『花燃ゆ』(2015年、共同脚本)などがあります。特に『花より男子』は最高視聴率27.6%を記録した大ヒット作であり、金子ありさの名を広く知らしめた作品です。
TBSの金曜ドラマ枠との関わりが深く、長年にわたって同枠の作品を手がけてきた実績があります。ペンディングトレインでは初めてSFサバイバルというジャンルに挑戦しました。恋愛ドラマやヒューマンドラマを得意とする脚本家がSF作品を手がけたことが、SF設定の消化不良につながった面は否定できません。
一方で、登場人物の感情描写や人間関係の掘り下げについては評価する声もあり、萱島と畑野の関係性や乗客同士の絆の描き方には金子ありさの持ち味が発揮されていたと言えます。
金子ありさの最新作
ペンディングトレイン以降、金子ありさは以下のドラマで脚本を担当しています。
2024年にはTBSで『9ボーダー』、2025年にはテレビ朝日で『恋する警護24時 season2』の脚本を手がけています。さらに2025年にはTBS火曜ドラマ『初恋DOGs』の脚本も担当しており、複数のドラマを並行して執筆する活発な活動を続けています。
ペンディングトレインのSF路線とは異なり、近年はラブコメディやヒューマンドラマを中心に執筆しているようです。脚本家としてのキャリアは順調に続いていると言えるでしょう。
ペンディングトレインはどこで見られる?
最終回の評価は分かれましたが、本作を改めて視聴したい方に向けて配信情報を整理します。『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』はTBS系列で放送されたドラマのため、TBS系の動画配信サービスで視聴可能です。
地上波での放送は2023年6月に終了していますが、各種動画配信サービスで見逃し配信や全話配信が行われています。話題になった最終回だけでなく、序盤から通して視聴することで、ドラマ全体の評価はまた違ったものになるかもしれません。
なお、本作はDVD-BOXも発売されています。山田裕貴・赤楚衛二・上白石萌歌という豪華キャストの共演が見どころのひとつであり、井之脇海や古川琴音といった実力派の若手俳優も出演しています。
最終回の賛否はあるものの、役者の演技力については高い評価を受けた作品です。特に山田裕貴が演じた萱島直哉は、序盤の無愛想なキャラクターから終盤の熱い演説シーンまで、視聴者を引きつける存在感がありました。結末に不満を持った視聴者からも「山田裕貴の演技だけは文句なし」という声は多く見られます。

