『龍と苺』は打ち切りではなく、2026年3月現在も『週刊少年サンデー』で連載が続いている作品です。竜王位獲得後に突然100年後の世界へ舞台が移る「超展開」が読者を困惑させ、打ち切り説が広まりました。この記事では、打ち切りと言われた具体的な理由と、連載が続いている根拠を解説します。
| 作品名 | 龍と苺(りゅうといちご) |
|---|---|
| 作者 | 柳本光晴 |
| 連載誌 / 放送局 | 週刊少年サンデー(小学館) |
| 連載期間 | 2020年25号〜連載中 |
| 巻数 | 既刊24巻(2026年1月時点) |
| 打ち切り判定 | 🔵 連載中(打ち切りではない) |
龍と苺が打ち切りと言われた理由
『龍と苺』は将棋の天才少女・藍田苺が棋界に挑む物語として高い評価を受けてきました。しかし、物語の大胆な転換をきっかけに「打ち切りでは?」という噂がネット上で広まっています。その背景には、作品の展開そのものに起因する複数の理由があります。
理由1:100年後への突然のタイムリープ
打ち切り説が広まった最大の原因は、第182話で突如として物語の舞台が100年後の世界に移ったことです。主人公の苺が竜王位を獲得するという大きなクライマックスを迎えた直後、次の話でいきなり100年後の未来が描かれました。
この「超展開」に対して、読者からは「先週までの感動は何だったのか」「いくらなんでも飛びすぎ」といった困惑の声が相次ぎました。将棋漫画としてリアルな対局描写を積み重ねてきた作風からの急激な転換だったため、「作者が打ち切りを宣告されて無理やり畳んだのでは」と推測する読者が出ました。
100年後の世界では、苺が115歳という常識では考えられない年齢でありながらアマチュア竜王戦に出場し続けるという設定です。テクノロジーが発達した未来世界という舞台設定により、現代の将棋漫画からSFの要素を帯びた物語へと変貌しました。「もはや別の漫画になった」「将棋漫画として読んでいたのにSFになった」という声が多く上がりました。
実際には、100年後の世界でも苺の対局は続いており、作者が意図的に描いた新章であることが後の連載で明らかになっています。2024年11月掲載の第215話では100年後の苺の正体についての説明も描かれ、伏線として計画された展開であったことがわかります。
ただし、従来の将棋漫画の枠を大きく逸脱した展開であることは間違いなく、「自分が読みたかった漫画と違う」という読者の戸惑いが打ち切り説の温床になりました。
理由2:竜王位獲得でタイトルが回収されたように見えた
『龍と苺』というタイトルは、将棋の最高タイトルのひとつ「竜王」と主人公「苺」を組み合わせたものです。苺が竜王位を獲得した時点で、タイトルの意味が完全に回収されたように見えたことが、打ち切り説を後押ししました。
少年漫画では、タイトルに込められた目標を達成した時点で物語が完結するケースが多くあります。「龍(竜王)と苺(主人公)」が結びついた以上、もう描くことがないのではないかと考えた読者は少なくありませんでした。
さらに、苺が竜王を獲得する過程はアマチュア・女性初という歴史的快挙として描かれ、物語の集大成にふさわしい盛り上がりを見せていました。そのため、竜王戦後に物語が続くこと自体が「引き伸ばし」と受け取られることもありました。
しかし作者の柳本光晴は、竜王位獲得を物語のゴールではなく通過点として設計していたことが、その後の連載展開から読み取れます。100年後の世界では新たな対戦相手としてAI将棋プログラムが登場しており、物語のスケールはむしろ拡大しています。「龍と苺」というタイトルには、竜王戦だけでなく、将棋そのものと苺の関係を描くという広い意味が込められているのかもしれません。
理由3:「ひどい」「つまらない」という評価の広がり
100年後への展開をきっかけに、ネット上では「龍と苺 ひどい」「龍と苺 つまらなくなった」といった否定的な感想が増加しました。これらの評価が「打ち切り」というワードと結びつき、「評判が悪いから打ち切りになったのでは」という誤った推測につながっています。
とりわけ、第181話までの展開を高く評価していた読者ほど失望が大きく、強い言葉での批判が目立ちました。掲示板やSNSでは「打ち切りにすべき」という意見すら見られ、こうした投稿が検索結果にも反映されるようになりました。
ただし、批判の多さは裏を返せばそれだけ読者の注目度が高い証拠でもあります。本当に人気がなくなった作品は批判すらされなくなるものです。賛否両論の声があること自体は、作品が読者に強い感情を喚起している証拠といえます。noteやブログなどでは100年後の展開を『進撃の巨人』の大胆な展開になぞらえて評価する考察記事も書かれており、一方的に否定されているわけではありません。
理由4:検索サジェストによる誤解の拡散
Googleで「龍と苺」と入力すると、検索候補に「打ち切り」が表示されることも誤解を広げています。検索サジェストは多くのユーザーが検索したワードを反映する仕組みであり、作品が実際に打ち切られたかどうかとは無関係です。
しかし、作品をあまり知らない人がこのサジェストを見ると「打ち切りになったのか」と思い込みやすくなります。その結果「龍と苺 打ち切り」の検索がさらに増え、サジェストが定着するという循環が生まれています。
人気漫画ではこのような現象はよく見られます。連載中の作品であっても展開に賛否があると「打ち切り」がサジェストに出やすく、それ自体がさらなる誤解を招くのです。実際、同じ週刊少年サンデーの他の連載作品でも「打ち切り」がサジェストに表示されるケースは珍しくありません。
龍と苺が打ち切りではない根拠
打ち切りの噂とは裏腹に、『龍と苺』には打ち切りではないと判断できる客観的な根拠が複数あります。ここでは連載状況・巻数・作者の実績・メディア展開の4つの観点から整理します。
2026年3月現在も週刊少年サンデーで連載中
『龍と苺』は2026年3月時点で『週刊少年サンデー』での連載が続いています。2026年16号(3月18日発売)には第280話「第七局を前に」が掲載されており、打ち切りどころか毎週休まず連載が続いている状態です。
100年後の世界に舞台が移った後も物語は順調に展開されています。2026年3月時点では、シンギュラリティに到達したAI将棋プログラム「末法」との七番勝負が描かれており、苺が追い込まれる緊迫した対局が進行中です。
打ち切り作品であれば、100年後への展開後にここまで話数を重ねることはありません。第182話の100年後突入から約100話が経過しても連載が継続しているという事実は、編集部がこの展開を承認し支持していることを示しています。
既刊24巻・280話超の長期連載
2026年1月16日時点で単行本は24巻まで刊行されています。週刊少年サンデーにおいて24巻を超える連載作品は、雑誌の主力作品として位置づけられる巻数です。サンデーうぇぶりでも第1話から最新話まで配信されており、デジタル面でも重要な作品として扱われています。
打ち切り作品は一般的に3〜5巻程度、長くても10巻前後で終了することが多いです。24巻まで続いている時点で、編集部が作品の継続に十分な価値を認めていることがわかります。単行本の刊行ペースも安定しており、定期的に新刊が発売され続けています。
また、連載開始の2020年25号から約5年半にわたって途切れることなく連載が続いている点も重要です。打ち切りの兆候がある作品は掲載位置が後ろに回されたり、誌面での扱いが小さくなったりする傾向がありますが、『龍と苺』にそのような兆候は見られません。小学館の公式サイトでも引き続き連載作品として紹介されています。
前作『響』に続く柳本光晴の実績
作者の柳本光晴は、前作『響〜小説家になる方法〜』(2014年〜2019年、全13巻)でマンガ大賞2017大賞と第64回小学館漫画賞一般部門を受賞した実力派漫画家です。『響』は2018年に平手友梨奈主演で実写映画化もされています。
その柳本光晴が『響』完結後に移籍先の週刊少年サンデーで始めた連載が『龍と苺』です。複数の漫画賞を受賞し映画化実績もある作家の連載を、編集部が安易に打ち切ることは考えにくいでしょう。
また、『響』では天才小説家の少女、『龍と苺』では天才棋士の少女を主人公に据えるなど、「圧倒的な才能を持つ少女が既存の世界を揺さぶる」という柳本作品に共通するテーマが一定の読者層から支持を集めています。
アニメ化が発表されていないことへの不安
『龍と苺』は24巻を超える人気連載でありながら、2026年3月時点でアニメ化の公式発表がありません。近年は人気漫画がアニメ化されるケースが非常に多いため、「アニメ化されないのは打ち切りが近いからでは」と不安視する声もあります。
しかし、アニメ化の有無と打ち切りは直接的な関係がありません。将棋漫画は対局中の心理描写や盤面の動きを映像で表現する難しさがあり、他のバトル漫画やスポーツ漫画に比べてアニメ化のハードルが高いジャンルです。同じく将棋を題材にした『3月のライオン』(羽海野チカ)も連載開始から数年を経てアニメ化に至っており、ジャンル特有の事情を考慮する必要があります。
また、読者の間では「龍と苺はアニメ化するはず」という期待の声も根強くあります。Yahoo!知恵袋では「まだアニメ化は決まっていないが、近い将来アニメ化する作品」として『龍と苺』の名前が挙がっており、ファンの間での期待値は決して低くありません。アニメ化が実現していないことは打ち切りの根拠にはなりません。
龍と苺の作者・柳本光晴の現在
打ち切り説が出ると「作者に何かあったのでは」と心配する声も上がりますが、柳本光晴は問題なく創作活動を続けています。
柳本光晴の経歴と連載中の作品
柳本光晴は徳島県徳島市出身の漫画家です。徳島県立城北高等学校から電気通信大学へ進学し、大学在学中から同人サークル「TTT」を主宰して約10年間活動していました。2011年に『ビッグガンガン』創刊号に読切が掲載され、商業誌デビューを果たしています。
2014年から『ビッグコミックスペリオール』で連載した『響〜小説家になる方法〜』が高い評価を受け、マンガ大賞2017と小学館漫画賞をダブル受賞しました。同作は2019年に全13巻で完結し、2018年には欅坂46の平手友梨奈主演で実写映画化もされています。その翌年の2020年から、掲載誌を少年サンデーに移して『龍と苺』の連載を開始しました。
2026年3月現在、柳本光晴は『龍と苺』の週刊連載を精力的に続けています。毎週の連載ペースを崩すことなく第280話まで到達しており、体調面や制作面での問題は報じられていません。
前作『響』が『ビッグコミックスペリオール』(青年誌)、『龍と苺』が『週刊少年サンデー』(少年誌)と、掲載誌のジャンルを変えながらも小学館の雑誌で一貫して活動を続けています。出版社との関係が良好であることの表れといえるでしょう。柳本光晴は『龍と苺』以外の新連載や読切の発表は確認されておらず、現在は本作に全力を注いでいる状況です。
龍と苺を読むなら電子書籍がお得
『龍と苺』は既刊24巻と巻数が多いため、これから読み始める場合は電子書籍の利用がおすすめです。紙の単行本を24巻分まとめ買いすると1万円を超える金額になりますが、電子書籍ストアの初回クーポンやセール、ポイント還元キャンペーンなどを活用すれば費用を大幅に抑えられます。
24巻分を一気読みすると、苺が将棋と出会い竜王位を獲得するまでの熱い対局描写と、100年後の世界での新展開の両方を連続して楽しめます。週刊連載で1話ずつ追いかけていた読者は100年後への急展開に戸惑いましたが、まとめて読むことで物語全体の流れとして受け入れやすくなるかもしれません。
連載は2026年3月時点でも続いているため、単行本の巻数は今後さらに増える見込みです。早めにまとめ買いしておくと、後から追加購入する巻数が少なくて済むでしょう。サンデーうぇぶりでも一部の話が無料公開されているので、まずは試し読みから始めてみるのもよいかもしれません。

