『インスティンクト -異常犯罪捜査-』はシーズン2をもって打ち切りが確定した海外ドラマです。シーズン1から視聴者数がほぼ半減したことに加え、CBSの番組編成方針の転換が打ち切りの決定打となりました。この記事では、打ち切りに至った具体的な理由と、主演アラン・カミングの現在の活動について解説します。
| 作品名 | インスティンクト -異常犯罪捜査-(Instinct) |
|---|---|
| 原作 | ジェームズ・パターソン&ハワード・ラフアン『Murder Games』 |
| 連載誌 / 放送局 | CBS(アメリカ) |
| 放送期間 | 2018年3月〜2019年8月(シーズン1:全13話 / シーズン2:全11話) |
| 巻数 | 全2シーズン・全24話 |
| 打ち切り判定 | 🔴 打ち切り確定 |
インスティンクトが打ち切りになった理由
2019年8月17日、CBSは『インスティンクト -異常犯罪捜査-』のシーズン3を更新しないと正式に発表しました。ジェームズ・パターソン原作の犯罪ドラマとして注目を集めたものの、わずか2シーズンで幕を閉じることになりました。
打ち切りの背景には、視聴率の問題だけではなく、放送局側の経営判断やドラマそのものの評価など、複数の要因が重なっていました。以下で主な理由を詳しく見ていきます。
理由1:シーズン2での視聴者数の急激な減少
打ち切りの最大の原因は、シーズン1からシーズン2にかけての視聴者離れです。シーズン1では18-49歳の視聴者層(デモグラフィック)で平均0.63のレーティングを記録し、総視聴者数も平均約660万人を獲得していました。
しかしシーズン2に入ると視聴者数はほぼ半減し、最終回の視聴者数は約340万人、デモグラフィックは0.4まで落ち込みました。アメリカの地上波ネットワークドラマにとって、シーズン間でここまで急激に数字が下がることは打ち切りの強いシグナルです。
特に広告収入を左右する18-49歳のデモグラフィック指標がシーズン1の約半分にまで低下したことは、CBSにとって番組継続を正当化するのが難しい状況を作り出しました。広告単価の交渉においてこの年齢層の数字は極めて重要であり、大幅な低下は即座に収益性の問題に直結します。
理由2:批評家からの評価が振るわなかった
視聴率だけでなく、批評面でも苦戦していました。大手レビューサイトRotten Tomatoesでのシーズン1の批評家スコアは54%(26件のレビューに基づく)にとどまり、平均評価は10点満点中5.44点でした。
この数字は「腐った(Rotten)」判定の基準である60%未満にあたり、批評家からは総じて厳しい評価を受けていたことがわかります。主演のアラン・カミングの演技には一定の評価があったものの、脚本やストーリー展開に対しては「型にはまっている」「既視感がある」といった指摘が目立ちました。
犯罪捜査ドラマが飽和状態にあるアメリカのテレビ市場で、独自性を十分に打ち出せなかったことが批評家の評価を押し下げた要因と考えられます。元CIA教授と女刑事のバディもの、という設定自体は魅力的でしたが、1話完結型のフォーマットが深みのあるストーリーテリングを難しくしていたという見方もあります。
理由3:CBSの番組編成方針の転換
『インスティンクト』が打ち切られた2019年は、CBSが局全体の番組ラインナップを大規模に見直した時期でもありました。視聴率や批評家の評価が一定基準に達しない番組を整理するという方針のもと、本作は「整理対象」に含まれたと考えられています。
つまり、『インスティンクト』単体の問題というより、放送局全体の戦略的な経営判断の中で打ち切りが決定された側面があります。同時期にCBSでは複数の番組が打ち切りや終了となっており、本作もその流れの中に位置づけられます。
また、本作が放送されていた日曜夜の枠は、NFLの試合中継やライバル局の強力な番組と競合する厳しい時間帯でした。CBSとしては、この枠により高い視聴率を見込める新番組を投入したいという思惑もあったでしょう。
インスティンクトの打ち切りに対するファンの反応
2019年8月の打ち切り発表を受け、ファンの間ではさまざまな反応が飛び交いました。特にアメリカのSNSでは打ち切りを惜しむ声が多く見られた一方、「仕方がない」という冷静な受け止めもありました。
SNSでの評価
打ち切り発表後、ファンからは「ディランとリジーのコンビがもっと見たかった」「シーズン2で面白くなってきたのに残念」といった声が上がりました。主演のアラン・カミングもSNSを通じて番組終了についてコメントを出し、ファンへの感謝を述べています。
一方で、視聴者の中には「シーズン1の時点で方向性が定まっていなかった」「犯罪ドラマとしてのインパクトが弱かった」と指摘する声もあり、打ち切りの判断に一定の理解を示す層も存在しました。
海外ドラマを扱う日本のファンコミュニティでも「キャストは良かったが脚本が追いつかなかった」という意見が見られ、作品の評価は分かれる結果となっています。
最終回の評価
シーズン2の最終話(第11話「頭の切れる殺人」)は、当初シリーズの最終回として作られたわけではなかったため、物語が完全に完結しきらない形で終了しています。ショーランナーは打ち切り決定の報を受けて悲しみのコメントを出しており、本来はもう少し先まで物語を続ける構想があったことが示唆されています。
シーズン2は全11話で終了しており、シーズン1の全13話よりも短い構成でした。最終回で主要な伏線が未回収のまま終わったことに対して、ファンからは不満の声も上がっています。
ただし、打ち切りが決定したのが放送中だったこともあり、制作陣が大幅な路線変更やまとめの展開を入れる時間的余裕がなかったという事情もあります。
インスティンクトの主演・原作者の現在
打ち切りから数年が経過していますが、主演のアラン・カミングも原作者のジェームズ・パターソンも、それぞれ精力的に活動を続けています。
主演アラン・カミングの現在の活動
ディラン・ラインハート博士を演じたアラン・カミングは、『インスティンクト』終了後も俳優・演出家として多忙な日々を送っています。2025年1月にはスコットランドのPitlochry Festival Theatreの芸術監督に就任し、2026年シーズンのプログラムを手がけています。
さらに、2026年公開予定のMCU映画『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』でナイトクローラー役を再演することが発表されています。これは2003年の映画『X-MEN2』以来の復帰となり、大きな話題を呼んでいます。
加えて、2026年のEE BAFTA Film Awardsのホストを務めることも決定しており、映画・演劇・テレビと幅広い分野で存在感を示し続けています。
原作者ジェームズ・パターソンの活動
原作小説『Murder Games』(後に『Instinct』に改題)を執筆したジェームズ・パターソンは、1947年生まれの現在78歳です。世界累計約3億冊の売り上げを誇るベストセラー作家であり、現在も旺盛な執筆活動を継続しています。
『Instinct』シリーズはハワード・ラフアンとの共著で、『Murder Games』『Killer Instinct』『Steal』の全3作が刊行されています。パターソンはアレックス・クロスやウィメンズ・マーダー・クラブなど複数のシリーズを並行して発表しており、年間複数冊のペースで新刊を出し続けています。
ドラマは打ち切りとなりましたが、原作小説シリーズは完結しており、ドラマで描かれなかった展開を原作で楽しむことが可能です。
インスティンクトはどこで見られる?配信情報
『インスティンクト -異常犯罪捜査-』は日本ではスーパー!ドラマTVでの放送を経て、現在は複数の動画配信サービスで視聴可能です。
Amazon Prime VideoやHuluなどで配信されており、シーズン1・シーズン2ともにDVDボックスも発売されています。吹替版・字幕版の両方が用意されているため、お好みの視聴スタイルで楽しめます。
全24話と比較的コンパクトな作品のため、打ち切り作品とはいえ週末にまとめて視聴しやすいボリュームです。

