低視聴率で打ち切りになったドラマ一覧!基準は何パーセントか歴代の有名作品で解説

低視聴率を理由にドラマが打ち切りになるケースは、2000年代以降だけでも数多く確認されています。ゴールデン帯で視聴率2〜5%台を記録し、当初の予定話数より1〜3話短縮されるのが典型的なパターンです。この記事では、実際に打ち切りとなった歴代ドラマを一覧で紹介しつつ、打ち切りの判断基準や配信時代における視聴率の位置づけの変化まで解説します。

テーマ 低視聴率によるドラマの打ち切り
対象 民放ゴールデン・プライム帯の連続ドラマ
該当作品数 2003年以降で10作品以上が確認されている
打ち切り判定 🔴 低視聴率による打ち切りは実際に起きている

低視聴率で打ち切りになった歴代ドラマ一覧

ここでは、低視聴率を理由に放送話数が短縮された代表的なドラマを紹介します。いずれもゴールデン・プライム帯(19〜23時台)で放送され、予定話数より早く終了した作品です。

作品名 放送年 放送局 主演 平均視聴率 話数
HEAT 2015年 フジテレビ AKIRA 約4%台 全9話(10話予定)
夫のカノジョ 2013年 TBS 川口春奈 約3.9% 全8話(9話予定)
家族のうた 2012年 フジテレビ オダギリジョー 約3.4% 全8話(11話予定)
セシルのもくろみ 2017年 フジテレビ 真木よう子 約4.5% 全9話(10話予定)
レガッタ〜君といた永遠〜 2006年 テレビ朝日 速水もこみち 約5.4% 全9話(10話予定)

『HEAT』(2015年・フジテレビ)──ゴールデン帯で視聴率2.8%の衝撃

EXILEのAKIRAが主演を務めた『HEAT』は、2015年7月期にフジテレビ火曜22時枠で放送されました。消防団を題材にしたドラマでしたが、初回視聴率は6.6%と低調なスタートとなり、第2話では3.9%にまで急落しています。

第6話では2.8%を記録し、テレビ東京を除く民放プライム帯の連続ドラマとしては歴史的な低水準となりました。フジテレビのドラマで2%台を記録したのは、1980年の『ピーマン白書』以来35年ぶりのことです。

当初は全10話の予定でしたが、9話に短縮されて終了しました。放送前には映画化も発表されていたものの、低視聴率を受けて2015年11月にカンテレの福井澄郎社長が映画化の白紙撤回を明らかにしています。

主演のAKIRAは俳優としてのキャリアが浅く、演技力への不安が放送前から指摘されていました。脚本の評価も低く、視聴者離れに歯止めがかからなかった形です。

『夫のカノジョ』(2013年・TBS)──初回から4.7%の厳しい船出

川口春奈の初主演ドラマとなった『夫のカノジョ』は、2013年10月期にTBS木曜21時枠で放送されました。中年女性と女子高生の心と体が入れ替わるというコメディ作品でしたが、初回視聴率は4.7%で、連続ドラマとしては異例の低さでした。

その後も視聴率は低迷を続け、第4話で3.1%、第5話で3.0%を記録しています。全話平均は約3.9%にとどまり、当初9話予定だったところを8話に短縮して終了しました。

低視聴率の背景には、裏番組の強さがありました。同時間帯にはテレビ朝日の『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』が放送されており、高視聴率をキープしていたのです。TBS編成局も「なぜこのタイミングでこのドラマを放送してしまったのか」と認めるほどでした。

川口春奈はこの作品の後、一時「低視聴率女優」というレッテルを貼られました。当時は「川口春奈」で検索すると「打ち切り」が関連ワードに表示されるほどでした。しかし2022年の『silent』で大きく評価を回復し、現在はトップ女優として活躍しています。

『家族のうた』(2012年・フジテレビ)──パクリ疑惑と3話短縮の二重苦

オダギリジョー主演の『家族のうた』は、2012年4月期にフジテレビ日曜21時枠で放送されました。ロックミュージシャンのもとに突然3人の子どもが現れるという設定でしたが、放送前から1987年のTBSドラマ『パパはニュースキャスター』との類似が指摘され、物議を醸しています。

パクリ疑惑による視聴者の反感に加え、初回から低視聴率が続き、第4話では3.1%にまで落ち込みました。全話平均視聴率は約3.4%で、当初11話予定のところを3話も短縮して8話で打ち切りとなっています。

フジテレビ制作のドラマが視聴率低迷を理由に打ち切りとなったのは、明確な記録が残る1987年以降では初めてのことでした。この作品はフジテレビにとっても大きな転機となり、ドラマ編成の見直しにつながったと言われています。

『セシルのもくろみ』(2017年・フジテレビ)──全話通じて一度も二桁に届かず

真木よう子が主演した『セシルのもくろみ』は、2017年7月期にフジテレビ木曜劇場枠で放送されたドラマです。ファッション誌の読者モデルを題材にした作品で、唯川恵の小説が原作でした。

初回視聴率は5.1%で、その後も4%台から3%台を推移しました。全9話を通じて一度も二桁視聴率に届かず、全話平均は約4.5%にとどまっています。フジの木曜劇場は通常10話編成のため、1話分短縮された形です。

主演の真木よう子は放送中に自身のSNSで作品への思いを語るなど、苦しい状況の中で奮闘していました。しかし視聴者の関心を引き戻すには至らず、最終回も4.3%という結果に終わっています。ファッション業界という題材が一般層に刺さりにくかったことも、苦戦の要因として指摘されました。

『レガッタ〜君といた永遠〜』(2006年・テレビ朝日)──「レガる」の語源になった伝説的低視聴率ドラマ

速水もこみちと相武紗季がW主演した『レガッタ〜君といた永遠〜』は、2006年7月期にテレビ朝日金曜21時枠で放送されました。大学ボート部を舞台にした青春ドラマでしたが、初回9.5%から第2話では5.2%に急落し、視聴者の約半数が1話で見限ったことになります。

その後も最低4.3%を2回記録するなど低迷が続き、全話平均視聴率は約5.4%でした。全10話予定が9話に短縮されて終了しています。

この作品の低視聴率があまりにも衝撃的だったため、テレビ業界やネット上では視聴率が大コケすることを「レガる」と呼ぶ造語が生まれました。放送から約20年が経った現在でも低視聴率の代名詞として語り継がれており、ドラマの打ち切り史を語るうえで外せない作品の一つです。

ドラマが低視聴率で打ち切りになる基準は何パーセント?

「視聴率が何パーセント以下なら打ち切り」という統一基準は、実は公式には存在しません。ただし、過去の打ち切り事例から一定の傾向を読み取ることはできます。

ゴールデン・プライム帯の目安

ゴールデン・プライム帯(19〜23時台)の連続ドラマでは、世帯視聴率が5%を下回る状態が続くと、打ち切りの検討が始まるケースが多いとされています。前述の打ち切りドラマはいずれも平均視聴率3〜5%台で、この水準が一つの危険ラインと言えるでしょう。

ただし、同じ5%でもフジテレビの月9枠のような看板枠と、深夜に近い時間帯の枠では求められる水準が異なります。月9はかつて平均20%超が当たり前だった時代があり、現在でも二桁が期待される枠です。放送枠ごとの過去の実績や、スポンサーとの契約内容によって判断は変わります。

また、初回視聴率がどれだけ低くても、右肩上がりで回復傾向にあれば打ち切りを免れるケースもあります。逆に初回がそこそこでも、急激に視聴率が下がり続ける場合はスポンサー離れが起き、打ち切りに至ることがあります。

放送局とスポンサーの判断が最終決定

打ち切りの最終判断は放送局が下しますが、大きな影響力を持つのはスポンサーの意向です。視聴率が低いとCMの到達率が下がり、スポンサーが広告費に見合う効果を得られなくなります。

実際に、スポンサーがCM出稿を取りやめたり、別番組への差し替えを要求したりすることが打ち切りのきっかけになるケースもあると言われています。視聴率の数字そのものよりも、スポンサーが離れるかどうかが実質的な判断基準になっていると考えられます。

制作費の回収見込みも重要な要素です。映画化やDVD販売、配信権の販売などで収益が見込める場合は、視聴率が低くても打ち切りを回避できることがあります。

視聴率以外の打ち切り要因

低視聴率以外にも、出演者の不祥事やスキャンダル、制作スケジュールの破綻、原作者とのトラブルなどが打ち切りの原因になることがあります。

近年では新型コロナウイルスの影響で撮影が中断し、やむを得ず話数を短縮したケースもありました。このような場合は「打ち切り」とは性質が異なりますが、結果的に予定より少ない話数で終了する点は共通しています。

不祥事による打ち切りの場合は、視聴率に関係なく放送自体が中止になることもあるため、低視聴率打ち切りとは明確に区別されます。主演俳優の逮捕や薬物事件などでは、残りの話数が完成していても放送中止になった前例があります。

低視聴率でも打ち切りにならなかったドラマもある

視聴率が低くても、最後まで予定通り放送されたドラマは少なくありません。その理由はさまざまですが、いくつかのパターンがあります。

配信で人気を獲得したケース

2024年1月期に放送された『婚活1000本ノック』(フジテレビ)は、世帯視聴率の平均が約2.8%とゴールデン帯のワースト級でありながら、TVerでの再生数は放送後2日間で110万再生を突破しました。これはフジテレビ水曜22時枠の歴代最速記録です。

このように、テレビの視聴率では苦戦しても配信プラットフォームで支持を集める作品が増えています。配信再生数が好調であれば、スポンサーへの説明材料にもなるため、打ち切りを回避できる可能性があります。

TVerをはじめとする見逃し配信の普及により、リアルタイム視聴率だけでドラマの人気を測ることが難しくなっています。特に20〜30代の若年層はオンデマンド視聴を好む傾向が強く、世帯視聴率には反映されにくいのが実情です。

放送枠や編成上の都合

視聴率が低くても、後番組の準備が間に合わない場合や、放送枠自体が終了予定の場合は、予定通りの話数で放送されることがあります。

また、制作委員会方式で制作されたドラマの場合は、放送局だけの判断では打ち切りにできないケースもあります。複数の出資者が関わっているため全体の合意が必要になり、視聴率が低くても予定通り放送されることがあるのです。海外への配信権販売が前提の企画なども、国内視聴率だけでは判断されにくい傾向があります。

配信時代で変わりつつある「打ち切り」の意味

かつてはテレビの世帯視聴率がドラマの成否を決める唯一の指標でした。しかし2020年代に入り、その状況は大きく変わりつつあります。

TVerの成長と新たな評価軸

TVerは2020年頃からコロナ禍を経て急成長し、現在はレギュラーだけで約600番組を配信しています。「配信再生数」という新たな評価軸が生まれたことで、テレビの視聴率だけでは測れないドラマの人気が可視化されるようになりました。

ORICONの報道によれば、TVerの広告収入によるマネタイズも整ってきており、制作陣のあいだでもTVerの数字を重視する傾向が強まっています。「なぜTVerで配信しなきゃいけないの?」という声があった初期から、各局のマインドは大きく変化しました。

こうした流れの中で、「低視聴率=打ち切り」という従来の図式は徐々に崩れてきています。今後は世帯視聴率が低くても、配信で高い再生数を記録すれば存続できるドラマがさらに増えていく可能性があります。

それでも視聴率は無視できない

配信の重要性が高まっているとはいえ、テレビCMの価格は依然として視聴率に連動しています。スポンサーにとってリアルタイムの視聴率は広告効果の基本指標であり、この構造が変わらない限り、低視聴率が打ち切りの引き金になる状況は続くでしょう。

特にゴールデン・プライム帯はCM単価が高い時間帯です。この枠のドラマで視聴率が極端に低い場合、スポンサーからの圧力は配信の好調さだけでは相殺しきれないケースが大半です。視聴率と配信再生数の両方が評価される時代にはなりましたが、低視聴率による打ち切りが完全になくなることは当面ないでしょう。


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