『先生を消す方程式。』の最終回は、主人公がゾンビ化したまま山で暮らすという衝撃的な結末が「ひどい」「意味不明」と批判を集めました。前半の学園サスペンスから後半のホラー路線へ急転換したことや、ご都合主義的なラストが不満の主な原因です。この記事では、最終回がひどいと言われる具体的な理由と、打ち切りだったのかどうかを詳しく解説します。
| 作品名 | 先生を消す方程式。 |
|---|---|
| 脚本 | 鈴木おさむ(オリジナル脚本) |
| 放送局 | テレビ朝日「土曜ナイトドラマ」枠 |
| 放送期間 | 2020年10月31日〜12月19日 |
| 話数 | 全8話 |
| 主演 | 田中圭(義澤経男 役) |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
先生を消す方程式の最終回がひどいと言われる理由
『先生を消す方程式。』は田中圭主演の学園サスペンスドラマとして2020年10月にスタートしました。都内の進学校・帝千学園3年D組を舞台に、担任教師を次々と追い詰める生徒たちと新任教師・義澤経男の対決を描く作品です。
山田裕貴、高橋文哉、久保田紗友、松本まりかといった実力派キャストが揃い、放送前は期待度の高いドラマでした。しかし物語が進むにつれてジャンルそのものが変わってしまい、最終回に対する批判が多く寄せられました。
理由1:第4話で主人公が殺され、ゾンビとして復活する急転換
最終回への不満の根本にあるのは、第4話で主人公・義澤経男(田中圭)が生徒たちに殺害され、第5話からゾンビのような姿で復活するという衝撃的なジャンル転換です。第1話から第3話まで描かれていたのは、進学校の優秀な生徒たちが担任教師を精神的に追い詰めるという心理サスペンスでした。
ところが第4話のラストで義澤が生徒の頼田朝日(山田裕貴)によって生き埋めにされて死亡し、第5話では「闇の義経」として復活します。傷だらけの姿で生徒たちの前に現れる義澤の姿は、もはやサスペンスドラマのそれではありませんでした。
Yahoo!知恵袋やSNSでは「最初はサスペンスとして面白かったのに、突然ゾンビものになった」「ホラーとして見るなら最初からそう言ってほしかった」という声が多く見られます。視聴者がドラマに求めていたジャンルと実際の展開が大きく乖離したことが、最終回への不満の下地を作りました。
この急転換以降、「ついていけない」としてリタイアする視聴者が相次いだことがエキサイトニュースで報じられています。同記事では「C級ホラー」という表現も使われており、メディアの評価も厳しいものでした。
制作サイドとしては、第4話での主人公死亡はあらかじめ計画された展開であり、脚本家の鈴木おさむも放送前から「第4話で主人公が殺される」と公言していました。しかし、事前に知らされていたとしても、実際に見た視聴者の衝撃は大きかったようです。最終回の評価が低いのは、最終回単体の問題ではなく、中盤からの路線変更が尾を引いた結果といえるでしょう。
理由2:「ゾンビ夫婦で山暮らし」という結末への困惑
最終回(第8話・2020年12月19日放送)では、義澤が昏睡状態の恋人・静(松本まりか)の延命装置を自ら外します。その後、静は黒魔術によってゾンビとして復活し、義澤と静は2人ともゾンビのまま山の中で暮らすことを選ぶという結末を迎えました。
この結末に対して「意味がわからない」「C級ホラー映画のようだ」という批判が噴出しました。学園サスペンスとして視聴を始めた層にとって、「ゾンビ夫婦が山で永遠に暮らす」というエンディングは到底納得できるものではなかったようです。
そもそも延命装置を外すという重い決断が描かれたにもかかわらず、その直後に黒魔術で復活するという展開が物語のシリアスさを損なっていたという指摘もあります。命の重さをテーマにしているように見えて、ゾンビとして簡単に復活できてしまう矛盾が視聴者の違和感を強めました。
一方で、「死んでもなお一緒にいることを選んだ2人の純愛として見れば感動的」という擁護意見も一部にはありました。しかし、そもそもゾンビという設定を受け入れられない視聴者が多数派であり、最終回の結末は賛否が大きく分かれるものとなりました。
Filmarksでのレビュー数は7,700件を超えていますが、低評価レビューでは「時間泥棒」「最後まで見た自分が悔しい」といった厳しい声が目立ちます。
理由3:ご都合主義的な最終回の展開
最終回では、物語の黒幕的存在だった生徒・頼田朝日(山田裕貴)が突然雷に打たれて死亡するという展開がありました。8話かけて築き上げてきた対立構造が、自然現象による突然死というご都合主義的な方法で解決されたことに、多くの視聴者が拍子抜けしたと語っています。
頼田朝日はサイコパス的な知性で義澤を追い詰め続けた最大の敵役であり、その決着が「雷」という偶然に委ねられたことは、物語としての説得力を大きく欠くものでした。視聴者の間では「あれだけ引っ張った因縁の対決がこの終わり方?」という失望の声が広がりました。
また、黒魔術によるゾンビ復活、延命装置を外しても問題ない展開など、終盤になるほどリアリティラインが下がっていった点も批判の対象です。「一流の俳優陣が三流の脚本を演じている」という辛辣な評価もSNS上で見られました。
さらに、最終回のラストシーンでは雷に打たれたはずの頼田朝日が目を開くという意味深なカットが挿入されています。続編を匂わせるこの演出も「風呂敷を畳みきれていない」「蛇足だ」と批判される要因となりました。結局この伏線は回収されることなく、現時点で続編は制作されていません。
ただし、こうした荒唐無稽な展開を「深夜ドラマならではの振り切った面白さ」としてポジティブに受け止めた視聴者もいます。ドラマの評価は見る人のジャンルへの期待値によって大きく変わるものだったといえます。
先生を消す方程式は打ち切りだったのか?
最終回への不満とあわせて、「先生を消す方程式は打ち切りだったのでは?」という疑問を持つ人もいます。全8話という短さや視聴率の低迷がその根拠として挙げられますが、実際のところはどうだったのでしょうか。
全8話は「土曜ナイトドラマ」枠の標準的な話数
結論から言うと、『先生を消す方程式。』は打ち切りではありません。テレビ朝日の「土曜ナイトドラマ」枠は深夜帯(土曜23時30分〜)の放送であり、通常7〜8話で構成されるのが標準です。
同じ枠で放送された『おっさんずラブ』や『べしゃり暮らし』なども同程度の話数で完結しています。全8話という話数は枠の仕様に沿ったものであり、視聴率が低かったから途中で打ち切られたわけではありません。
「最終回が早い」と感じる視聴者がいたのは、連続ドラマは全10〜12話という一般的なイメージとの差から生じた誤解でしょう。深夜ドラマ枠であることを知らなかった視聴者が「打ち切りでは?」と感じるのは無理もありません。
また、田中圭は当時『おっさんずラブ』のヒットでゴールデンタイムのイメージが強かっただけに、深夜枠での主演であることを知らずに見始めた視聴者も一定数いたと考えられます。
視聴率は低調だったが打ち切りの理由ではない
打ち切りではなかったものの、視聴率が振るわなかったのは事実です。初回の世帯視聴率は3.9%でスタートし、第2話では2.9%に低下しました。第3話で3.6%とやや持ち直したものの、その後は3%台前半で推移し、初回の数字を上回ることはありませんでした。
深夜枠のドラマとはいえ、同じ「土曜ナイトドラマ」枠の『おっさんずラブ』は平均視聴率が3%台後半、最終回は5%超えを記録しています。それと比較すると、本作の数字は低調だったと言わざるを得ません。
特に第4話のゾンビ展開以降は「ついていけない」とリタイアする視聴者が出たことが報じられており、中盤の路線変更が視聴率に影響した可能性があります。ただし、深夜枠ドラマは配信やTVerでの再生数も重要な指標であり、視聴率だけで作品の評価は決まりません。
駆け足展開だったかどうか
最終回が駆け足だったかについては、意見が分かれます。全8話という限られた話数の中で、学園サスペンス→ホラー→ラブストーリーとジャンルが二転三転したため、「詰め込みすぎ」という印象を持った視聴者は少なくありません。
特に最終回では、義澤と頼田朝日の最終対決、静の延命装置の問題、ゾンビ夫婦としての再出発、そして朝日の復活を匂わせるラストシーンと、1話の中に複数のクライマックスが詰め込まれていました。どの要素も掘り下げが浅くなってしまった感は否めません。
本作の放送中にはドラマ内に暗号や伏線が散りばめられているとして、考察を楽しむファンがSNS上で多く見られました。Pouchなどのメディアでも「考察を楽しむ人が続出」と取り上げられています。しかし最終回でそれらの要素がすべて回収されたとは言い難く、期待値が高かった分だけ落胆も大きくなったようです。
しかし、物語の主要な伏線は最終回までに回収されており、打ち切りによる中途半端な終わり方ではないことは確かです。問題は話数の不足ではなく、ジャンルの急転換という脚本上の判断にあったといえるでしょう。
先生を消す方程式の脚本家・鈴木おさむの現在
『先生を消す方程式。』の脚本を手がけたのは放送作家・脚本家の鈴木おさむです。本作は原作のないオリジナル脚本であり、物語のゾンビ展開を含むすべての構想は鈴木おさむによるものでした。
鈴木おさむは2024年に放送作家を引退
鈴木おさむは『先生を消す方程式。』のほか、『奪い愛、冬』や数々のバラエティ番組を手がけてきた放送作家・脚本家です。しかし、2024年3月31日をもって放送作家・脚本家を引退することを発表し、約30年にわたるテレビ業界でのキャリアに区切りをつけました。
引退の理由について鈴木は東京新聞のインタビューで「魔法にかかっていた感じだった」と振り返り、テレビ業界から距離を置くことで新しい視点を得たいと語っています。エンターテインメント業界への複雑な思いも率直に明かしていました。
引退後は「スタートアップファクトリー」という会社の代表に就任し、ベンチャー企業への投資やコンサルティング、講演活動を行っています。博報堂DYホールディングスとの協業でスタートアップ企業向けのコンテンツビジネスにも取り組んでおり、テレビの世界からビジネスの世界へと活動の軸を大きく移しました。
引退後も一部脚本を担当
引退を宣言した鈴木おさむですが、引退前にプロデューサーと交わした約束に基づき、2025年7月期ドラマ『奪い愛、炎』の脚本を担当していることが報じられています。『奪い愛』シリーズは鈴木おさむの代表作の一つであり、その最新作として注目を集めました。
ORICONのインタビューで鈴木は「メインの仕事はスタートアップファクトリーだが、俯瞰で自分を見て書けるようになった」と心境の変化を明かしています。本格的な脚本業への復帰ではなく、あくまで限定的な関わり方を選んでいるとのことです。
『先生を消す方程式。』で見せた予想を裏切る脚本スタイルは、『奪い愛』シリーズでも共通する鈴木おさむの持ち味です。賛否が分かれやすい作風ではありますが、SNSで話題になりやすいドラマを生み出してきた実績は確かなものでしょう。
先生を消す方程式はどこで見られる?配信状況まとめ
『先生を消す方程式。』は放送終了から5年以上が経過していますが、現在も動画配信サービスで視聴することができます。最終回の評価が気になる方は、実際に見て判断してみるのもよいでしょう。
TELASA(テラサ)ではテレビ朝日系列のドラマとして全8話が配信されています。また、Amazon Prime Videoでも視聴可能です。深夜ドラマ枠の作品であるため、リアルタイムでは見逃していた方も多いかもしれません。
全8話と短めの構成なので一気見しやすい作品です。田中圭や山田裕貴、高橋文哉、松本まりかといった豪華キャスト陣の演技は、脚本への評価とは別に高く評価されています。物語の賛否はさておき、俳優陣のパフォーマンスだけでも見る価値があるという声は少なくありません。
なお、本作はオリジナル脚本のため原作小説や漫画は存在しません。ドラマ本編がすべてとなっています。放送時には各話終了後にABEMAで配信されたスピンオフ「頼田朝日の方程式。−最凶の授業−」も話題になりました。本編とあわせて視聴すると、頼田朝日のキャラクターへの理解が深まるかもしれません。

