『弁護士ソドム』は打ち切りではなく、テレビ東京「ドラマ8」枠の標準的な話数である全7話で予定通り完結した作品です。全7話という短さや、前年放送の『クロサギ』との類似が指摘されたことで「打ち切りでは?」という声が広まりました。この記事では、打ち切りと言われた具体的な理由と、打ち切りではない根拠を詳しく解説します。
| 作品名 | 弁護士ソドム |
|---|---|
| 脚本 | 泉澤陽子・三浦駿斗 |
| 放送局 | テレビ東京(ドラマ8枠) |
| 放送期間 | 2023年4月28日〜6月16日 |
| 話数 | 全7話 |
| 主演 | 福士蒼汰 |
| 打ち切り判定 | 🟢 打ち切りではない(完結済み) |
弁護士ソドムが打ち切りと言われた理由
福士蒼汰主演のリーガルサスペンス『弁護士ソドム』は、2023年6月に全7話で放送を終えた直後から「打ち切りだったのでは?」という声がネット上で広まりました。騙された被害者ではなく詐欺加害者の味方をする「悪徳弁護士」の物語は、そのダークな設定も相まって打ち切り疑惑が生まれやすい素地がありました。
理由1:全7話という話数の少なさ
打ち切り説が広まった最大の理由は、全7話という話数の少なさです。一般的な民放連続ドラマは1クール10〜12話で構成されるため、7話で終了した本作は「途中で打ち切られたのでは?」と感じる視聴者が多くいました。
実際にYahoo!知恵袋では「弁護士ソドムはなんで7話で終わったのですか?」という質問が投稿されています。回答には「テレ東のドラマ8枠は7〜8話が標準」という正しい情報がありましたが、疑問を持った視聴者が少なくなかったことがうかがえます。
特にTBSの日曜劇場やフジテレビの月9ドラマなど、他局の連ドラは10話以上が一般的です。こうした他局のドラマを基準にすると、7話は「半分程度で終わった」と感じても無理はありません。
しかし、これはテレビ東京「ドラマ8」枠の仕様であり、打ち切りとは全く関係がありません。同枠で放送された『ブラックポストマン』も全7話、『ハイエナ』も全8話で終了しており、本作だけが特別に短いわけではありません。
また、本作は第1話が2時間スペシャルとして放送されています。通常の1話分を加算すると実質8話分のボリュームがあり、他のドラマ8作品と比べても見劣りしない放送時間が確保されていました。
理由2:『クロサギ』との類似によるパクリ疑惑
打ち切り説に拍車をかけたのが、2022年10月期に放送された平野紫耀主演のTBSドラマ『クロサギ』との類似指摘です。『クロサギ』は詐欺師を騙す詐欺師「黒崎」の復讐劇であり、『弁護士ソドム』は詐欺加害者側に立つ弁護士の復讐劇。どちらも「詐欺」をテーマに主人公が復讐を遂げるという共通点がありました。
放送開始直後からSNSでは「クロサギに似ている」「設定がかぶっている」という声が相次ぎました。日刊ゲンダイでも「パクリ騒動」として記事化されるほどの話題になり、「パクリだから低評価で打ち切られた」という根拠のない推測が広まる一因となっています。
ただし、『クロサギ』は夏原武原作・黒丸作画の同名コミックが原作であるのに対し、『弁護士ソドム』は泉澤陽子・三浦駿斗による完全オリジナル脚本です。詐欺をテーマにしたドラマは日本のテレビドラマ史上数多く存在しており、テーマの類似だけでパクリとは言えません。
また、物語の構造も大きく異なります。『クロサギ』の黒崎は自ら詐欺師として詐欺師を騙し返す「クロサギ」ですが、小田切渉は弁護士という合法的な立場から詐欺加害者を弁護しつつ、母親を死に追いやった「牧師」と呼ばれる黒幕に迫る物語です。作品としての方向性は明確に異なっており、類似の指摘が打ち切りの原因になったという事実はありません。
理由3:テレ東ドラマの視聴率に対する先入観
テレビ東京のドラマは、日本テレビ・TBS・フジテレビ・テレビ朝日の4局と比較して視聴率が低い傾向にあります。これはテレ東の放送エリアが狭いことや、バラエティ・報道中心の編成で知られていることが背景にあります。
そのため「テレ東のドラマ=視聴率が低い=打ち切りでは?」という先入観を持つ視聴者も一定数存在します。特に『弁護士ソドム』が放送された金曜20時台は、テレビ朝日の人気バラエティなど強力な裏番組と競合する時間帯であり、数字が取りにくい枠でした。
『弁護士ソドム』の各話視聴率は、世帯視聴率が公開されているものの詳細な推移は広く報じられていません。ただし、テレ東のドラマ枠では視聴率の多寡にかかわらず予定話数で放送を完了するのが通常です。
仮に視聴率が期待を下回っていたとしても、元々7〜8話で完結する枠である以上、途中で話数を削る合理性がありません。視聴率を理由に打ち切られたという情報も一切確認できず、予定通りの全7話で放送が完了しています。
なお、「弁護士ソドム つまらない」という声の中には、「展開が読めてしまう」「第1話の2時間スペシャルで黒幕が推測できた」という脚本面への不満も含まれていました。しかし、作品の評価が分かれることと打ち切りは別の問題です。Filmarksには800件以上のレビューが投稿されるなど、注目度自体は高い作品でした。
弁護士ソドムが打ち切りではない根拠
打ち切り説はネット上で広まりましたが、実際には『弁護士ソドム』が打ち切りであったことを示す根拠は存在しません。むしろ、予定通りに完結したことを裏付ける複数の事実があります。
テレ東「ドラマ8」枠は7〜8話が標準
テレビ東京「ドラマ8」枠の作品は、7〜8話で終了するのが標準的な構成です。この枠は毎週金曜20時に放送されていたドラマ枠で、2023年10月時点ではキー局で唯一の20時台連続ドラマ枠でした。
同じ「ドラマ8」枠で放送された他の作品を見ると、いずれも7〜8話で放送を終了しています。つまり全7話で終了した『弁護士ソドム』は枠の標準的な話数どおりであり、他の作品と比較しても特別に短かったわけではありません。
この「ドラマ8」枠は、他局の1クール12話前後の連ドラとは異なり、短期集中型のフォーマットを採用していました。短い話数で物語を濃密に描くスタイルが枠の特徴であり、これは編成上の判断であって個別作品の打ち切りとは無関係です。同枠では2024年に放送された『しょせん他人事ですから 〜とある弁護士の本音の仕事〜』も同様の話数構成で放送されています。
なお、「ドラマ8」枠自体は2024年10月の改編で金曜21時台に移動し「ドラマ9」に改称されています。枠名の変更は放送局全体の編成方針によるもので、『弁護士ソドム』の評価とは何の関係もありません。
最終話まで放送され物語が完結している
『弁護士ソドム』は2023年6月16日放送の第7話で最終回を迎え、物語の核心部分が全て解決された上で完結しています。最終回では、主人公・小田切渉(福士蒼汰)が14年前の母親・翔子の死の真相にたどり着き、黒幕である「牧師」こと五条典章との最終決戦が描かれました。
打ち切り作品に見られるような「伏線が未回収のまま突然終了した」「駆け足で強引にまとめた」という兆候は見られません。物語は第1話から最終話まで一貫した構成で進行し、「母親の死は本当に自殺だったのか」「赤いノートの中身は何か」「父親はなぜ失踪したのか」といった序盤から提示されていた謎が、最終回で順を追って明かされています。
レビューサイトFilmarksには800件を超える感想が投稿されており、最終回についても「爽快な大団円」「7話でしっかりまとまっていた」といった評価が見られます。打ち切りで無理やり終わらせた作品であれば、こうした肯定的な最終回評価は出にくいでしょう。
また、主人公の渉が違法行為の償いをした上で正規の弁護士業務に復帰するラストシーンも、計画的に物語を着地させた証拠です。打ち切り作品にありがちな「投げっぱなし」の結末ではなく、主人公のその後まで描ききっています。
オリジナル脚本による計画的な構成
本作は原作のないオリジナル脚本作品です。漫画や小説が原作のドラマでは、ストーリーの途中で放送が終了するケースもありますが、オリジナル脚本は放送話数に合わせて物語の起承転結を最初から設計するのが一般的です。
脚本を担当した泉澤陽子と三浦駿斗は、全7話という枠の制約の中で物語を構築しています。第1話を2時間スペシャルとして放送し、世界観と主人公の背景を丁寧に描写。その後の各話で詐欺案件を通じた依頼人のエピソードを展開しながら、全体を貫く「母親の死の真相」と「牧師の正体」という縦軸を最終話で回収する構成になっています。
仮に打ち切りが決まっていた作品であれば、初回を2時間スペシャルとして編成する判断は考えにくいでしょう。初回から手厚い放送枠を確保している点は、テレビ局側が全7話を計画的に放送する意図を持っていた証拠といえます。
さらに、主演の福士蒼汰に加え、竹野内直人・玄理・光石研・加藤清史郎・山下美月(乃木坂46)など豪華キャストが起用されている点も、打ち切り前提の作品とは考えにくい制作体制です。テレビ東京としても力を入れた作品であったことがうかがえます。
弁護士ソドムの脚本家の現在
『弁護士ソドム』の脚本を手がけた二人は、本作以降も精力的にドラマの脚本を手がけています。
泉澤陽子の最新作
メイン脚本を担当した泉澤陽子は、『弁護士ソドム』以降も各局のドラマで活躍を続けています。2023年には本作と同じ年に関西テレビ系で『転職の魔王様』の脚本も手がけ、精力的な執筆ペースを見せました。
2024年にはTBSで『あのクズを殴ってやりたいんだ』の脚本を担当。2025年にはテレビ朝日の『ホンノウスイッチ』やフジテレビの『波うららかに、めおと日和』を執筆しており、テレ東だけでなくTBS・テレ朝・フジと各局から依頼が絶えない売れっ子脚本家です。
代表作には2021年のTBS系『リコカツ』(北川景子・永山瑛太主演)、2022年の関西テレビ系『Sister』などがあります。リーガルサスペンスからラブコメまで幅広いジャンルを手がけており、『弁護士ソドム』で見せたサスペンスの手腕はその後の作品にも活かされています。
三浦駿斗の活動
共同脚本を担当した三浦駿斗は、泉澤陽子と同じ事務所「アンドリーム(&REAM)」に所属する脚本家です。1989年生まれで、『弁護士ソドム』は比較的キャリア初期に手がけた代表作の一つです。
若手脚本家として事務所に所属し活動を継続しています。泉澤陽子とのタッグで全7話のリーガルサスペンスを書き切った実績は、今後のキャリアにも大きく影響するでしょう。
なお、泉澤陽子・三浦駿斗ともに『弁護士ソドム』以降も脚本家として活動を続けていることから、本作が何らかのトラブルで打ち切られたという事情がないことが間接的に裏付けられています。
弁護士ソドムの作品概要とあらすじ
『弁護士ソドム』は、旧約聖書に登場する退廃の街「ソドム」の名で呼ばれる弁護士・小田切渉の物語です。渉は詐欺の被害者ではなく加害者側を弁護する異色の弁護士で、法曹界からは「ソドム」と蔑まれています。
渉がなぜ詐欺加害者の味方をするのか。その裏には、高校時代に亡くなった人権派弁護士の母・翔子の死の真相を追うという隠された目的がありました。母の死は自殺と処理されましたが、遺品整理で見つかった赤いノートが事件性を示唆しており、渉は詐欺の世界に入り込むことで母を死に追いやった黒幕「牧師」に接近していきます。
師匠である曽我和真弁護士(光石研)に支えられながら、渉は一話ごとに異なる詐欺事件を扱いつつ、全体を通じて「牧師」の正体に迫るサスペンスが展開されます。
弁護士ソドムはどこで見られる?
『弁護士ソドム』は放送終了後も複数の動画配信サービスで視聴可能です。テレビ東京の公式配信サービス「ネットもテレ東」のほか、Amazon Prime Videoでも配信されています。
CS放送のファミリー劇場でも一挙放送が行われた実績があり、地上波の再放送以外でも視聴の機会があります。TELASAやTVerでも配信されたことがあるため、気になる方は各サービスの最新ラインナップを確認してみてください。
全7話と短い作品のため、一気見にも適しています。1話あたり約50分(初回は2時間)で、週末に一気に視聴するのにちょうどよいボリューム感です。
福士蒼汰がダークヒーロー的な弁護士を演じるリーガルサスペンスとして、詐欺の手口や法廷シーンの描写も見どころの一つです。「打ち切りかも」と敬遠していた方も、安心して最後まで楽しめる作品です。

